フォーラムギャラリー


自然のままに

 自然の素材が好きで、制作には木、土、紙、塩鉛等をよく用います。木は自然のままが美しいのですが、素材となったモノに少し手を加え、もう一度、風景の中に戻してみると今まで目に見えなかった風景とモノとの関係、例えば「10本の木」の作品では物体と影により、時の変化、自然の循環といった、人と自然との関わりがよく見えて来るようになります。
 今まで制作した作品の多くは、語りようのない心を、こういった自然のモノを通して表現したものです。タイトルを付けないことも多いのですが、あえてそうすることによって、私より、見ていただく方のほうがより多くの見方を見つけられるのではないかと思います。
 自然を感じ、わずかでも静謐な時を過ごすことができることに感謝し、制作していきたいと思っています。


1986 セミパラチンスクの塚 (MOUNDS IN SEMIPALATINSK)


1992 UNTITLED


2001 UNTITLED


2001 10本の木

●生きていくということは何だろう。人々は何を心の支えにして生きているのだろう。そんな疑問から、出会った人に『私は「生きる力」をテーマに作品をつくっています。あなたの好きな言葉を書いてください。そして、あなたの写真を撮らせてください。』とお願いし、制作しました。
●これらは、韓国に行ってハングルで趣旨を書いた紙を示し、お会いした人々からいただいた言葉と写真を作品にしたものの一部です。たいへん味わい深い言葉ばかりでした。
●これらの言葉をかみしめながら、これからもこの制作を続けていこうと思っています。
●韓国ソウル市「人はまじめに生きるということを一番大事にして生きて行かねばならない。」
●韓国ソウル市 「幸福」

●韓国ソウル市「天・地・人」 ●韓国ソウル市「仕事をしていて最善を尽くしてほこりを感じる時」 ●韓国ソウル市「純粋な気持ちで心の交流を」

学生部留学生課
 近 藤 博 明

芥川賞作家で美術家の赤瀬川原平氏(左側)と
KONDO, Hiroaki
1974 アーバン・オープン・スペース・イン・ヒロシマ(広島市)
1975、 77、79
京都アンデパンダン展(京都市美術館)
1981 '81国際メール・アート展(モンザ、イタリア)
1984 第1回ソウル国際ドローイングビエンナーレ(韓国ソウル市)
1985 KIS’85群山国際現代美術展(韓国群山市)
1987 第4回釜山青年ビエンナーレ(韓国釜山市)
1990〜 2000
第1、2、4、6回公募「広島の美術」(広島市現代美術館)



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