ニューズ・ダイジェスト 

 



評議会だより


大学教員の任期制導入の検討進む

 大学計画委員会では教員の任期制の導入に伴う功罪についてまとめ、提言と本学での検討の方向を示した。
 任期制が適用された場合、短期で結論のでる研究に目が向きやすくなり、時間のかかる、自由な発想に基づく研究は阻害される。人材面で本学は植民地になりかねない。センター組織あるいはプロジェクト研究のみに従事する教員に適用される場合は、一定の成果が挙げられるかも知れないが、その場合でも既に在職する教員には適用しないことが条件である。
 提言=例えば西日本単位などのブロックで、教員の身分を保障した上で流動化推進体制をつくることが考えられる。
 検討の方向=評議会は学長の諮問に応じて人事の基準に関する事項について審議すると定められていることから、評議会の中に小委員会を設置し検討することが望ましい。

事務職員永年勤続者を表彰

 平成九年度文部省永年勤続者表彰に係る文部大臣表彰状の伝達式及び広島大学事務職員永年勤続者表彰式が、十一月二十一日(金)に開かれ、次の二十九名に表彰状及び記念品が授与された。
◎文部省永年勤続者表彰
 経  理  部  伊藤 敬二
 学  生  部  岡   宏
 施  設  部  土居 昌弘
 医  学  部  川上  紘
 生物生産学部  谷口 義之

◎広島大学事務職員永年勤続者表彰
 総務部 小山 政俊  山根  清
     江森 早穂  岡村  誠
     槇田 和子 
 施設部 金藤 洋次
 大学教育研究センター 原 勝己
 総合情報処理センター 勇木 義則
 総合科学部 小迫由美子  南  治志
 教育学部  中村 幸夫
 理学部   小田  光  村中 正志
 医学部   町田 親久
 医学部附属病院
       池田 博昭  續  芳香
        田 直治  福間やすえ
       西村 裕子 
 歯学部  坂本 博和  木田 惠子
 工学部  森岡 常雄
 生物生産学部  福山 英二
 附属図書館 野村 正人
(大臣表彰=勤続二十年、大臣発令十年以上 学長表彰=勤続二十年、本学勤務十年以上)

賀茂台地を描く

 附属図書館の景山満子さんは、このほど『賀茂台地の四季』を自費出版した。
 この画文集は、勤務の傍ら描きためた約二千点の作品から、四季それぞれに変貌する賀茂台地のスケッチ四十六作品と作品から浮かびあがってくる思いを文章に綴ったもので、作者の賀茂台地への懐かしさと思い出が入り交ぜられたパステル調の淡い画文集となっている。
 景山さんはすでに、四年前の平成五年十月に「西条プラザ」でチャリティー個展を開いており、今回の出版に併せて、西条プラザ二階の「ギャラリー21」で来年の一月九日から三日間、二回目のチャリティー個展も開催される予定になっている。
 この個展では、「雪の志和堀」「蔵元の正月」「初夏(黒瀬)」など作者の好きな風景を描いた作品なども展示されるほか、希望者にはこの『賀茂台地の四季』も実費で頒布される予定になっている。
 なお、会場での観覧は、一月九、十日の両日は午前十時から午後七時まで、最終日の一月十一日(日)は午前十時から午後五時半までとなっている。
 景山さんは「前回から四年過ぎましたが、その間にもすでに無くなった風景があります。次代に残したい風景をこれからも描き続けたい」と今回の個展に向けて抱負を話している。
 問い合わせ先 景山満子(〇八二四−二四−六二二五)


工学部の金子真教授、フンボルト賞を受賞

    知能ロボットを研究している工学部の金子真(かねこ・まこと)十月二十四日(金)、総合科学部のL一〇二号講義室で元駐日英国大使のサー・ヒュー・コータッティ氏の学術講演会が開催された。講演題目は「二十一世紀に日本が直面する諸問題」。教授は、一九九七年度(平成九年度)のフンボルト賞を受賞した。昨年度の秋葉欣哉教授に続いて広大では二人目の受賞となった。
 同賞を主宰しているドイツ・フンボルト財団は、卓越した研究業績を挙げた自国以外の研究者を招へいし、ドイツの研究者との協力関係を促進しようとするもので、金子教授も六月から約五か月間、ダルムシュタット工科大学で研究活動を行ってきた。
 今回の受賞は「ロボット、特にヒトの把握動作から学んだ多指ロボットハンドによる把握戦略や生物が有するセンサをヒントにしたアクティブセンシングに関連した研究業績」に対するもの。金子教授は「六月三十日ボンでの授賞式に出席してはじめて賞の大きさを認識しました。ロボティクス研究室の皆さん方の強力なサポートのおかげです」 と話している。


松村名誉教授、「豊田實」賞を受賞

 去る十月十二日、香川大学教育学部で開催された日本英学史学会の全国大会で、松村幹男名誉教授が本年度の「豊田實」賞を受賞した。
 受賞の直接の対象になったのは『明治期英語教育研究』(辞游社 平成九年三月出版)の著作で、英学史・英語教育史研究の分野で顕著な功績を挙げたことが認められたもの。  


工学部の岩瀬教授、中国通産局長表彰を受ける

 工学部の岩瀬晃盛教授は十月三十一日、「長年にわたって標準化の推進と品質管理の向上に尽くし、中国地方の産業の発展に大きく貢献した功績」により「工業標準化功労者中国通商産業局長表彰」を受けた。  

>総合科学部の朝倉教授、「角川源義」賞を受賞

 受賞対象となった『抄物の世界と禅林の文学』(清文堂刊)は、漢詩教育の注釈書として使われた抄物『中華若木詩抄』と『湯山聯句抄』を取り上げて成立過程などについてまとめたもので、十二月一日に東京・丸の内の東京会館で贈呈式が行われた。    


坂田明氏、「ジャズとミジンコ」について大いに語る

 昭和四十四年に水畜産学部(現生物生産学部)を卒業した坂田明氏は、サックスプレイヤーとして世界的な評価を獲得しているジャズミュージシャンだが、氷河にすむミジンコに会うためヒマラヤ登山をするなど、「ミジンコ研究家」としても知られる。
 その坂田氏が、NHKテレビの番組「ふるさとの仲間たち」(十一月十九日の午後十一時四十五分時四十五分から放映)に出演し、後輩の上眞一教授らの仲間たちとライフワークとなった「ジャズとミジンコ」について語り合った。  十一月十日には、東広島キャンパスを散策する坂田氏の様子なども番組用に収録されたが、最後に事務局棟横の広場で坂田氏が演奏する場面では学生らの人垣ができ、先輩の演奏を楽しんでいた。
キャンパス内で番組収録中の坂田氏


特別講演会「部落差別にみる日本社会の構造」

 十一月十八日(火)午後一時半から約一時間半にわたり、理学部E一〇二講義室で小森龍邦氏の特別講演会が開催された。当日は二七〇名収容の教室がいっぱいになり、立ち見もでるほどだった。
 小森氏は元全国部落解放同盟書記長でもあり元衆議院議員でもあった経験から、部落差別の起源、その政策的位置づけ、「差別は単なる観念の亡霊ではない」という観点から、観念と差別の実態との相関性や社会構造のもたらす人間疎外などに話は及んだ。  


教育学部でOECD・Japanセミナー

 十一月五日から七日までの三日間、教育学部・学校教育学部を会場にOECD/JAPANセミナーが開かれた。
 このセミナーは、OECD(経済協力開発機構)・CER~K~(教育研究革新センター)が進めているプロジェクト「明日の学校教育(Schooling for Tomorrow)」の一環で、OECDと文部省が主催している。今回が第六回目の開催。
 今回のセミナーには、これまでのOECD/JAPANセミナーのどれよりもはるかに多い二十四の国・地域の代表と専門家が参加したほか、本学の関係者も含めて日本人オブザーバーも多く参加している。
 五日には「明日の学校教育」に関するイギリスのハーブリーグス教授(ケンブリッジ大学)など著名な学者による基調提案につづき、パネル・ディスカッションが開かれ、「明日の学校教育」の概念規定やアプローチについて討議したほか、六日にはセミナー出席者ら五十八名が西条農業高校と西条小学校を視察した。さらに、この日のワーキング・グループ討議では、概略的な分析や政策問題では霞んでしまう現実―高齢者のためのセンターと敷地を共有している日本の晴海中学校、「グローバル・クラスルーム」と称してスウェーデン、ドイツ、チェコ、南アフリカ、日本と繋がりを持っているスコットランドのアンダーソン・ハイスクール、教科書を廃止し、インターネットのガイダンスや宿題の手伝いを通じて学科外の時間も生徒と教師が近しくしているスペインのコレジオ・リセオ・ユーロピアの事例|などが報告された。
 最終日の七日には討議のまとめと総括が行われ、その成果は、終了後の記者会見で発表された。なおOECDではこのセミナーの成果を踏まえて今後本格的にこのプロジェクトに取り組むことになっている。  


学教で国際シンポジウム実施

   平成九年十月二十日から二十三日の四日間、広島大学及び広島地域留学生交流推進会議の主催で、学校教育学部と広島国際センターを会場として、「二十一世紀におけるアジアの初等中等教育」をメインテーマにシンポジウムとパネルディスカッションが実施された。
 パネラーには、過去、学校教育学部で学び、現在自国で活躍している元留学生を招聘した。中国からは林佐平さん、施永達さん、孫長虹さん、韓国からは申相國さん、金香美さん、タイからは、Janya Boonmeprasertさんの六名である。それぞれが自国における教育の現状と問題点を発表し、教官、学生、留学生をはじめとする多くの参加者たちと活発な討論及び意見交換がなされた。
 日程の中には、大学院国際協力研究科長山下彰一先生の基調講演と鳴門教育大学副学長溝上泰先生の特別講演も組まれ、国際理解と協調の促進を考えるうえで貴重な示唆を得た。

地理科学秋季学術大会シンポ開催

 去る十月二十六日(日)文学部大講義室で、一九九七年度地理科学秋季学術大会のシンポジウム「地理学は生活をいかにとらえるのか」が開催された。
 本シンポジウムでは、地理学が人々の生活とそれを取り巻くさまざまな生活条件を捉えているのかという目的意識のもと、防災への関与、公共サービスに関連した施設の空間的不平等に関する地域格差の問題、都市内の住宅改良事業に対する行政の役割、女性の就業や主婦の日常生活における時間消費の問題など、地理学における生活へのアプローチの今後の可能性や応用面について討論を行った。
 翌二十七日(月)には、シンポジウムの討論を踏まえて、「広島の都市生活─過去と未来の接点─」と題した巡検が広島市で行われた。午前中は、鷹野橋商店街や千田町周辺を歩き、大学統合移転その他の要因による地域社会の変容の様子を確認した。また広島市消防局では、行政における防災管理システム及びGIS(地理情報システム)運用の実際を見学した。
 午後は中区の基町高層アパートに行き、公営アパート建設の歴史的背景及び現況を把握するとともに、アパート屋上から広島市の都市構造を概観した。  


大成功だった音楽科コンサート

 暦の上ではすでに冬に入った十一月八日(土)、「平和を奏でる」と題した教育学部音楽科の第23回定期演奏会が開かれた。  会場となった「国際会議場フェニックスホール」(収容定員千五百名)では、詰めかけた父母やOBのほか、広大教職員をはじめ約千二百人の聴衆でほぼ満席の盛況となった。
 教育学部が東広島市に移転してからは定期演奏会は広島東区民センターホール(定員五百)で開催されていたが、今回初めて「フェニックスホール」での開催となった。
 オーケストラと合唱を合わせた約百八十名の学生によるマスカーニ作曲の歌劇「カバレリア・ルスティカーナ」より『オレンジの花は香り』で演奏は始まり、ヴィヴァルディの『四季』やストラヴィンスキーの『火の鳥』などの予定の曲目を演奏し終わると、会場からはアンコールの拍手が湧き上がった。
 今回の定期演奏会について、主任の奥田教授は「教官と学生が一致協力してベストを尽くした結果、演奏会は大成功でした。こんなうれしいことはない。お世話になった皆様にも、心から感謝しています」と熱く話していた。


工学部実験棟でボヤ

  十一月三日午前十一時五十分頃、工学部の「水力実験室」から煙が出ているのを学生が発見し、消火器で消火活動にあたったが、パソコン二台やレコーダー、水槽などがセットされた水温実験装置を焼いた。実験装置周辺の電気系統から出火したとみられている。


しめやかに慰霊祭

 十月二十二日、医学部と歯学部の解剖実習などのために献体された方々の慰霊祭が、霞キャンパス内の体育館でしめやかに営まれた。昨年十月から九月末までの間に献体された二七六人の遺族と、学生や教職員など約九百人が出席した。
 式典では、吉永文隆医学部長から挨拶があり、全員で冥福を祈って黙とうするとともに、菊の花の献花を行った。
 また、十一月十九日には実験に供された動物の慰霊法要が、広島市内の寺院でしめやかに営まれ、学生や教職員など約一二〇人が出席した。


企業ガイダンス始まる

 三年生を対象とした企業就職ガイダンスが始まった。
 十月二十二日に学生部が総合科学部講義室で開いたもので、学生約二百名が出席した。講師は本学OBで日立製作所人事教育部の星川浩課長。
 学生部では、これから十二月二十二日までの間に企業就職ガイダンスをさらに四回開く予定で、住友金属工業やリクルートなどの社員を招き、「企業の求める人間像」や「就職情報と就職活動」などについて講演してもらう。
 なお、女子学生向けには十一月六日にガイダンスを開いており、来年一月九日にも開催する予定になっている。


ペスタロッチー教育賞、今年度は群馬の本吉氏に

 教育学部は財団法人広島地域社会研究センターと中国新聞社の後援を受け、優れた教育実践を行っている個人あるいは団体を顕彰してきたが、第六回ペスタロッチー教育賞を群馬県の白根開善学校校長本吉修二氏に授与することを決めた。
 本吉氏は一九三一年、大阪市生まれ。慶応義塾大学、東京教育大学大学院で学んだ後、一九七八年、それまでの東邦大学教授の職を辞し、自己の資産の全てをつぎこむとともに賛同者の寄付を得て、標高千百メートルにある群馬県六合(くに)村に全寮制の中学校、白根開善学校中等部を開校。以後、高等部、初等部を設置する。現在、約七万平方メートルの敷地に小、中、高等部の校舎、図書館、生徒寮、教職員宿舎のほか、学校林、学校スキー場などの野外活動施設も敷設されている。
 「人はみな善くなろうとしている」、これが本吉氏の信念であり、白根開善学校の教育理念となっている。このような信念に基づいて、今日まで二十年間一貫して、五百人以上のさまざまな子どもたち(登校を拒否し自室に閉じこもる子ども、荒ぶり非行を繰り返す子ども、大人への不信をあからさまにする子ども、心身に何らかの障害をもった子どもなど)を励まし、見守る教育を実践してきた。卒業生の一人は「僕の人生に転機をもたらしてくれたのは、裏切っても裏切っても無償で与え続けてくれた校長の愛でした」と語っているという。
 今日の困難な教育状況の中で、揺るぎない信念をもって、真摯な実践を積み重ね、「教育の原点」を体現していることが評価され、今回の受賞となった。表彰式は十一月二十六日に教育学部で行われた。
 なお、過去の受賞者は次のとおり。

第一回受賞者
 宮城まり子 ねむの木養護学校校長
第二回受賞者
 谷  昌恒 北海道家庭学校校長
第三回受賞者
 児玉 三夫 明星学苑理事長、明星大学長、明星小学校長
第四回受賞者
 山田 洋次 映画監督
第五回受賞者
 NHK名古屋放送局「中学生日記」制作スタッフ



マルチメディアを活用した将来展望」−二センターで設立記念式

「  十一月二十八日(金)、今年度発足した情報教育研究センターと外国語教育研究センターの設立記念式が開催された。
 記念式は午後二時から総合科学部の会議室で行われ、引き続き、メディア教育研究センターの菊川健教授により「マルチメディアを活用した高等教育の現状と将来展望」と題した記念講演が行われた。

法学部などで記念事業

 政経学部から分離した法学部、経済学部の設立から二十年、理学部の両生研では三十年を迎え、それぞれ記念事業が開催されている。
 法、経済学部では既に五月末に合同の記念式典が行われており、法学部では十一月七日にシンポジウム、翌十八日には学生や市民参加による「模擬裁判」などが、経済学部では十月三日の講演会を皮切りに連続講演がそれぞれ開催されている。
 また、理学部の両生類研究施設では、開設三十年を記念して十一月二十八日に記念式典とともに記念シンポジウムが開催された。


中国四国教育学会閉幕

 十一月八日と九日の両日、教育学部と学校教育学部を会場にして、中国四国教育学会が開催された。四一六人が参加した。
 第一日目の公開シンポジウム「岐路に立つ教員養成−教養審答申と教員養成のあり方−」では、教養審答申当事者の立場、私立大学の立場、教育実践の立場(中学校)、国立大学の立場のそれぞれの立場から提案があり、今後の教員養成のあり方をめぐる活発な討議が行われた。
 なお、両日にわたり「教育の学説」ほか計三十三部会にわかれて自由研究発表も行われた。


名誉教授の会に五十二名出席

 十一月五日(水)、本学の創立記念日に合わせて名誉教授の会が開催され、五十二名の名誉教授が出席した。


肝臓細胞の大量増殖に成功−理学部の吉里教授ら

   科学技術振興事業団の「吉里再生機構プロジェクト」(代表=吉里勝利理学部教授)では、五年間にわたって、人工肝臓づくりや髪の毛の再生などの研究を進めてきたが、十一月六日、同事業団の研究報告会でその成果を報告した。
 報告会では、人間とラットの肝臓細胞の増殖、発毛を促進する細胞の増殖のほか、血液のある人工臓器のモデル化、イモリの足の再生、オタマジャクシの変態の仕組みの解明などの成功例を報告した。この成果から、組織再生のために必要となる幹細胞増殖に必要な培養技術を確立した。これにより人工組織の構築などの応用が可能になり、吉里教授は「将来的には、毛などの附属物を有する人工皮膚や人工肝臓などの構築が可能になるでしょう」と抱負を語っている。


サハ共和国の地下核爆発

 サハ共和国核爆発汚染影響調査が広島大学・東京工業大学・北海道大学の合同チームで十月に実施された。首都ヤクーツクは、広島と北極点とを結んだ直線上のほぼ中心地点に位置する永久凍土の地シベリヤにある。一九七四〜八七年にかけて十二回の地下核爆発が、地質調査、石油採取、ダイヤモンド産出などの産業目的で行われた。幾つかは事故になり、環境汚染が生じた。そのひとつクリスタルと名付けられた爆発は、人口五万のウダチニの町からわずか二・五キロであった。
 調査に参加した原医研附属国際放射線情報センターの高田純助教授は「クラトン4と呼ばれる爆心地には地下核爆発汚染による被曝の警告がなく、また囲い等の立ち入りを制限する処置がされていない。住民の放射線被曝が心配されるが、健康影響調査に先だって被曝線量評価が急務」と話している。
現地捜査の様子



文学部で東広島キャンパス初の避難訓練

 去る十月二十七日(月)に文学部研究棟(六階建)を中心に、東広島キャンパスでは初めての避難訓練が行われた。賀茂広域行政消防組合の指導と協力を受け、文学部教職員・学生約百名が参加し避難訓練と消火訓練を行った。
 今回のこうした訓練を通じて、実際に起こりうる高層ビル火災への対応を日頃から常に心掛けておかねばならないことを、改めて認識した点は有意義であった。今後とも、機会あるごとにこうした訓練を行って緊急時に備えておく必要があると痛感した。
はしご車を使った訓練



学校教育学部でフレンドシップ事業始まる

 九月二十七日、東広島市立小学校二十校の児童一二〇名(公募)を迎え、学校教育学部の学生六十名とともに地元下見地区の有志も加わって、自然体験・勤労体験を通して、直接触れ合い、共に学ぶフレンドシップ事業が始まった。この事業は文部省の経費を得て行われ、参加学生には単位が認定される。
 今年七月に地元下見地区の有志や教育委員会等の諸機関の職員及び学校教育学部教官からなる実行委員会が組織され、活動計画が作成された。毎月第四土曜日を基本に実施され、今年度は二月までの間、七回の活動(十一月は第二土曜日も)が予定されている。すでに「開講式・みんなで仲間になろう」「工作で遊ぼう」「秋の収穫を楽しもう」などの活動が行われた。地元の休耕田を借り受けJA東広島の指導のもと、七月から準備を始め、そば・ジャガイモ・小豆を栽培し、十一月八日には収穫を楽しんだ。
 収穫した作物からそばやぜんざいを作ったり、天体観測、餅つき、工作、宿泊を伴う社会見学が予定されている。  なお、二月中旬にはシンポジウムを開催して、本事業の成果報告を行うとともに、地域の中に生きて実践的指導力の基礎を学生に育成するために、学部と地域との連携のあり方について協議する予定である。


国際協力研究科のロゴマーク決定

 新研究科棟の完成を記念して研究科のロゴマークを募集したところ、二十九件の応募があり、十一月二十一日の教授会で次の作品を研究科のロゴマークに決定した。
 このロゴマークは、研究科の略称であるIDECを人の顔になぞらえてデザイン化したもので、個性豊かな世界の人々が集い、ともに協力し合いながら楽しく一緒にいるさまを表現している。また、さまざまな国からやって来たIDECの学生や教職員全体の和をも象徴している。
制作者:安部七保子氏(広島市在住)



米教員が附属学校などで交流

 平成八年四月の日米両首脳会談のメッセージに盛り込まれた「日米国民交流」の一環として、米国人教員約千人の受け入れ事業が今年から開始された(フルブライト・メモリアル基金教官プログラム)。このプログラムにより、今回米国の現職教職員四十名がはじめて広島市を訪れた。
 一行は、十一月五日に空路広島入りし、そのまま附属小・中・高等学校で各グループごとに授業などを参観したほか、翌日の六日には学長を表敬訪問。また、本学の教職員や学生との意見交換なども行った。
 七日以降は、ホームステイのほか、広島市及び廿日市市の小学校、中学校、高等学校の訪問、平和記念公園や筆の里工房、宮島などを見学して十四日に広島を後にした。


広大生の交通事故と違反 飲酒運転激増に警告

 西条署管内で広大生が関わった交通事故は、九月は十七件、十月は十八件と昨年のような秋の激増(八月、九月が各十四件に対し十月は二十五件)とはならなかったものの、八月の十一件に比べやはり増加している。十一月は二十日までに入手した報告では九件であるが、これ以前の事故がかなり後になってリストに載ることが多いので昨年並み(十九件)になると思われる。
 今年上半期の交通違反についてのデータも西条署からいただいた。それによると、広大生の違反は八三五件で同管内総違反件数の一八・七%に当たる。悪質違反とされる無免許が八件、飲酒運転が十一件、速度違反が一九〇件などである。
 これから忘年会、新年会など酒を飲む機会が多くなる。この影響か十一月の飲酒運転違反者は管内全体で百名あったうち広大生は十二名もいた。上半期の合計より多い。言い古された言葉だが「飲んだら乗るな、乗るなら飲むな」である。予定された“飲み”には車では行ってはならないし、もし車で行った先で飲むことになっても“酔いをさまして乗って帰る”などと考えないことだ。これは“原チャリ”もあてはまる。
 上半期のデータでは広大生の交通事故違反の二三%弱は速度違反である。これからは路面凍結、積雪の季節となるが、このような路面状態の時のスピードの出し過ぎは命取りにつながることも警告しておく。

広大生の交通事故(10.4.〜11.20)
(西条警察署管内)

月日(曜)・時間

場所

車種

事故の形態

10.4(土) 19:20 西条町下見 市道 ○普乗×原付 左折・横断
10.11(土) 9:35 西条町御薗宇 R375 普乗×○軽貨 後退・停止中
10.16(木) 19:25 西条町田口 市道 ○原付×歩行者 直進・対向歩行中
10.16(木) 20:35 高屋町小谷 県道 ○普乗×軽乗 路外逸脱・駐車車両に衝突
10.19(日) 0:15 西条町寺家 R486 普乗×○自二 転回・直進
10.20(月) 14:58 西条昭和町 R486 ○普乗×普貨 追突
10.21(火) 8:55 西条町下見 市道 ○普乗×軽貨 追突
10.26(日) 23:45 八本松町飯田 R2 ○普乗×○普乗 追突
10.27(月) 17:20 西条中央7丁目 県道 普乗×○原付 左折巻き込み
10.29(水) 17:50 西条中央5丁目 市道 軽貨×○原付 右折・直進
10.31(金) 16:40 西条町下見 市道 ○原付×○原付 右折・直進
11.4(火) 21:45 西条町田口 県道 ○軽貨×○自二 追突
11.4(火) 22:00 西条中央8丁目 R486 普乗×○自転車 出会い頭
11.5(水) 9:30 西条町下見 市道 ○普乗×○自転車 右折・横断
11.6(木) 9:20 鏡山1丁目 構内 ○普乗×○原付 追越し・右折
11.7(金) 11:00 西条町寺家 市道 ○普乗×原付 追越し・右折
11.10(月) 18:00 鏡山1丁目 県道 ○原付×軽貨 出会い頭
11.11(火) 13:10 西条町寺家 市道 軽乗×○普乗 出会い頭
11.17(月) 21:10 西条町西条東 市道 ○原付×自転車 出会い頭
11.20(木) 19:50 西条町下見 市道 ○普乗×○軽乗 追突
○は広大生


人出も最高潮、第四十六回大学祭

 十一月一日から三日間開催された第四十六回大学祭は、延べ二万人が参加して、盛況のうちに終了した。
 大学祭の企画としては、今年で二回目となる学部対抗の特別企画不死鳥杯争奪「知力・体力」王座決定戦のほか、教育学部ほか五学部と三センターで開催された学部等公開企画、体育会主催による鈴木彩子コンサート、フリーマーケット、FM公開生放送など多彩な催し物に、親子連れや学生のカップルなど、それぞれに楽しんでいた。
 初の試みとしては、学生委員会主催の交通安全講習会が開かれ、受講者三十九名が、西条警察署交通課長の交通事故事例、発生要因の分析を交えた講演や、自動車の制動、衝突実験を体験していた。
模擬店「焼き鳥いかがですかー」



開けてしまった(?)「パンドラの箱」−未知のものへの挑戦−第三十回霞祭開催

 第三十回霞祭(医学部と歯学部の学園祭)が、「パンドラの箱−未知のものへの挑戦−」をテーマに十一月十五・十六の両日、開催されました。毎年恒例のステージ企画、ジャズ研ライブ、美術展が例年以上の賑わいを見せたほか、第三十回記念企画として開催されたシンポジウム(「障害者問題を考える」シンポジムとエイズシンポジウムの二本立て)では一般の方々の参加や 広大演劇団の皆さんの協力を頂くことができ、「内輪の盛り上がり」から一歩前進したようです。(医学部・山本英喜)

今回の霞祭の目玉
「障害者問題を考える」シンポジウムの様子
11月15日、医学部付属病院大会議室で


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