学生リポーター通信・第6回
工学部建物の配置順序のなぞを追え!

車道と歩道が立体交差する予定だった場所
広島大学新キャンパス総合計画案における事務局周辺。中央部の小さなサークルがターミナル予定地だった。
 工学部の建物は北側から、第二類(電気・電子・システム・情報系)、第四類(建設・環境系)、第一類(機械システム工学系)、第三類(化学・バイオ・プロセス系)の順に並んでいます。「普通なら、一、二、三、四と並びそうなのになぜ?」そんな疑問をお持ちの方も多いはず。今回はその真相に迫ってみました。
 そもそもこのなぞに関しては、様々なうわさが飛び交っているようです。「行われる実験が危険な順に並んでいる」とか「建物内に置かれている設備が高価な順」など、言われたら納得してしまうものもありますが、さて。
 実際の配置理由は、約三十年前のキャンパス移転計画案の中にありました。その当時、現在の事務局裏にバスターミナルを作り、広大の玄関にしようという案があがっていました。そのため、まず、工学部の管理棟をターミナルに一番近い北側に設置することが確定し、次に、実験においてやむをえず発生する騒音、臭気、震動が最も少ないだろうと考えられる電気系の施設が、その隣に設置されることに決定しました。また、残りの建物については、周辺にある独立実験施設とのつながりを考慮して、配置順序を確定し、工事を発注したそうです。
 しかし、そのバスターミナル案では、現在の中央図書館と事務局前の歩道と立体交差する形でトンネルを掘り、バスを理学部西側を経由させるということになっていたのですが、それを実際に施行させるには多額の費用がかかることや、学内にバスを乗り入れることの是非の問題から、結局学内のバス運行経路案は廃止となりました。一方で現在の工学部は、当初の計画案の名残を受け、そのまま配置されたのです。
 さらに詳しいことは時の流れとともに忘れられてきた、ということで曖昧さも残りますが、数あるうわさをこれからも楽しみ続けるにはこれくらいで留めておくのも悪くはないかもしれません…。

学生リポーター
丸一 真実(総合科学部一年)

*このコーナーでは、学生が小耳にはさんだ話題を学生の視点でお伝えします。



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