広島大学の社会連携
   〜科学わくわくプロジェクト〜     
大学情報サービス室


 子どもの理科離れ、学び離れが言われる中、広島大学の知的資源を活用することにより、学ぶことにわくわくし科学する心を深める機会を提供しようとする、「科学わくわくプロジェクト(わくプロ)」をご紹介します。

「わくプロ」とは

 広島大学では既に、高校生を対象とした模擬授業や授業公開、公開講座など、地域の教育への多様な取り組みを行っています。
 「わくプロ」は、これらに加えて、広島大学とマツダ財団が協力して新たな連携の形を生み出そうとするものです。幼稚園、小・中・高校や広島市こども文化科学館などで実践を行っている関係者が集まって議論をしており、広島大学からは大学情報サービス室を窓口として、理学研究科や教育学研究科等から五名の教員が参加しています。
 考えること、学ぶことにわくわくする体験、正解のない問題に取り組みブラック・ボックスをこじ開けてみる体験といった機会を継続して提供することにより、科学する心を育てていきたい、そんな願いがこもっています。

幼小中高大の教員等の議論

科学の体験・興味から科学へ
 幼稚園から大学までの教員などが一緒に議論する中で、子どもの科学体験不足やものづくりの試行錯誤の機会不足などの問題点、興味を持つきっかけづくりだけではなくそれを科学する心に発展させていくことの重要性、教員の側のネットワークの必要性、保護者自身の体験不足という課題など、様々な点が指摘されました。

二十一世紀を担う子どもたち
 二十一世紀は日本にとって手本のない時代であり、新たな世紀を担う子どもたちには、知らないことに興味を持ち新たなことを学び新鮮な感動を覚える、素直で柔軟な思考力と磨かれた理性が求められています。
 いままで知らなかった現象の裏側にある原理が分かるようになる喜び、人類がこれまで築き上げてきた知の蓄積に触れる感動、学んだ知識を組み合わせながら課題を解決していくことの面白さ、そんなわくわくする経験を大切にしたいとの意見が交わされました。

科学する心を育てる継続的事業
 こうした議論から、広島大学の教員の協力を得て各種研究・実験施設なども活用し、科学に興味を持つ子どもたちに対して、継続的な学びの機会を提供することが提案されました。
 なお、学校現場では現在既に多種多様な事業が取り組まれていることから、「わくプロ」では学校外における事業について検討されました。
 具体的には、広島大学サイエンスレクチャーや、小中学生を対象として継続的に実施していくジュニア科学塾、その修了者を主な対象としてより高度な内容を提供する科学塾などが提案されました。
 このほか、科学に関する教育についての情報交換・意見交換のための情報ネットワークづくりや、「わくプロ」の趣旨に沿った民間団体の取り組みへの支援事業なども提案されています。

事業化へ

 これらの提案された事業については、今後それぞれに具体化の検討を進めていきます。広島大学の総合性を活かした取り組みへと発展させていきたいと考えておりますので、皆様のご支援をお願いいたします。


 広島大学では「社会連携」を重要な柱として位置付けており、このようなプロジェクトを通じて、大学の知的資源を活用して地域に貢献していきたいと考えています。



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