広島大学の社会連携
 〜大学・行政・医師会等による継続的な連携の場〜

大学情報サービス室

 地域保健対策協議会
 広島大学では、地域における保健医療のあり方を調査研究し議論するため、医師会・歯科医師会など保健・医療・福祉関係団体や行政と共に、広島県地域保健対策協議会(県地対協)に参加し、運営企画の中心的な役割を担っています。
 本学の教員が、それぞれの専門性を生かして、地域社会や行政の関係者と共同して活動しています。

広島県地域保健対策協議会(県地対協)
広島県
 
広島県医師会
広島大学
広島県歯科医師会
広島市
広島県薬剤師会
 
その他保健・医療
・福祉関係団体

昭和四十四年以来の伝統
 地対協は、昭和四十四年に設置された三十四年もの歴史を持つ組織であり、大学で教育研究をしている者と現場の医療関係者や行政職員などが一同に顔を合わせて、多様なテーマについて継続的に議論をするという点で、全国的に見ても意義のある珍しい組織です。
 大学の学問分野にとどまらず学際的に、地域社会の専門家や県民に対して、健康を増進し医療を進める上での受け手の側に立った「処方箋」を提示しようとする、ユニークな活動を行っています。

多様な分野での委員会
 毎年、社会の変化に対応して取り上げるテーマの見直し検討がなされ、その結果に基づいて委員会が設置されています。
 平成十五年度には、次の図のように二十五の委員会が設置されており、それぞれの委員会について、本学大学院医歯薬学総合研究科などの教員が、委員長または委員として参加しています。

広島県地域保健対策協議会
平成15年度の委員会
保健医療
基本問題
保健医療基本問題検討,地域医療臨床研修,地域医療情報化推進,
広域災害医療体制,救急医療体制,臓器移植堆積,医療従事者
養成・確保対策
地域連携
地域ケア促進,在宅服薬管理対策,難病医療,緩和ケア推進
子育て支援
子育て支援,小児救急医療支援,児童虐待対策,新生児聴覚障害対策
健康づくり
がん検診(乳がん部会,消化器がん部会,前立腺がん部会),
基本健康診査精度管理,メンタルヘルスケア対策,健康づくり
感染症
慢性肝疾患,肝炎治療ネットワーク,感染症対策
行動のためのコンセンサスづくり
 各委員会のテーマについて、幅広い分野からの参加者が、問題意識を共有し課題を整理して、実践者による行動のためコンセンサスづくりの場をめざしています。関係者が日常的に顔を合わせて議論することにより信頼関係が生まれています。
 広島発のシステムが全国に広がったインターネットによる救急医療情報ネットワークなども、地対協でのこのような議論から生み出されました。
 最近では、健康づくりや感染症対策など、新たな課題に対しても積極的な取り組みを行っています。

歯科衛生連絡協議会
 このほか、歯科保健医療分野における専門組織として広島県歯科衛生連絡協議会(歯衛連)が昭和四十五年に設置されており、本学も参加しています。地対協同様に全国的にもユニークな組織であり、活発な活動を行っています。

大学が地域の連携の要に
 このように、大学を軸として、地域の行政や専門団体による開かれた議論の場が実現しています。
 変化の時代においては、地域の現場で活躍されている方々と行政、大学が連携して、常に新たな課題に取り組むことによって、新しい流れを生み出していくことが大切だと考えています。
 長い歴史を持つ地域医療分野での社会連携から、新たな発展が生まれていくことが期待されています。

広島大学の社会連携
 広島大学では、社会との連携により、地域と大学双方の活性化をめざしています。この「広島大学の社会連携」では、本学の取り組みをご紹介しています。

社会連携に興味のある学生募集
 地域との連携事業を手伝ってくれる学内の学生を募集しています。大学情報サービス室 内線6134、橋本・匹田までご連絡ください。



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