1919年開校のカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の歴史から見ると、1969年創設のAsian American Studies Center(AASC:アジア系アメリカ研究センター)は比較的新しい研究機関ですが、アジア系アメリカ研究という領域横断的な学問の歴史から見ると、その先進性は明白です。AASCはUCLAキャンパス内のCampbell Hallを拠点とし、多彩な教育・研究活動を展開しています。AASCは、少数派であるアジア系アメリカ人の経験を記録・分析し、さらに、今後の展望を予測することを目指しています。開講科目はアジア系アメリカ人の歴史・文学・社会学・健康問題等を扱うものの他に、アジア系アメリカ人としての経験をドキュメンタリー・フィルムとして制作し記録する授業もあります。AASCの学生のほとんどはアジア系アメリカ人で、英語を母語として育ちながらも、米国の主流派にはけっして加われないという疎外感を抱いており、アジア系アメリカ人の抱える問題の根深さを感じます。
カリフォルニア大学ロサンゼルス校のホームページ http://www.ucla.edu/
アジア系アメリカ研究センターのホームページ http://www.sscnet.ucla.edu/aasc/