副学長就任に臨んで
 平成15年10月1日、副学長に就任された大濱教授(大学院医歯薬学総合研究科)に、就任に臨んでの抱負等を語っていただきました。

大学の持続的発展をめざして

文・大濱 紘三

(OHAMA, Koso)
 来年四月に発足する国立大学法人広島大学は、「世界トップレベルの特色ある総合研究大学」を到達目標に掲げています。これまでも広島大学は多くの有能な教官や高い資質を有する学生・卒業生によって輝かしい歴史を刻んで来ていますが、今後は学内組織の再編や構成員の意識改革を図って、二十一世紀においても持続的発展が可能な光り輝く大学をめざすことになっております。そのような中にあって、本年十月一日付けで新たに設置された社会貢献担当副学長に就くことになりました。
 広島大学は教育・研究のための組織(学部、研究科、センター)以外に、附属病院を抱えています。もちろん附属病院では医師、歯科医師、薬剤師、看護師、理学療法士、作業療法士など、医療人養成のための教育・研修の場としての機能を果たしていますが、本来の病院機能として安全・安心で患者さんのニーズに応える全人的医療を行っており、医療活動は大学の大きな地域貢献活動として高く評価されています。さらに附属病院では高度先進医療や研究的医療などを精力的に展開しており、新時代に即した医療技術を継続的に開発することも大きな使命になっています。これまでは附属病院の運営は文部科学省の手厚い庇護の下に行われて来ましたが、法人化後は大学が責任を持って運営することになります。病院の運営(経営)は医療に関わる諸規則の下で行われており、国の医療費抑制政策もあって非常に厳しい状況に置かれています。そのため国立大学法人広島大学では医療担当副学長を置き、大学の最高責任者である学長の命を受けた専任の副学長がその任に当たることを検討しています。今回の社会貢献担当副学長の主な任務として、この医療担当副学長の業務が含まれています。
 広島大学が持続的な発展を遂げるためには、社会貢献活動の強化と附属病院の機能充実・健全経営が不可欠であり、全力を尽くしてその職務を全うしたいと思っております。皆様の力強いご支援を心からお願い致します。


広大フォーラム2003年10月号 目次に戻る