緊急メッセージ
交通事故の悲劇を繰り返すな
新聞等で最近頻繁に報じられているように、広大の東広島キャンパス
移転後、学生の交通事故による死亡事故が多発している。その中には入学間もない
新入生も含まれている。
自動車やバイクがないと通学に不便な所に大学が位置し、交通整備が不十分であ
るなどいろいろ問題は多いが、深夜に起きているケースも少なくない。
大学に入学するとアルコール飲料を飲む機会もあるが、酒を飲んでの運転は厳に
慎むべきで、一人一人が自分の命を大切にして欲しい。
(総合科学部広報委員長 井上研二)
文学部では、毎年新入生ガイダンスで、特に時間を設けて、東広島での交通事故
の実態を知らせ、被害者加害者にならないように注意を喚起している。また、四月
に交通安全講習会を開催している。
しかし、昨年度、不幸にも文学部生の交通事故死が発生し、学部内に緊急に掲示
を出して、学生各自の自覚を促した。
さらに教官会においても、各教官に授業などで事故の悲劇を伝えて、安全運転に
心がけ、事故を起こしやすい深夜の外出はしないよう、学生に話していただくこと
をお願いした。
(文学部学生厚生委員長 富永一登)
昨年十二月十七日の教育学部生が引き起こした事故は、一人の即死者と五か月の
重傷者と、被害者−加害者という構図を同時に引き起こした。五か
月の重傷者はやっと退院にこぎつけたが、今後生起すると思われる事態を想定する
と恐ろしい気分になる。
刑事罰・民事罰ともに軽いものとは思えない。彼はその生涯を償いに費やすこと
になるかも知れない。被害者サイドも苦しいと思う。
一つの事故で二つの家族が爆発した。周囲はもう次々に起こる事故で、あの悲劇
の事故を忘れかけている。
(教育学部学生委員長 松岡重信)
学校教育学部では、四月に新入生の尊い命を失った。痛恨に堪えない。どうした
ら交通事故が無くなるのだろうか。
交通安全講習会を開いたり、五月六日からは一週間、学内北門(郵便局前)に立って、毎朝、交通安全指導も行ってきた。声高に無事故を呼び掛けてみても
、一人一人が交通規則を遵守しなければ何の解決にもならない。
学生諸君! 本気で命の大切さを考え、事故防止対策の行動を起こしてください
。
(学校教育学部学生生活委員長 難波平人)
三月五日、二年生のU君を、深夜の自転車走行中に用水路に転落・死亡するとい
う痛ましい事故により失った。この事故は道路の欠陥によるものとの見方が強い。
西条の交通施設の現況は、自動車・バイクのみならず、歩行者や自転車にとって
も危険に満ちたものであり、新入生への交通安全教育においては特にこの点も強調
している。
また、東千田キャンパスに通う夜間部学生には、西条とは異なる大都市の状況に
応じた安全教育を、経済学部と協力して、継続していかねばならないと考えている
。
(法学部交通問題対策委員会 専門委員 野呂 充)
経済学部では、広島市内を横断歩道を自転車で横断中の学部生が、左側より走行
してきた自動車と接触、右側頭部骨折・クモ膜下骨折により入院する、東広島市内
の交差点を自転車で走行中の学部生が、前方より走行中の自動車が右折したため衝
突、内臓腸官損傷・腰部左右凹突起骨折により入院するなどの事故が昨年おきてい
る。
また一昨年には、広島県内をオートバイで走行中の学生が道路左側の土手に衝突
。頭部・胸部打撲により亡くなるという痛ましい事故がおきている。
(経済学部学生委員 矢野順治)
新カリキュラムになってから、歯学部の学生も二学年から霞地区に通学すること
になり、学生数が増加した結果、交通事故の頻度が高くなってきている。特に自転
車やバイクによる自動車との接触事故件数が多い。
歯学部では、新入生のオリエンテーションや二年生のガイダンスおよび五年生の
臨床実習ガイダンスのたびに、交通事故についての注意と自動車通学の自粛を常に
啓発している。歯科医師国家試験受験時に、交通事故や違反に対してのペナルティ
ーのあること等を掲示や説明により指導している。
(歯学部長 長坂信夫)
自宅近くに新しいガードレールができて花が添えられている。本学の学生が自転
車ごと用水路に転落し死亡したのである。ガードレールは墓標ではない筈だが、犠
牲が出ないと状況が改善されない悲しい現実がある。
交通事故の被害者にも加害者にもならぬためには、利用する道路の危険度を十分
認識し、交通規則を遵守するほかあるまい。
学内の二輪車規制区域に入り込む数多くのバイクを見て、学内にも「墓標」がで
きはしまいかと危惧の念を抱く。
(工学部広報委員 宮崎修次)
生物生産学部では、毎年四月に交通安全講習会を開催している。本年度は、構内
駐車証を必要とする学部生、大学院生を対象に合計五回の講習会を行なった。
講習会では、交通事故を検証し安全運転の意識を啓発するビデオを見せ、さらに
「構内交通に関する要項」について遵守事項を中心に説明した。また、構内におけ
る違法駐車が緊急車両の通行を著しく阻害している問題について、本学部で起こっ
た不幸な実例を挙げて注意を喚起した。
(生物生産学部 羽倉義雄)
(交通問題対策委員会専門委員)
多発する交通事故をどうするか。有効な方法があればすでに実施されており、効
果を上げているはずである。それが無いから問題が解決されない。当研究科におい
てもしかりである。
その根元的な原因は、問題意識の低さにある。学生にとっては他人事なのである
。それでは、問題意識を高めるにはどうすればよいか。本人が自覚しない以上、他
動的に問題を認識させるしか方法は無い。
そこで他力本願ではあるが、当方も人的・経済的支援を行うとの覚悟で、警察と
共同して頻繁に「交通取締り」を行うことである。いろいろ問題はあろうが、現在
の事態はそこまで緊急かつ、強制的な方法が求められている。
(国際協力研究科学生・厚生委員長 笠井達哉)
広大フォーラム29期1号 目次に戻る