就職率に関する気になるデータ

 平成十五年度の就職率は?
 図1〜3をご覧ください。進路別、男女別、学部・大学院別によって就職率にばらつきがあります。進路別では企業就職が、男女別では女性が、学部・大学院別では大学院のほうがそれぞれ高い傾向です。ただし、部局間で就職率に差があります。

 過去五年間の就職率の推移(変動幅)は?
 図3に示すように、学部全体、大学院全体の平均で見ると、いずれも上昇傾向にあります。ここで注目したいのは、部局によって五年間の就職率の変動幅が異なることです。学部では、文系学部Aや理系学部Dのように安定して就職率が高い学部と、文系学部Bや理系学部Cのように不安定な学部があります。

就職率は目安。大事なのは個々人の力
 これらの図に示された傾向について、その理由を考えてみましょう。
 例えば、学問の性質としての文系と理系では、社会や企業のニーズがはっきりしている理系の方が就職率が高い傾向にあります。学部と大学院では、大学院の方が高い結果が出ています。その理由として、高い専門性とコミュニケーション能力が評価されたと考えられます。
 男女別では、就職活動に対する真剣さと就職先に対する柔軟さで女性が勝っています。
 進路別では、企業就職、教員、公務員の順に低くなります。これは、希望者に対する採用人員規模が影響しています。特に行政改革や市町村合併で採用人員が削減されている公務員は、希望者の増加とあいまって、厳しい状況です。
 年度ごとの学生の意識も大いに関係します。将来を語ることやガイダンスに参加することに冷ややかな雰囲気があれば、その年度は要注意です。また、部局の支援体制も少しは就職率に影響するでしょう。しかし、大事なのは「就職できるかどうかは個人の力で決まる」という現実です。就職率は、一つの目安にすぎません。就職率が低い学部だからと不安感を持つことはないし、就職率がいい学部だからと慢心して準備を怠ると決まりません。
 個々人に求められる力を要約すると、
@ ビジョン/目標を持つこと
A 行動を起こすこと
B @、Aの裏打ちとなる能力

です。Bで言う「能力」は、論理的思考力、コミュニケーション能力、専門性と考えてください。「自問自答しておきたい三つの問い」(七頁)と「先輩からのアドバイス」(九頁)も参考にしてください。


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