留学生の眼(93)
日本とコロンビアの
文化の違い
文・コンデ,マリア・リナ
(CONDE, M. Lina)
日本語日本文化研修生
(コロンビア出身)
今から四年くらい前、偶然川端康成の「眠れる美女」を手に入れました。その小説を読んで、感動しました。相反する感情が美しく描かれていることに、素晴らしいと思い、日本文学に興味を持つようになりました。色々な作家の小説を読み、その後日本語で読んでみたいと思って、日本語の勉強を始めました。日本文学と日本語を勉強することで日本文化にも興味を持つようになりました。さらに、本当に日本文化はコロンビアと全く違う文化かどうか知りたかったからです。コロンビアで見たり、読んだりしたことは、もちろん、真実の日本と違うと分かっていたので、実際に日本に行きたいと思いました。試験を受け、奨学金をもらいました。二〇〇〇年の夏初めて日本に来て、二週間しか勉強しなかったし、日本人と話す機会もなかったので、生活や、習慣などについてあまり認識できませんでした。けれども、短い時間しか過ごしませんでしたが、色々なカルチャーショックを受けました。例えば、初めて和式のトイレに入った時、コロンビアの民族が昔使っていたトイレとよく似ているので、本当に驚きました。それになかなか使えないし、どうして、使いにくいのに、まだあるのだろうと思いました。
去年の十月から一年間の予定で、広島大学に留学していますが、すでに様々な経験をしています。例えば、大学で同じ授業を取っている男の友だちとたいていいるのですが、日本人の目には恋人のように見えます。どうしてただの友達なのに恋人か夫婦だとよく言われるか分かりませんでした。しかし、恋人と一緒にいた日本人の友達と会った時理解しました。人の前では手をつながないし、抱きしめないし、キスもしません。私にはやはりただの友達にしか見えませんが、実際には恋人です。日本人は外の人と内の人の違いで振る舞い方もよく違うので、恋人でも、道ばたでそんなことはあまりしないのでしょうか。
それはそうとして、他の例は十月に日本人の友達と、うどんを食べに行った時、みんな音を立てていたので、ちょっとびっくりしましたが、意外だったのはどうして私が音を立てずに食べていたのかと聞かれたときでした。子供のときからそれが本当に失礼だと言われていたので、音を立てたら、よく叱られたものです。ですから今いくらやってみても、音が立てられません。そんなことは、それほど大事なことではないとおもいますが、日本人とうどんを食べたら、その話題が出て来るはずです。
一方で、遊びとして、コロンビアではよくディスコとかクラブに行きました。日本人は踊るのがあまり好きではないようですが、カラオケがとても人気のようです。みんなではありませんが、普通のコロンビア人は歌を歌うのがちょっと苦手で、ダンスのほうが好きですが、それも大したことではないと思います。
トイレの問題や、鼻水を飲み込むことや、食べながら、音を立てることなどはわずかなことで、すぐに慣れて来ました。でも、言うまでもなく、コロンビアの文化と日本文化は大変異なる点も多いですが、こういった些細な例からも、よく分かると思います。
(原文・日本語)
広大フォーラム2003年4月号
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