ニューズ・ダイジェスト 

 



評議会だより


咲いた友情のひまわり

 事務局棟南側の道路端にひまわり約五十本が育ち、大輪の花を咲かせた。
 このひまわりは、昨年十一月、神戸市西区の仮設西神第二住宅自治会の藤田治行会長から前学生部長の西村清巳教育学部教授に届いたもので、西村教授は、学生部職員や研究生ら十五人とともに、毎日交代で水をやるなどして大切に栽培した。七月初めには約五十本のひまわりの花が咲いた。
 ひまわりの種は、阪神大震災の後、広島市のボランティア団体「ふれあい文化交流会」が仮設西神第二住宅自治会に贈ったもので、同自治会の藤田会長が育てて花を咲かせ、その種を炊き出しなどで世話になった西村教授にプレゼントしたもので、広島市から神戸市、東広島市へと善意の架け橋になったひまわりを広大では「友情のひまわり」と名づけて、来年以降も大切に育てることにした。


「中国五大学」夏季大会で二位

  七月十一日から開催されていた「第48回中国五大学学生競技大会」夏季大会(主管=岡山大学)が、三日間(水泳競技は七月五、六日の二日間)の熱戦を終え閉幕した。
 競技種目別では、バレーボール(男女)、庭球(女子)、ソフトテニス(男女)、水泳(男女)、バドミントン(男子)、陸上競技(男子)がそれぞれ一位となり、準硬式野球と陸上競技(女子)、空手道が二位となった。三位には、庭球(男子)、卓球(男子)、バドミントン(女子)、弓道(男女)が入り、硬式野球は四位となった。得点では、一位の岡山大学に〇・五点の差で二位となった。冬季大会の活躍を期待したい。


歯学部の辺地医療に助成金

 七月十六日(水)、歯学部の三診療班による辺地での医療事業に、毎日新聞社会事業団からそれぞれ十万円が贈呈された。
   これら医療班は、歯科保存学第一講座診療班(代表者=新谷英章教授)、オーラルリハビリテーション班(代表者=赤川安正教授)、高齢者歯科診療班(代表者=貞森紳丞講師)の三班で、新谷班五人は七月二十三日から三日間、芸北町で四十歳以上の町民を対象に診療したのをはじめ、赤川班八人は八月いっぱい、山口県玖珂郡本郷村で六十五歳以上の村民を診療し、義歯を入れるなどの治療が生活の質にどのような影響を与えるかを調査した。
 また、貞森班四人は、九月十六日から、甲山町と協力して高齢町民の義歯の点検などを実施している。  


サッカー部、天皇杯に出場

 海の記念日の振替休日となった七月二十一日、広島市内のビッグアーチ横の第一球技場で、広島県サッカー選手権大会の決勝戦が行われた。
 広大サッカー部と広島経済大との大学勢どうしの決勝戦となった。
 午後三時二十分キックオフ。前半十五分過ぎに三好選手がゴールを決め、さらに大国、三好のコンビプレーで二対〇とリードした。
 後半、広島経済大に押され気味で、後半二十九分には経済大にゴールを決められた。何度もゴールを脅かされたが、守備の要の中村選手を中心に守りきり、二対一で二年ぶりの天皇杯への出場権を獲得した。
 中村キャプテンは「早い時間に点を決めることができたのが良かった。新システムを強化し、天皇杯本選では広島県代表として恥ずかしくないよう頑張りたい」と今回の勝因と天皇杯に向けての抱負を語っている。


おごそかに原爆死没者を追悼

 広島に原爆が投下されて五十二年目、広島大学原爆死没者追悼之碑が建立されて二十三年目の夏を迎えた今年も、八月六日(水)、東千田キャンパス内の追悼之碑の前で原爆死没者追悼式が行われた。
 当日は十一年ぶりという雨天の中、遺族や同窓会代表をはじめとして、原田学長や部局長など百名を超える学内外の関係者の参列を得て、死没者名簿の奉納、黙とう、学長の式辞、献花及び献水がおごそかに執り行われた。
 この追悼之碑には、原爆死没者調査委員会の調査により今回新たに判明した死没者十九柱を加え、一三〇三名が合祀されることになった。
 式典に引き続いて、追悼之碑そばの「広島文理科大学・広島高等師範学校、原爆死没者遺骨埋葬の地」の石碑に関係者が参列して、献花及び献水を行った。


南方特別留学生「故ニック・ユソフ氏」の墓前法要

 マレーシアから南方特別留学生として広島文理科大学に留学していて被爆死した故ニック・ユソフ氏の墓前法要が、八月六日、五日市(いつかいち)の光禅寺で執り行われた(世話人=菅野義信名誉教授)。
 茂里(もり)副学長をはじめとする学内関係者や留学生、故ユソフ氏ゆかりのかたがたなど約二十名が参列し、当時の様子を語り合いながら故ユソフ氏の冥福を祈った。


第三十六回オマール忌、いとなまれる

 被爆南方特別留学生 故サイド・オマール氏の没後五十二年墓石建立以来三十六回目の法要が、去る九月七日に京都市の圓光寺(所在地は洛北詩仙堂北二百。起源は慶長六年足利学校分校。日本の印刷史上特記される圓光寺活字といわれる木製活字所蔵)において「オマール君の墓を守る会」の主催で行われた。
 法要には、墓石を建立し、以来「オマール君の墓を守る会」としてお世話をしておられる園部氏をはじめとして約五十人が参列し、圓光寺奥にある墓前において、住職の読経に続き献花、献水、焼香の後、近所の修学院小学校の児童による「オマール君の歌」の合唱が行われる等故人を偲び追悼した。広島大学からも毎年参列しており、園部様から紹介 謝辞をいただいた。
 サイド・オマール氏は南方特別留学生第一期生として昭和十九年六月にマレーシアから来日し、広島文理科大学在学中に興南寮で被爆した。
 被爆直後、オマール氏は、行方不明になった南方特別留学生ニック・ユソフ氏(墓所は五日市光禅寺。ユソフ忌は八月六日墓前祭)を広島市内くまなく探し回り、また、多くの負傷者の看護に献身的に活躍した。
 その後、帰国のため上京途中症状が悪化し京都で下車、京都帝国大学附属病院へ入院。九月三日に原爆症で死亡した。
 没後しばらく経って、このことを聞き知った園部氏が墓石建立に奔走。遺族を招いて建立後、「オマール君の墓を守る会」として供養しておられる。
 墓石に碑文があり、そこには次のように刻まれている。

オマール君
君はマレーからはるばる日本の広島に勉強しに来てくれた。それなのに君を迎えたのは原爆だった。
嗚呼実に実に残念である。
君は君の事を忘れない日本人のあることを記憶していただきたい。武者小路実篤

(学生部留学生課 長尾和典)



医学部附属病院恒例の「花火まつり」開く

 八月七日夕方、西病棟広場で十二回目の「花火まつり」が行われ、入院患者さんや職員など約五百人が夏の夕べのひとときを楽しんだ。
 午後七時、松浦病院長をはじめ入院患者さんや看護婦さんの代表の計五名による花火点火式で幕を開けた。  また、浴衣姿の看護婦さんたちが、勤務の合間をぬって練習した盆踊りも披露した。
 最後に、仕掛け花火や打ち上げ花火が約百発打ち上げられ、入院患者さんたちは夜空に映える花火を見上げ、満足そうに歓声をあげていた。(医学部総務課)


アレ、そっくりさん?

 去る八月九日、三原市の伝統行事「やっさ祭り」に、附属三原(幼・小・中)の児童ら二百三十数名が参加したが、学長はその行列の先頭に立って見事な「やっさ踊り」を披露した。「歌う学長」いや「踊る学長」の面目躍如だ。


佐田政務次官、東広島キャンパスを視察

 佐田文部政務次官は八月二十日(水)、東広島キャンパスを視察した。
 この日、佐田政務次官は原田学長から大学の概要等の説明を受けた後、事務局棟屋上かららキャンパスを見学。
 続いて、昨年度本学に初めて設置された放射光科学研究センターと同センターに隣接するベンチャー・ビジネス・ラボラトリー施設を谷口センター長や松村施設長らの案内で視察した。
 特に、「夢の光」といわれる放射光を利用して基礎科学のみならず応用科学の分野でも大きな研究成果が期待されている放射光科学研究センターでは、佐田政務次官の関心は高く、谷口センター長の説明に次々と質問し、予定の時間をオーバーするほどであった。



工学部でバイオ体験研修会

 遺伝子を操作する遺伝子工学が熱い視線を浴びているが、八月二十二日(金)から二日間、工学部で「地域バイオ技術体験研修会」が開かれた。
 この研修会は、本学や中国通産局などが初めて開いたもので、県内の高校生や教師ら三十四人が参加した。
 工学部の山田隆教授ら四人がバイオ技術の基本原理や応用分野について講演し、体験実習では参加者それぞれが遺伝子組み替えに挑戦した。


任期制法案が成立

 大学の教員等の任期に関する法律が本年八月二十五日から施行され、それに伴って文部省は関連する二つの省令を公布するとともに、任期制の適切な運用に努めることを指示した事務次官通達が出された。
 この法案が成立する際両院で附帯決議がなされた。これらの決議事項はいずれも、この制度を導入する際に「特段の配慮をすべき」こととされている。ここにそれを載せる。なお参院の決議七項目中五項目は一部文言が異なる以外は前文を含め衆院と同一なので、参院決議を掲げ衆院と異なる所を示す。

−参議院の附帯決議−
 政府は、学問の自由及び大学の自治の制度的な保証が大学における教育研究の進展の基盤であることにかんがみ、この法律の実施にあたっては、次の事項について、特段の配慮をすべきである。
一. 任期制の導入によって、学問の自由及び大学の自治の尊重を担保している教員の身分保証の精神が損なわれることがないよう充分配慮するとともに、いやしくも大学に対して、任期制の導入を当該大学の教育研究支援の条件とする等の誘導や干渉は一切行わないこと。
二. 任期制の適用の対象や範囲、再任審査等において、その運用が恣意的にならないよう、本法の趣旨に沿った制度の適正な運用が確保されるよう努めること。
三. 任期制を導入するに際して、教員の業績評価が適切に行われることとなるよう評価システム等について検討を行うとともに、特に、中長期的な教育研究活動が損なわれることがないよう、大学側の配慮を求めること。(衆院では傍線部が「大学の理解を深めるよう努めること」となっている。)
四. 国公立大学の教員については、一般の公務員制度との均衡等に配慮して、任期付きの教員の給与等の処遇の改善を検討すること。
五. 任期付き教員の異動が円滑に行われるよう教員・研究者に関する人材情報の収集提供活動を一層充実し、雇用環境を整備すること。(この項は、衆院決議にはない。)
六. 高等教育の活性化と充実を図るため、各地の大学が優れた教員を確保できるよう、教育研究条件の整備を検討すること。(この項は、衆院決議では五項にあり、文末が「それぞれの大学の特色に応じた教育研究条件の整備に配慮すること」となっている。)
七. 私立大学における任期制の実施については、労働協約事項の対象となることを認識し、制度の円滑な運用に努めること。(この項は、衆院決議にはない。)
(一九九七年六月三日、衆議院文教委員会で決議)


警告! 交通事故激増期へ突入

 昨年九月末までは月平均一一・二件で推移していた西条署管内の広大生関連交通事故が、十月は二十五件と増加し、十一月でも十九件であった。本年は八月末までにすでに昨年より七件多く、月平均でも一一・七五件と着実に増加している。
 十月は夏休みに免許を取った者が通学に車を使いはじめるため、車が多くなり事故が増加すると考えられる。青葉マークの車がおそるおそる走っている。後ろから、イライラした先輩の車が追い越したら、写真のような事故が起こったのかもしれない。
 四年生でも運転経験は免許取得後三年半以内である。いくら毎日運転しているとしても運転技術向上の訓練をしているわけではない。技術的には初心者と同様であることを自覚して、青葉マークをいたわって欲しい。

広大生の交通事故(5.29〜9.13)
(西条警察署管内)
 
月日(曜)・時間 場所 車種 事故の形態
5・29(木) 13:20 鏡山1丁目 県道 軽貨×○自転車 出会い頭
5・29(木) 21:20 鏡山1丁目 市道 普乗×○軽乗 追突
6・3(火) 1:22 西条町下見 市道 普乗×○原付 右・直
6・3(火) 20:30 西条町上市町 市道 軽乗×○原付 右・直
6・6(金) 16:20 西条御条町 R486 軽貨×○原付 右折巻き込み
6・7(土) 13:20 西条町寺家 市道 ○軽乗×軽乗 追突
6・7(土) 16:00 西条昭和町 県道 軽乗×○原付 左折巻き込み
6・9(月) 9:10 西条町下見 市道 ○原付 路外逸脱
6・11(水) 10:50 鏡山1丁目 市道 ○普乗×普乗 追突
6・11(水) 20:35 高屋町小谷 県道 ○軽貨×普乗 正面衝突
6・14(土) 12:40 西条昭和町 県道 普乗×○自転車 出会い頭
6・15(日) 9:00 志和町別府 県道 ○普乗×自転車 出会い頭
6・22(日) 17:50 西条町中央5丁目 R2 ○普乗×普乗 出会い頭
6・22(日) 21:35 西条町西条東 R486 軽貨×○普乗 追突
6・26(木) 21:50 西条町中央6丁目 市道 普乗×○自二 左折巻き込み
6・28(土) 1:15 西条中央3丁目 R375 ○原付×歩行者 直進・背面通行中
6・29(日) 13:50 西条町中央3丁目 県道 ○普乗×軽乗 追突
7・2(水) 18:15西条中央1丁目 市道 ○普乗×普乗 出会い頭
7・5(土) 22:00 西条町寺家 市道 ○自二 単独(転落)
7・7(月) 8:40 西条町田口 県道 普乗×○原付 追突
7・7(月) 10:30 黒瀬町大多田 R375 ○軽乗×普乗 追突
7・7(月) 13:50 高屋町小谷 県道 ○原付 単独(転落)
7・10(木) 14:40 市道 ○普乗×原付 出会い頭
7・11(金) 21:50 西条町下見 市道 ○普乗×○自転車 追突
7・11(金) 23:35 西条町田口 R375 ○自二×自転車 追突
7・16(水) 15:00 鏡山1丁目 私道 ○軽乗×○普乗 出会い頭
7・16(水) 17:30 西条中央1丁目 県道 普乗×○自転車 直・横断
7・19(土) 17:30 西条町寺家 市道 ○自二×原付 追越し・右折
7・21(月) 22:25 西条町福木 市道 ○普乗の単独 路外逸脱
7・23(水) 15:55 西条岡町 県道 ○普乗×自転車 右折・横断
7・24(木) 16:40 西条町寺家 市道 ○普乗×軽乗 出会い頭
7・24(木) 18:10 鏡山1丁目 県道 普乗×○自二 出会い頭
7・24(木) 23:40 八本松町飯田 R486 普乗×○軽貨 追突
8・3(日) 9:50西条中央8丁目 市道 普乗×○自転車 出会い頭
8・3(日) 11:30 西条町下三永 県道 普乗×○普乗 出会い頭
8・7(木) 22:15 西条町下見 県道 ○普乗×○自二 出会い頭
8・8(金) 16:50 八本松町原 市道 普乗×○自二 右折・直
8・8(金) 17:00 西条西本町 市道 普乗×○自転車 出会い頭
8・9(土) 20:25 西条町寺家 市道 ○原付×軽乗 出会い頭
8・11(月) 8:03 西条中央7丁目 県道 ○原付×普乗 右折・直
8・11(月) 16:20 西条御条町 R375 普乗×○原付 左折巻き込み
8・11(月) 21:55 西条中央6丁目 県道 普乗×○原付 出会い頭
8・13(水) 9:00 志和町冠 R2 普乗×○普乗 追突
8・27(水) 22:15 西条町田口 R375 ○原付×普貨 追突
9・7(日) 15:30 八本松東3丁目 R486 ○普乗×普乗 追突
9・7(日) 23:45 黒瀬町国近 R375 ○軽貨×普乗 正面衝突
9・11(木) 13:10 八本松町吉川 県道 軽貨×○原付 出会い頭
9・13(土) 11:20 黒瀬町乃美尾 R375 ○軽乗×普乗 正面衝突
○は広大生


バスセンターと東広島キャンパス間に直通便

 中国ジェイアールバスは、広島バスセンター(中区基町)と東広島キャンパスを結ぶ直通バス「グリーン・フェニックス」号の運行を中国運輸局に申請していたが、このほど認可された。十月一日からスタートする。
 「バスセンター」からは午前六時五十五分の始発便から午後七時四十五分までの最終便まで、また、東広島キャンパスの「広大中央口」からは午前七時の始発便から午後八時十分の最終便までそれぞれ九往復で、所要時間は五十八分。
 広島市内からの経路は、広島インターチェンジから山陽自動車道に入り、志和インターチェンジを経てキャンパス構内へ。途中、不動院や中筋、宗吉東などに停車、大学構内の十一か所にも停車する。運賃は片道八百円、往復一三六〇円(四日間有効)。


第二十九回学生生活研究セミナー

−学生の就職を考える−
 八月二十七、八日に広島ガーデンパレスで、民主教育協会(IDE)中国・四国支部による標記のセミナーが開催され、広報委員長もオブザーバー参加した。
 今回のプログラムは、一日目は学生の就職に関する特別講演とシンポジウム、二日目は授業に関するシンポジウムと総合討論からなっていた。特別講演は「新規大卒者の就職問題」について、労働省職業安定局業務調整課(若年者雇用対策担当)の金崎幸子氏が一時間半にわたり講演した。
 初めに就職協定については、昭和五十七年以後は労働省はオブザーバーであること、今年度は企業の採用意欲が高まっていることなどを話された後、若年者の労働市場の状況、雇用を取り巻く環境の変化、平成九年度の採用・就職活動の状況、新卒者就職支援対策概要、今後の若年者雇用対策の課題などを話された。
 この中で、早期離職者(就職後三年以内)が増大していて、将来の中高年失業につながり、企業の中核が育たず、労働市場が不安定となる可能性がある。学生が職業意識、適性など就職活動に入るまでの精神的な準備がない者が多いことが起因していると考えられる。三年修了までに職業生活設計を考えてもらいたい。このためにインターンシップの導入も考えられる、などの考えを示された。

 シンポジウム「就職協定廃止と大学教育」
 佐竹利子佐竹製作所副会長、斎藤紘二同社社長、今永清二市立大教学部長、小方直幸学振特別研究員の各氏それぞれの立場から発言があった。
 この中で佐竹女史は、企業の最終面接に当たってきた経験から最近の学生の印象として、ライバル意識の欠如、自己主張の欠如(面接マニュアルにたより、それの予想外の質問に答えられない)、表現力不足(就職の目的を持っているか疑問)などの点をあげた。そして資質を持ち、やる気があり、気遣いのできる、国際人として通用する教養を身につけた学生を期待すると述べた。また同女史は、参考資料として同製作所が都銀、商社、ゼネコン、機械およびコンピューターメーカーなど大手企業二十八社に対して行った就職協定廃止についてのアンケート結果を示した。
 それによると、
○ 協定廃止の影響について採用活動の早期化、長期化がおこり、人物の見極めができるようになったが、内定後の辞退者が増大した。
○ 協定の存続については二十三社が反対している。
○ 協定廃止の中で大学への要望として、学生に「就社」ではなく「就職」であることを理解させる、大学と企業との信頼関係を築く、定期採用から不定期型への移行が考えられるので大学の柔軟な対応を、時代の変遷とマッチした教育カリキュラムの導入を、などを挙げている。
○ 学生への要望として、応募する企業の業態・内容を良く理解し、国家資格等、自分の強みとなる技術・資格を身につける、就職意識・目的を明確に持つ、などを挙げている。
 二席目の斎藤氏は、本年六月まで在職した三菱商事での経験を踏まえ、大企業の立場から「協定廃止による採用環境の変化」と題して話した。多くは前記の佐竹製作所のアンケート、本号の特集での西川助教授の文と内容的に重なるので、筆者の印象に残った事項を記す。
○ 就職は人生を決定する二大イベント(他は結婚?)だから、学生が就職活動に奔走して当然である。悔いのない活動をするために、学生に公平な情報と機会を与えなければならない。それをどれだけ大学が支援できるかが課題である。
○ 協定廃止は企業側が自由に採用できるようになっただけでなく、学生も重複内定などで選択肢を増やせることになった。
○ 面接については、マニュアル本でも良いから勉強しておく必要がある。面達と言われる人は学生時代に何かを持っていて、面接委員に「この男なら」と思わせている。
 三席目は今年四年生を卒業させる市立大の大学としての学生の就職活動対応策が紹介され、特に企業に大学の名前を知ってもらう苦労が話された。
 四席目の小方氏は本年三月まで本学教育学研究科生であったことから、学生の立場から「就職協定廃止元年−企業が変わり、学生も変わる−」と題して話した。学生の就職に対する企業と大学のそれぞれおよび相互 の関わり方を協定廃止前後で比較し、現在の就職活動の実際を整理した上で「教育vs就職の構図は変わるか」として、企業の求める人材が即戦力なのか創造性を求めるのかが揺れているし、大学教育では定型技能訓練型なのか知的態度涵養型なのかあるいは従来型なのか、やはり揺れていると指摘し、学生が自分の適性を発見することを支援することが就職指導の根本ではないかと語った。
 二日目は、九時三十分から「私の授業実践」と題して出席者全員が日頃の授業実践や改革(事務職員の場合は事務側からみた授業改革)の話題を出し合い、話し合った。また午後から、前日の学生の就職問題も含めて総括討論を行った。
(文責 岡本)



二十一世紀の広島大学の情報環境を考える 本学情報関連五組織 初の共催シンポ開かれる。

 九月一日(月)、中央図書館ライブラリーホールで標記のシンポジウムが開かれた。本学における情報関連五組織すなわち情報通信・メディア委員会、附属図書館と総合情報処理、情報教育研究、外国語教育研究の三センターが共同で開催した。
 今や情報は、全構成員が電気水道のようにごく普通に利用可能になっているが、支援体制はそのようには整っていない。その時々の必要に応じて作られてきた前記五組織の部分または全体の統合を含めた本学の全体構想を考え、平成十二年(二〇〇〇年)までに実現しないと情報に関する支援の現状の維持すら困難となる。 本シンポでは、その先陣を切る他大学から学ぶ旨の松本情報処理センター長の挨拶ではじまった。
 第一部は、これからの大学における情報教育環境と題して、京都大学総合情報メディアセンターが図書館・博物館とは別に、教授三、助教授三、助手五(全体で純増一、助手五の内の三は総長の配慮)の体制で、発信型語学教育などを目的に、パソコン二〇〇台を置くオープンスペースラボを持った施設組織であることが紹介され、本学では発足間もない情報教育研究センターについて、中村同センター教授が知的生活を支える情報教育を目指す旨の講演があった。
 第二部は、「大学におけるメディア・図書館・情報統合空間を目指して」と題して、いわば前記本学の五組織を統合した組織としての早稲田大学メディアネットワークセンターと、大阪市立大学学術情報総合センターの紹介がなされた。
 第三部では計算科学研究所構想と高度学術情報環境と題した、コンピューターサイエンス研究推進のための方策が提言された。



吹奏楽団、全国大会へ
 九月二十日、広島市内の厚生年金会館で開かれていた第三十八回全日本吹奏楽コンクール中国大会(全日本吹奏楽連盟中国支部、朝日新聞社主催)で、広大吹奏楽団が全国大会に出場することが決まった。全国大会は十月に東京で開かれる予定。


日本学生水泳選手権、深瀬選手ら四人が自己新

 九月五日から三日間にわたって、広島市内の広島ビッグウェーブで日本学生水泳選手権大会(インカレ)が開催され、中国地方からは水泳部が唯一の出場を果たした。決勝には進出できなかったものの、四人が自己新を記録し、中国地方で初めて開催された地元大会を盛り上げた。
 女子のエース深瀬選手(教育学部四回生)が百メートル自由形で五九秒八七をマークするなど、標準記録を突破した選手がそろったため、男女ともリレー六種目に出場した。
 

九年度の「大学院最先端設備費」配分決まる

   平成九年度の「大学院最先端設備費」の配分大学がこのほど決まった。今回決まったのは国立十七大学の二十九研究科で、配分総額は約五十一億八八〇万円。本学関係は次のとおり。
研究科名 主な専門分野 対象設備名
工学研究科 環境工学 微量成分分析評価システム
生物圏科学研究科 生物機能科学 生物圏汚染物質動態解析システム



学生らの夏の総決算−深夜の大騒ぎ

   今年の夏、大学生らが深夜、花火などで大騒ぎする行為が繰り返されたという。
 地域紙「サンプレス」によると、今年四月から七月初旬までに届けられた騒音苦情は、花火十三件、その他十八件の計三十一件で、そのうち十七件が広大生だったという。
 苦情の内容は、花火のほかは、アパートの駐車場で騒いだり、アパートで酒を飲んで騒いだり、楽器を鳴らしたり、コンパの二次会を自販機の前でしたり、という。近所の住民は「公園の中だけではなく家の前の道路で騒ぐことがあり、女性の甲高い声が響いて寝られない」という。


広大生の学割不正使用相次ぐ

  広大生の学割(学生生徒旅客運賃割引証)の不正使用も続いているという。JR西条駅の調べによると、二人連れで来て、学割証の発行を受けた学生が切符を買い、友人に手渡す手口が目立つという。また、学割証と学生証の名前が違っているため、窓口で注意して帰すケースも多かったという。
 学割証を使えば、片道百キロを越える場合乗車券の運賃が二割引になるが、本人以外が利用すると不正乗車になり、正規料金に罰金を加え、運賃の三倍の金額を請求されるほか、一年間、学割証の発行が停止される。


理の古川助教授ら学会賞等を受賞

 留学生センターの長谷川伸次教授は七月十八日、ベルギー王国王冠騎士勲章(Knight)を受章した。
 また、七月十九日には、理学部の古川康雄助教授が日本比較生理生化学会「吉田奨励賞」を受賞した。

 

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