世界の大学シリーズ75

カルフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)
アジア系アメリカ研究センター
アメリカ合衆国





UCLAの象徴的な建物ロイス・ホール。大ホールではコンサートや講演会が開かれる。
文・写真/的場 いづみ

(MATOBA, Izumi )
総合科学部
広域文化研究講座助教授

大学内で売られているUCLAグッズ。Bruinという熊がUCLAのマスコット。グッズの売り上げは大学の収益となる。

AASCの入っているCampbell Hall
毎日発行される大学新聞。2002年秋に発行されたものなので、右下はイラク戦争前の大統領の演説を、右上は反戦デモを報じている。


LAのダウンタウンにある日系人街リトル東京

 1919年開校のカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の歴史から見ると、1969年創設のAsian American Studies Center(AASC:アジア系アメリカ研究センター)は比較的新しい研究機関ですが、アジア系アメリカ研究という領域横断的な学問の歴史から見ると、その先進性は明白です。AASCはUCLAキャンパス内のCampbell Hallを拠点とし、多彩な教育・研究活動を展開しています。AASCは、少数派であるアジア系アメリカ人の経験を記録・分析し、さらに、今後の展望を予測することを目指しています。開講科目はアジア系アメリカ人の歴史・文学・社会学・健康問題等を扱うものの他に、アジア系アメリカ人としての経験をドキュメンタリー・フィルムとして制作し記録する授業もあります。AASCの学生のほとんどはアジア系アメリカ人で、英語を母語として育ちながらも、米国の主流派にはけっして加われないという疎外感を抱いており、アジア系アメリカ人の抱える問題の根深さを感じます。

 カリフォルニア大学ロサンゼルス校のホームページ http://www.ucla.edu/
 アジア系アメリカ研究センターのホームページ http://www.sscnet.ucla.edu/aasc/


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