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「分かるとは」

 親しい先生から「秋山君 君は馬鹿です。バカですね〜」といわれたのは数ヶ月前。そのとき僕は何も言い返しませんでした。しかし今となっては心から感謝しています。というのも、その言葉は、私に「バカ」という言葉の意味をより深く考えさせてくれるきっかけとなったからです。私は今までの大学生活の中で、授業の度に分からないことをなくすようにし、先生には誰よりも多く質問したと自負しています。それでも理解を超えるような疑問点というものがあるのです。それは、疑問から疑問が生まれるタイプの疑問です。大学入学前までの、中学や高校の疑問はある意味、疑問がはっきりしているというか、誰にでも考え抜けば解決できる疑問でした。ところが大学では、それ以上の段階にきています。だから、一筋縄に「分かった!」とは言えないはずなのです。このようなことが本当に分かって初めて、私は心の底から「分からないことがあります!」と自信を持って宣言でき、分からないところも分からなかった過去の自分を脱したように思います。

( 理学部数学科4年 秋山正和)

*「挑戦する意欲を持ち、行動を起こす人材が育つ大学」というありたい姿をふまえ、今年度の表紙では「元気」「活力」「挑戦」などをキーワードに、生き生きと活動している学生を取り上げてきました。最終回は、「AO入試」で理学部に入学後「飛び級」で3年生を飛び越して4年生に進級、今年4月からは理学研究科博士課程前期に進学して数学のスペシャリストを目指している秋山正和さんの登場です。秋山さんのインタビュー記事は48ページをご覧ください。
広大フォーラム2005年2月号 目次に戻る