あるインターナショナル・パーティ |
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―素顔の国際交流― |
自己紹介
私は五年前海を渡って中国から来た留学生です。中国の四川省の出身で、辛いものが大好きです。今、法学部の三年生で、専攻は国際法です。
パーティの様子
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みんなで記念撮影(筆者右から2人目) |
約六畳の部屋に、十何人もが集まって、円形に座り込んでいます。よく見ると、真ん中に様々な料理が並んでいて、集まっている人々も様々な肌の色、目の色、髪の色の特徴をもっています。一体何が始まるのでしょう?実はこれは国際法西谷ゼミを中心としたインターナショナル・パーティーです。もともと、ゼミ生がチューターをしている韓国の交換留学生の歓迎が目的でした。ゼミ生たちも久々の食事会をやるつもりでしたが、韓国の交換留学生に声をかけたところ、大変喜んで、他の留学生も誘ってきてくれたので、十人ぐらいのささやかなパーティーのつもりが、十七人もの盛大なパーティーになったのです。
料理の話
もちろん、料理は各自の持ち寄りです。日本の学生は秋田の名物きりたんぽなべ、手巻き寿司、肉じゃがを、韓国の人は焼き飯、韓国海苔、韓国焼酎を持ってきてくれました。中国人の私も中国の伝統的な食べ物である水餃子を作りました。アメリカの人は面白いお菓子を出してくれました。ドイツ人もいました。ほかにいろんな美味しい料理があって、見るだけでも満腹になりそうでした。用意ができて、みんな一人ずつ英語で自己紹介をしてから、食べ始めました。まず、日本の人から手巻き寿司を食べる方法を教わりました。「海苔を一枚とり、寿司ご飯を上にのせて、自分の好きな具、例えば、玉子、キュウリ、ツナなどをのせて、巻いて、醤油をつけて、I eat it!」。みんな大笑いをして、彼女の真似をしました。留学生はみんな日本に来て日本の代表的な食べ物である寿司を食べたことがあると思いますが、今回のように自分の好きなものを選んで、自分で巻いて食べるのはまた別の味がしたことでしょう。外国人がいるためでしょう、今回の寿司の材料にウインナーも用意してありました。ウインナーにマヨネーズをたっぷりつけて、巻いて食べる、何とユニークなアィデイアでしょう。でも美味しかったこと!信じられますか?信じられなかったら、ぜひ実際に作って食べて見てください。
コミュニケーション
パーティーでは、英語が共通語です。英語が出来る人はぺらぺらで、英語が出来ない人も一語でも頑張ってみんなと楽しく会話をしようとしました。突然日本語が出てきて隣の人に尋ねたり、独り言を言うこともありました。隣の人も「何だろう」困っているような顔をしています。すると向うから誰かが"It is ……"と説明してくれます。それで「なるほど」と、早速さっきの話を続けたこともありました。
料理を食べ終わって、食事会も二次会となり、たくさんのお菓子が出てきました。みんな小さなグループに分かれて、自分の興味がある話に熱中しました。男子はサッカーの話、女子は留学の経歴、携帯のやり取り、好きなものなど、笑い声をあげながらにぎやかでした。お菓子もほとんどなくなりました。「甘い物は別腹」は女子だけではなく、男子にも当てはまるようです。そろそろ、帰りの時間が迫ってきました。「楽しかった」、「また、連絡しようね」、"Thank you"、"Call me again please"みんな、後ろ髪が引っ張られるような気持だったと思います。
パーティー中の私
パーティー中、私も英語で頑張りましたが、一生懸命に頭を使って英語を考え込んだため、日本語が全然出なくなってしまいました。英語か、日本語か、中国語か、自分でも分からなくなったのです。最後に日本の人から「陳さんは電車で帰るんですか」と聞かれたとき、思わず「イェー」と答えました。どこの言葉なの?みんなでどっと笑いました。
こうして私達のインターナショナル・パーティーは明るい笑い声のなかで幕を閉じました。
日本人学生とも、ほかの国の留学生とも親しく友達になれるこのようなチャンスは、私にとってとても貴重です。せっかく八百人もの留学生がいる広大に入ったのですから。
広大フォーラム34期5号 目次に戻る