21世紀COEプログラムにおいて、広島大学からは「情報・電気・電子」と「人文科学」の2分野にそれぞれ1拠点が選定されました。 |
拠点リーダー・岩田 穆 (IWATA, Atsushi) 大学院先端物質科学研究科教授 ナノデバイス・システム研究センター長 |
二十一世紀COEプログラムによる情報・電気・電子分野の研究教育拠点として、ナノデバイス・システム研究センターと先端物質科学研究科の三研究室の教官グループが提案した「テラビット情報ナノエレクトロニクス」が選ばれました。拠点の特色は、技術分野をシリコン集積システムに絞り、領域融合による新技術開拓とともに社会貢献も前面に出したことで、これが評価されたと考えております。
三次元集積システム(3Dカスタムスタックシステム)画像認識処理の各階層をチップ化して,無線や光通信技術を使って画像認識システムを実現する。 |
拠点リーダー・有本 章 (ARIMOTO, Akira) 高等教育研究開発センター教授 |
本プログラムは、採択された全分野103件の拠点のうち、高等教育研究では唯一の拠点となりました。まことに栄誉なことでありますとともに、責任の大きさを痛感しております。概略次のような取り組みを行います。第一は、グローバル化、知識社会化、IT化、市場化などの大きな社会変化に対応した大学・高等教育の構造転換の問題を考えることが、世界的な課題であると同時に日本的な課題であるとの問題設定から、産業社会型の近代大学から知識社会型の未来大学を中心に据え、二十一世紀型の高等教育システムを構築し、その質的保証を試みます。第二は、日本の大学が戦前はドイツモデル、戦後はアメリカモデルを移植したのをはじめ、欧米モデルを集積したデパートと化しているなかで、日本モデルの大学像の構築を追求します。第三に、方法論の上で従来優勢であった歴史=構造論に対して、知識の性格や機能を重視する知識論からのアプローチの有効性を探ります。第四に、社会への従属よりも社会への主導性を発揮する大学像の形成を追求します。
具体的には、「大学組織編成の研究」によって、ガバナンス、管理運営、財政の問題を含め、大学間の連携、併合、統合などにかかわるシステム構築を問います。「研究システムの研究」によって、学問的生産性を向上させる条件・機能・構造などの問題を分析します。「FD・SD=教職員資質開発の研究」によって、今後の大学発展のカギを握る教員や職員の資質・能力・活力を高めるシステムを模索します。
五年間の研究には14名のチームで取り組み、さらに学内・外からの協力を仰ぎます。今年は、予備調査、国内外の大学への訪問調査、資料収集、国際会議、センター所蔵資料のデータベース化などを手がけ、次年度以後は、内外の機関調査や大学教員・職員調査、有識者インタビュー、国際会議などを行う予定です。