副学長就任に臨んで
 平成15年6月1日、副学長に就任された高橋教授(大学院教育学研究科)と,吉里教授(大学院理学研究科)に、就任に臨んでの抱負を語っていただきました。

教育の 「高品質化」をめざして

文・高橋 超

(TAKAHASHI, Susumu)
 六月一日付けで副学長(学部・大学院教育、厚生補導担当)の職を務めることになりました。職務の内容は多岐にわたっておりますが、何よりも重要な職責は、広島大学に入学した学生諸君が充実した大学生活を送り、高い志と広島大学で学んだことにプライドをもって社会参加を果たすことができることを直接間接に支援することではないかと思っております。
 言うまでもなく、時代や文化、さらには設置形態のいかんにかかわらず、大学は、高等教育機関として社会の様々な分野で活躍できる人材を育成するという極めて重要な役割を果たしてきましたが、国立大学法人化や十八歳人口の減少といった中で、広島大学にとって最も重要な課題の一つは、教育の「高品質化」を図るということではないかと思います。
 広島大学は、教養的教育の改革を始めとした学士課程教育、さらには大学院教育の改革を進めてきているところですが、新たな教育システムとして「教育プログラム」制導入についての検討も開始されております。教育システムやカリキュラム編成の改善・改革とともに、入学試験の見直し、高大連携のさらなる拡充、さらには、着実に成果を上げている教育の国際化の推進、障害学生の就学支援体制の充実等、「教育の高品質化」を図るための課題は少なくありません。
 教職員各位のご支援とご協力をいただき、「学生の目線」にたった「教育の高品質化」に微力ながら貢献できればと思っている次第です。


総合研究大学世界拠点をめざして

文・吉里 勝利

(YOSHIZATO, Katsutoshi)
 この文章を六月四日に書いています。先週の土曜日(五月三十一日)に挙行されました、サタケメモリアルホールの落成式に参加しました。多くの方々が待ちに待ったという感じの華やかな落成式でした。この完成によって本部事務局、中央図書館、メモリアルホール、および学士会館、まさに広大の象徴となる中心帯が出現しました。来年は国立大学法人広島大学の出発の年です。国立大学の法人化は、明治時代に始まった大学制度の歴史のなかでも一番か二番目に位置付けられるべき大変革といわれております。変革の時代には、多くの解決を迫られる問題がでてきます。このような場面にあっては、私達の日常的な常識と知恵こそが問題解決のための最大の拠りどころであるという考えを大事にして、新生広島大学への準備と出発に対して微力を尽くしたいと存じます。私は、研究と国際交流を担当致します。広島大学は国際的拠点にふさわしい総合研究大学としての位置を不動のものにすることを学内外に表明しております。私達が目指す広島大学は、?全領域の学部教育プログラムを持ち、大学院教育が充実しており、課程博士の学位授与状況が極めて良好で、活発な研究活動の下に優れた研究業績が数多くみられるなど、教育研究の世界的拠点としての資格を備えた大学?としての活動を持続的に維持できる大学です。この目標に向かって微力を尽くす覚悟です。新任のご挨拶を述べますとともに、皆様のご支援を御願い致します。


広大フォーラム2003年8月号 目次に戻る