広島大学の社会連携 |
〜地域からの提案課題を大学の資金で研究〜 |
大学情報サービス室 |
地域から提案いただく課題は、地域社会が解決を迫られている共通性の高い課題であることとしており、中四国地域に在住の方であれば、個人、団体(自治体、NPO、企業など)を問わず応募していただけます。 地域からの課題募集と学内公募 地域からの課題募集は年二回行っており、これまで三回で計八十三件の研究課題の提案をいただきました。応募の内訳は、個人十九件、自治体五十件、団体・企業十四件となっています。 応募のあった研究課題はすべて、学内千七百人の研究者に示されて、関心のある課題に関する研究プロジェクトが公募されます。一つの課題に対して複数の研究が提案されることもありますし、複数の課題をまとめて一つの研究が提案されることもあります。 応募のあった研究プロジェクトは、学内の審査委員会がテーマの重要性や実施可能性などを審査し、採択するプロジェクトを決定します。これまで、二十件の研究を採択しており、研究費の合計は三、五六〇万円となっています。 大学の資金で研究 この研究費は、広島大学の教員が外部から獲得した研究費の一定額を拠出し、全学的な研究推進などを図るために積み立てたものです。このように、大学が自前の資金を使って地域からの提案課題の研究を行うというのは全国的にも珍しい取り組みです。
地域との連携で新たな可能性 このように、地域からの提案課題を大学の独自資金で研究することにより、これまで光が当たることのなかった地域の課題を掘り起こし、地域において大学が果たすことのできる新たな可能性を開拓したいと考えています。 課題提案者も研究に参加 採択された研究プロジェクトには、大学から研究費が配分されて研究が始まりますが、研究課題の提案者に、大学の研究者と一緒に研究に参加していただく例もあります。例えば、障害のある人の作業所の新たな社会的役割の意義付けと企業等との相互発展システムについての研究では、地域で長年にわたってボランティア活動等に携わってきた提案者と、総合科学部、医学部、教育学部などの教員がチームを組んで、研究に取り組んでいます。 このような新しい形の研究から、これまでにない実践的な研究成果が生まれるのではないかと期待しています。
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