ニューズ・ダイジェスト 

 



評議会だより


学長、新年の抱負を語る

 かつて、日本経済の復興はアジアの奇跡と呼ばれた。
 しかし、山一證券や北海道拓殖銀行の破綻など、今や日本の金融システムを含めさまざまなシステムが揺らいでいる。平成十年は果たして再建の年の足がかりとなるのであろうか。
 仕事始めの一月五日、事務局庁舎四階の会議室では、各部局長をはじめ各部課長、事務長、事務局職員など約二百五十名を前に、午前十時三十分から十五分間にわたり学長の年頭の挨拶があった。要旨は次のとおり。  「平成十年の年頭にあたり、一言ご挨拶を申し上げます。この正月も暖かく、皆様におかれましては良い正月をお過ごしになったことと思います。私も少し充電をしてまいりました。
 年末には政府予算案が内示され、わが大学は一〇〇%以上、一二〇%の成果をみました。政府の財政が緊迫しているなか、事務局の皆さんや先生方の熱意が財政当局を動かしたものと思います。ここでその内示の一端をご紹介します。
 一番重要な事項は、大学院の重点化ということです。先端物質科学研究科が独立研究科として認められました。
 次に、看護やリハビリテーションの高度な専門知識を持つ研究者を養成するための「医学系研究科保健学専攻」の博士課程後期も認められました。
 もう一つは、医療の分野で光学医療診療部が認められました。現在は大きな手術をせずに内視鏡手術での治療が趨勢を占めており、そういう面で診療体制が整備されることと期待されます。
 今年、私は、教養的教育の充実、大学院教育の充実、霞キャンパスの再開発、事務局の管理運営の円滑化、地域との連携、学生のためのホールの建設の六項目に力を注いでまいりたいと思います。また、来年の五十周年を記念してなにをするべきかの検討を今お願いしております。広島大学を世界に通用する大学にするために、手に手をとって努力してまいりましょう。
 この新庁舎で皆さんと初めて新年を祝う会をもてたことは光栄です。何かが終わり何かが始まる瞬間こそが、新たな二十一世紀を迎えての啓示を与えてくれるものとなるのです。新年を祝うとともに、次の世紀に向けて着々と準備してまいりたいと思います」。

教授等の任命権を学長に委任

 「人事に関する権限の委任等に関する規程」(文部省訓令第三十二号)が昨年の十月十七日付けで改正された。実施は今年の四月から。
 従来は、助教授以下の教官、学科長、診療科長等の併任官職、係長以下の事務系職員の任命権が学長に委任されていたが、今回の改正で、教授、学内共同教育研究施設長等、薬剤部長及び看護部長、課長補佐の官職の任命権が学長に委任されることになった。
 なお、従来同様文部大臣が任命権を有する官職は、学長、副学長、部局長等、評議員となっている。


技術専門職制度創設される

  国立大学の教室系技官は技術部(部長は学部長)として組織化されている。文部省は平成九年十一月十七日付け訓令で、平成十年四月一日から技術専門官及び技術専門職員を国立大学等に置くことができることとした。
 技術専門官は「極めて高度の専門的な技術を有し、その技術に基づき、教育研究の支援のための技術開発及び技術業務並びに学生の技術指導を行うとともに、技術の継承及び保存並びに技術研修に関する企画及び連絡調整を行う」とされる。
 技術専門職員は、「高度の専門的な技術を有し…途中同右…に関する調査研究を行う」とされ、いずれも技術職員をもって充てられる。
 本学では四月からこの制度を導入するために規程や選考の基準作りなどの検討に入ることとなっている。


大学院先端物質科学研究科が新設

    理学と工学の両分野が融合した「先端物質科学」を研究する独立研究科が平成十年度の予算成立に伴い設置されることが決まった。国際協力研究科に次いで二つ目の独立研究科となる。
 新設される先端物質科学研究科は、「量子物質科学」(博士課程前期三十三人、同後期十六人)と「分子生命機能科学」(同前期三十一人、同後期十四人)の二専攻からなる。
 量子物質科学専攻では、電子や光子といった量子系の基礎科学の究明と機能性を研究し、分子生命機能科学専攻では、生命体の物質的基礎と情報機能の解明を総合的に研究することになっている。


生和学部長を再選 ─総合科学部

 総合科学部は一月七日、任期満了に伴う学部長選挙を行い、生和秀敏(せいわ・ひでとし)教授を再選した。任期は四月一日から二年間。  


単位互換協定を締結 ―放送大と

 放送大学(本部千葉市)との単位互換制度がスタートすることになった。
 調印式は昨年の十二月四日に事務局会議室で行われ、四月から法学部と経済学部の夜間主コースでスタートする。  講義は、CSデジタル放送「パーフェクTV」で一月下旬から放映。広島市の東千田キャンパス内の「放送大学広島地域学習センター」から講義を収録したビデオテープなどの貸し出しも行われる。
 講義終了後の試験に合格すれば単位が認定され、夜間主コースでは、二十単位まで卒業に必要な単位として認められる。授業料は一単位当たり四千円となっている。
 なお、放送大学との単位互換協定締結は、国立大学では六番目。  

教員志望者の介護体験特別法の施行通達

 昨年六月に「小学校及び中学校の教諭の普通免許状授与に係る教育職員免許法の特例等に関する法律」いわゆる介護等体験特例法が成立したが、去る十一月十六日には同法の施行規則(文部省令第40号)が公布され、また同時に同法の施行について各都道府県教委などに通達された。
 それによると、
 介護体験の最低期間を七日間とし、社会福祉施設等で五日間、特殊教育諸学校で二日間の体験をするよう指導する。
 助産婦、看護婦、介護福祉士、盲・ろう・養護学校教員の免許保有者や身体障害者手帳保有者で障害程度が一〜六級の者などは介護体験を要しない。
 学生受け入れの調整窓口は、社会福祉施設等については各都道府県社会福祉協議会、特殊教育諸学校については各都道府県等教委とする。
 今年四月一日の施行などとなっている。    


焼却炉の使用中止 ―基準値上回るダイオキシン検出

 環境保全専門委員会がキャンパス内の三つのごみ焼却炉の排ガス中のダイオキシンを測定したところ、焼却炉の一つから、厚生省が緊急に削減対策をとる必要があるとした基準値(80ナノグラム)の二倍の濃度のダイオキシンが検出された。事態を重くみた大学は問題の焼却炉の使用を中止し、十一月三日行われた大学祭の公開シンポ「広島大学キャンパスの環境を考える」(環境保全専門委員会主催)で公表した。
 原因は焼却炉の構造にあると考え、調査中である。
 これについて、環境保全専門委員会の安藤忠男委員長(生物生産学部教授)は「健康被害を防止するため焼却炉の運転を中止した。他の二つの焼却炉でも比較的高濃度のダイオキシン類が検出されているので、ダイオキシン削減対策研究用の一炉を除き、平成十年二月十五日にごみ焼却炉の運転を中止し、学内の一般廃棄物はすべて外部に処理を委託する。今後は従来以上にごみの分別収集と資源化の徹底にご協力いただきたい」と話している。

いま大学の環境科学は…

 昨年十二月には温暖化防止京都会議も開かれ、世界の国々は、地球という一つの生命体「ガイア」に生きるものとしてさまざまな環境破壊要因に立ち向かわざるを得ない。
 総合科学部環境生態学の中根周歩(なかね・かねゆき)教授らの研究グループは、大気汚染による降下物がマツの光合成機能を弱らせて枯死を招く要因であることを調査結果から割り出し、汚染による降下物がマツの光合成機能を弱らせて枯死を招く要因であることを調査結果から割り出し、十二月八日に広島市の国際会議場で開かれた国際シンポジウム「大気汚染による森林衰退」で発表した。
 廿日市市の極楽寺山(六九三メートル)周辺斜面に七つの調査地点を設け、昨年の五月、九月、十一月の三回、松葉を採取して光合成の速さと気孔の開き度合いを調査したもので、大気汚染が激しい瀬戸内海沿岸斜面と山頂より北側の内陸部側とで光合成の速度を比較すると、平均して沿岸部が二五%落ちていた。その主な原因は気孔の開き度合いが沿岸部では内陸部のほぼ半分しか開いていなかったことによる。
 同研究グループでは、光合成を行う葉の表面の気孔が、活性酸素「OHラジカル」などによってダメージを受けているとみている。
 また理学部宮島自然植物実験所の中野武登(なかの・たけと)助教授は、光合成能力の高い大気中に生育している特殊な気生微細藻類を二酸化炭素吸収に活用しようとユニークな研究に取り組んでいる。これまでの研究過程で、採取、増殖が容易なうえ、常緑樹の三倍近い光合成能力を持つ種も突き止めた。将来的には「気生微細藻類を使った人工葉による大気浄化システム作り」を構想している。
 気生微細藻類はこれまでに約二千種が確認されており、中野助教授はこれらの藻類が高温や乾燥に強く、排ガスのひどい道路脇でも繁殖することに着目。また、二酸化炭素濃度四〇%(通常の大気の約千倍)の条件下でも生きることから、二酸化炭素吸収材としての人工葉が活用可能とみている。
 


がんと味噌の関係

 がんの三〇%以上は食生活に関係あると考えられていて「口は災いのもと」と言われているが、「口はがんのもと」と言う人がいる。
 原医研の渡辺研究室では、従来から実験動物を用いて胃癌の発生機序をテーマに研究を続けている。ラットの胃癌を誘発する化学発癌物質を与えると同時に、乾燥赤味噌を加えた餌と味噌に含まれると同じ量の食塩を加えた餌を作り発癌物質投与期間中だけに与えた。
 その結果、味噌餌を食べさせた群の方が食塩を与えた群に比べて胃癌の発生を抑制した。さらに興味あることに、五%味噌餌より一〇%味噌餌の方が抑制効果が強かった。簡単に言えば味噌が胃癌の発生を抑えることを示した。
 学問的には疫学的調査で味噌を多く取る人に胃癌が少ないと言うことが実験的に示されたと考えられている。この模様は六月三日にテレビ新広島で放映された。
 渡辺教授は今回の関連性について「今後は胃癌を抑制する物質がなんなのかを明らかにしなければならない」と話しており、味噌好きな人にとっては朗報と言えるが、決して手前味噌で判断しないように、とは渡辺教授の話。
 


附属中・高等学校講堂、文化財に登録か

 広島市翠町にある附属中・高等学校の講堂は、昭和元年(竣工は二年)に旧広島高等学校の講堂として建設された、鉄筋コンクリート一部二階建の建物である。
 正面の入口や壁面、ホールを囲んだ二階部分と柱などにロマネスク的な要素の見られる日本では珍しい建物である。特に柱や階段の手すりに見られる、石材のようにみせる漆喰技術にはすばらしいものがある。
 文化庁から県教委を通じて本学にこの建物の文化財登録について打診があり、本学はこれを了承する方向である。

柱が美しい講堂内

正面入口


中国地域テクノロジーマップが完成

  地域共同研究センター(センター長=廣安博之工学部教授)では、中国通産局と共同で中国地域テクノロジーマップの作成に着手していたが、このほどデータベース化が完了し、ホームページで公開された。
 中国地域の理工系の講師以上の五九二名のうち五七%にあたる三三九名のデータが掲載されており、中国五県の大学・研究機関の研究課題などを見ることができる。
 ホームページのURL
  http://www.csc.core.co.jp/TMAP/  


医学部保健学科棟完成

 去る一月七日に念願であった保健学科棟完成披露式と祝賀会が、原田学長はじめ多くの参列を得て挙行された。
 保健学科は平成四年四月の学科開設以来、修士課程に続いて今年四月から博士課程が認められ、教育組織は確実に発展してきた。しかし、ハード面の整備は遅れ、学科開設からほぼ六年間、旧総合科学部の校舎や旧看護学校宿舎での不自由を耐え、ようやく念願が叶った。
 新棟は総工費約三十億円、十階建て総面積約一万平方メートルのしゃれた近代的な建物である。通常の教育・研究のスペースに加え学生ラウンジやロビー等のゆとりのスペースも設けられ、面積・内容共に充実したものである。
 これを機に人間性あふれる立派な医療人を育てると共に、学問の発展に努力したいと保健学科では考えている。
医学部保健学科棟


国際協力研究科の建物が完成

 アジアを中心とした発展途上国の現状は深刻である。貧困を原因とするさまざまな問題を抱えているうえに、最近のアジア危機の原因となっている債務累積や人口問題、さらに環境問題など、困難な諸問題に直面している。
 アジア諸国の開発援助に貢献する人材を養成するために本学初の独立大学院として四年前に発足した国際協力研究科は独立した建物がなく、これまで各学部に分散して講義が行われてきたが、このほど新校舎が完成した。
 新校舎は、研究棟、実験棟、動物舎の三施設からなり、活動拠点となる研究棟は鉄筋八階建て約六九〇〇平方メートルで、階建て約六九〇〇平方メートルで、教官が使用する研究室のほか、院生室二十三室、交通工学・スポーツ健康科学などの実験 室や情報検索室から成っている。実験棟は鉄筋平屋建て五四〇平方メートル、動物舎は同一四〇平方メートルとなっている。  同研究科には現在、五十九名の専任教官と二一五人の大学院生(研究生を含む)が在籍しており、留学生は、中国からの四十一人をはじめ十六か国(地域)から八十三人が学んでいる。
 山下研究科長は「研究科棟の完成によって一体感が増し、教育・研究の活性化とレベルアップが期待できる」と話している。
完成した大学院国際協力研究科の建物


バイオ・エンジニアリング講演会開幕

 一月二十三日(金)から三日間にわたって、大学会館を会場に第10回バイオ・エンジニアリング講演会(実行委員長=蔦紀夫工学部教授)が開催された。関係者約五百名が参加した。
 日本機械学会創立百周年とバイオ・エンジニアリング部門十周年を記念して開かれたもので、松浦雄一郎医学部教授の特別講演「医学における人工臓器」をはじめ、フォーラム、基調講演、二十八の各セッションのほか、併設の展示会も設けられた。


石橋医学部教授ら学会賞等を受賞

 医学部の石橋貞彦教授は、「代謝制御における膜蛋白質と細胞質蛋白質の強調―グルコース代謝制御へのヘキソキナーゼのミトコンドリア結合の関与と活性酸素産生制御における細胞質因子と細胞膜因子の会合・複合体形成」の研究テーマで日本薬学会学術貢献賞の受賞が決定した。授賞式は三月三十一日に行われる予定。
 また、昨年の九月十九日には、工学部の山田隆教授が「クロレラ染色体基本構造ユニットの解析とその再構成による人工染色体のモデル化」の研究で日本生物工学会斎藤賞を受賞した。
 そのほか、九月十八日には教育学部の湯澤正通助教授が日本心理学会研究奨励賞を、九月五日には歯学部の竹本俊伸助手が第六回国際歯周病学会サンスター賞第四席を、十一月九日には原医研の吉田和弘助手が広島臨床外科医学会賞を、それぞれ受賞した。


医学部附属病院の藤元さんと田さん、業務功労者で文部大臣表彰

 医学部附属病院の藤元千代美さんと田多津子さんが、平成九年度の医学教育等関係業務功労者表彰を受けた。


戦後芸術の代表的評論家佐々木基一記念文庫公開講演会

 十二月五日(金)、附属図書館と文学部は、故佐々木基一氏(広島県生まれ。県生まれ。作家・評論家)の旧蔵書約九千冊の広島大学への寄贈を記念して公開講演会と特別展示会を開催した。会場となった中央図書館ライブラリー・ホールには学内外から約百名の参加者があった。
 原田学長から佐々木基一氏夫人の永井郁(ながい・いく)さんへの感謝状贈呈式のあと、位藤邦生(いとう・くにお)教授(文学部)の司会により好村冨士彦(こうむら・ふじひこ)教授(東亜大学大学院・広島大学名誉教授)の「佐々木基一さんのプロフィル」と槙林滉二(まきばやし・こうじ)教授(文学部)の「戦後文学の出発と佐々木基一」の記念講演があった。また、講演会終了後、佐々木基一氏夫人永井郁さんを囲んで、講師の先生方、文学部の教官や学生など参加者らとの茶話会が催された。
 同時に、ホール内では特別展「佐々木基一記念文庫」も開催され、同蔵書の中から佐々木基一氏の著作、自筆原稿、句帳、知友作家の署名入り献呈本等が多数展示された。

深夜を想定しての消防訓練

 医学部附属病院では、職員の防火管理の徹底と防火意識の高揚を図ることを目的とし、広島市南消防署の協力のもと、十二月十二日に消防訓練を実施した。
 当日は、午前二時に東病棟三階(第一外科)○○室から出火と想定。消防庁の「病院における夜間の防火管理体制指導マニュアル」に基づき、感知器の発報から発見、通報、初期消火、避難誘導の総合訓練を行った。
 また一般訓練では、避難器具(救助袋)による避難脱出訓練及び屋内消火栓・消火器による操法訓練を行った。訓練にあたっては、参加者全員が終始真剣な態度で臨み、防火に対するより一層の心構えと意識の高揚が図られた。
消火器による操法訓練を行う職員



医学部附属病院「第十二回クリスマス会」開催

 医学部附属病院では恒例の「クリスマス会」が、十二月十九日午後六時から外来棟一階ロビー及び各病棟において、入院患者さんや職員約五百人が参加し盛大に行われた。
ペガサス&ポコ・ルバートによる合唱



読書感想文コンクールで附属福山高の安倍さんら入賞

 第十九回文庫による読書感想文コンクール(角川文化振興財団、中国新聞社共催)の表彰式が十一月二十九日に中国新聞社で行われ、附属福山高の安倍さんら三名が表彰された。入選した安倍さんの感想文は小説家堀辰雄にちなんで「風立ちぬに触れて」と題されたもので、「静かで言葉少ないが、愛の発見、恋愛観など精神的プロセスを体験の積み重ねの中で述べている」と評されている。
 入賞結果は次のとおり。
(中学生の部)
 優 秀 賞 附属三原中学校 井上 涼
(高校生の部)
 最優秀賞 附属福山高校 安倍まり子
 優 秀 賞 附 属 高 校 宍戸友紀


全国広報紙コンクールで本誌が最優秀賞を受賞

   全国の国立大学及び高専が発行している広報紙を対象とした平成九年度の優秀広報紙コンクールで、本学から推薦していた「広大フォーラム」が最優秀賞を受賞した。
 最優秀賞受賞は、平成五年度、七年度、八年度に続き四度目の受賞となった。
 審査は、私立大学教授やデザイナー、フリーカメラマンなど五人の審査員によって行われ、大学・短期大学(応募率八五%)から一紙、高専(応募率八八・九%)から一紙が選ばれた。


  次期三学部長を選ぶ

 歯学部と工学部は、一月二十一日、各学部教授会で、長坂信夫歯学部長と松村昌信工学部長を再選した。学校教育学部では高橋超教授を選出した。
 任期はいずれも四月一日から二年間。


ラグビー部教育系大会で三連覇

 体育会ラグビー部は、一月四日・六日に名古屋市瑞穂競技場で行われた全国教育系大学ラグビーフットボール大会で、宮崎大を四十一対十三、日本福祉大を二十四対〇で下し、三年連続六度目の優勝を果たした。
 部員の減少とけが人続出のうえ、重要な戦力と考えられていたニュージーランドからの留学生の出場資格が問われたため、一時は出場も危ぶまれたが、引退した四年生の応援を得てこの結果となった。しかし、部員は同日同所で行われている地区対抗大会への出場が目標であったので、手放しでは喜んでいなかった。



囲碁部、全日本選手権へ

 第四十一回全日本大学囲碁選手権(主催=全日本学生囲碁連盟、読売新聞社)が十二月二十四日から四日間の日程で開催され、中国地区からは五年連続で囲碁部が出場を決めた。
 会場となった東京市ヶ谷の日本棋院会館では各地区からの代表校八大学で優勝が争われた。結果は七位。
 鎌崎主将は「相手の方々が強かったので大変勉強になりました。来年もがんばります」と今後の意気込みを語った。


フェニックス駅伝三十五回目を迎える

 去る十二月七日に体育会主催で開催された第三十五回フェニックス駅伝は、あいにくの小雨模様であったが、多くの方の協力を得て無事終了した。
 今年のレースは、一般の部(男子又は男女混合)はキャンパス、運動公園、サイエンスパーク、鏡山公園を中継点とする八区間三六・二キロ。女子・小学生の部は鏡山公園、三ツ城古墳、附属幼稚園を中継点とする四区間一〇・一~GAJFCB34~で健 脚を競った。
 一般は九十二チーム、女子は三十五チーム、小学生は二チームが参加したが、本キャンパス周辺で開催されるようになって以来、参加チームの減少が続いている。
 結果は次のとおりである。

●一般の部
順位 チーム名 所属団体 タイム
1 ソレイガイ 体育会陸上部 2:00'09
2 広島市スーパースターズ 体育会陸上部 2:03'06
3 男優カモシカの足 不明 2:03'09
4 海自呉教育隊 同左 2:12'46
5 体育会水泳部A 同左 2:13'34

●女子の部
順位 チーム名 所属団体 タイム
1 Melty Kiss 広大陸上部 33'35
2 パフェ子 広大陸上部 34'00
3 コートの美女たち 体育会硬庭部 35'32
一般の部のスタートの様子



東広島キャンパスの図書の集中整理を検討中

 附属図書館では、今後も定員削減が予定されていることから、業務の効率化とサービスの質的変換を図るために、事務機構の改革とそれに伴う整備を検討中であることが、部局長連絡会議で報告された。
その内容は、
一. 東広島キャンパスの管理業務を統合し、東図書館、西図書館にはサービス部門のみを残す。
二. 中央図書館の情報管理課に受入係、情報サービス課に電子情報係を置く。
三. また集中整理を効率よく行うためには、学部・中央図書館間の図書資料のスムーズな移動が必要となるため、例えば学内搬送システム等についても検討を行う。
四. 学部等に配布しているカード目録の廃止等、極力合理化・簡素化を図るなど、学部によって対応が異なる管理的業務を一本化するよう働きかける。などである。
 さらに、将来的には「広島大学白書3」でも言及されているように、東広島キャンパスの三館体制の抜本的な再検討が必要であろう


第二内科医師団、神奈川で検診 ─「毒ガス救済は義務」

 医学部附属病院第二内科(科長=山木戸通郎教授)では、四十五年間にわたり竹原市沖の大久野島にあった旧陸軍毒ガス工場での被害者への検診などの医療活動を行ってきたが、今年二月から、神奈川県内の毒ガス工場で健康被害を受けた元徴用工員たちの集団検診に乗り出すことを決めた。
 検診対象は、昭和十八年に神奈川県高座郡寒川町に設置された旧相模海軍工廠に徴用され、猛毒のイペリットガスなどの化学兵器の生産に従事した元工員で、同県北部の津久井郡をはじめ東京、山梨など東日本を中心に生存者約四十人が確認されている。
 今回派遣される医師団は、山木戸教授ら四、五人で、津久井郡内の日赤病院を拠点に集団検診を実施する予定。  今回の派遣について山木戸教授は「毒ガス障害者の診断と治療は、私共の内科の古くからのテーマであり、障害者団体から健康調査を依頼された。私共の経験を生かして神奈川県における毒ガス障害の実体を明らかにしたいと考えている。」と話している。

広島大学の個別郵便番号
(平成10年2月2日より実施)

大口事業所等名称

個別郵便番号

事務局

(保健管理センター)

(教育開発国際協力研究センター)

739-8511
附属図書館(大学教育研究センター) 739-8512
中央廃液処理施設 739-8513

総合科学部

(外国語教育研究センター)

(情報教育研究センター)

739-8521
文学部(総合地誌研究資料センター) 739-8522
教育学部(留学生センター) 739-8523
学校教育学部 739-8524

理学部

(総合情報処理センター)

(低温センター)

(機器分析センター)

(アイソトープ総合センター)

(放射光科学研究センター)

739-8536

工学部

(遺伝子実験施設)

(ナノデバイス・システム研究センター)

(ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー)

739-8527
生物生産学部 739-8528
大学院国際協力研究科 739-8529
その他(国際交流会館など) 739-0046
西条共同研修センター 739-0024
東千田キャンパス 730-0053
医学部・医学部付属病院 734-8551

歯学部・歯学部付属病院

原爆放射能医学研究所

附属図書館医学分館

734-8553
附属幼稚園 739-0045
附属小学校・中学校・高等学校 734-0005
附属東雲小学校・中学校 734-0022
附属三原小学校・中学校・幼稚園 723-0004
附属福山中学校・高等学校 721-0907



広大生の交通事故(10.20.〜1.19)
(西条警察署管内)

月日(曜)・時間

場所

車種

事故の形態

10.20(月) 18:30 八本松町原 市道 ○普乗の単独 単独
11.15(土) 13:00 西条町寺家 市道 ○軽乗×普乗 出会い頭
11.17(月) 1:15 西条町下見 市道 ○原付の単独 単独
11.18(火) 12:00 西条町寺家 県道 ○普乗×軽乗 出会い頭
11.18(火) 18:20 鏡山1丁目 市道 ○軽乗×○原付 左折巻き込み
11.26(水) 16:55 西条町下見 市道 軽乗×○原付 路外から車道・直進
11.30(日) 0:10 西条町田口 県道 普乗×○普乗 正面衝突
12.2(火) 15:55 西条町下見 市道 普貨×○自転車 左折・横断
12.3(水) 8:20 河内町中河内 県道 ○普乗×普乗 追突
12.3(水) 11:00 西条町田口 県道 ○普乗×○普乗 右折・直進
12.4(木) 19:30 西条中央4丁目 市道 普貨×○自転車 正面衝突
12.6(土) 19:25 西条大坪町 R375 ○普乗×軽乗 追突
12.9(火) 17:10 黒瀬町管田 R375 ○普乗×○普乗 追突
12.13(土) 13:00 西条中央8丁目 市道 軽貨×横断歩行 直・横断中
12.15(月) 11:15 西条中央6丁目 県道 軽乗×○原付 左折巻き込み
12.15(月) 12:25 八本松町原 県道 ○原付×普貨 出会い頭
12.15(月) 18:20 西条町御薗宇 市道 自転車×○普乗 出会い頭
12.18(木) 13:50 西条町寺家 R486 普乗×○普乗 追突
12.22(月) 17:30 鏡山1丁目 市道 ○原付×普乗 右折・直進
12.24(水) 14:20 西条中央5丁目 市道 原付×○自二 出会い頭
12.26(金) 19:00 西条町西条東 市道 ○原付×○自二 出会い頭
1.1(木) 14:35 西条町西条東 市道 普乗×○普乗 出会い頭
1.10(土) 17:30 志和町志和堀 県道 ○普乗×普乗 追突
1.11(日) 15:50 八本松原 市道 ○普乗×普乗 出会い頭
1.14(水) 17:25 鏡山1丁目 市道 ○軽乗×○自転車 右折・横断
1.14(水) 18:35 西条中央4丁目 R375 ○普乗×普乗 追突
1.19(月) 17:40 西条町寺家 R486 ○普乗×自転車 右折・横断
○は広大生


平成9年度(財)広島大学後援会研究等助成金被授与者一覧

 平成9年12月19日,広島大学後援会の第1回目の助成対象者への通知書授与式が開かれた。108件の申請のうち下記の28件に授与された。

1 教育・研究活動に対する支援

(1)サタケ研究助成金
所属学部等 職名 氏名 研究課題 助成額(千円)
総合科学部 助手 坂本竜哉 環境浸透圧の変化に応答する広遠性魚類の遺伝子の解析 500
教育学部 助手 佐藤暢治 韓国語済州道方言におけるモンゴル語からの借用語に関する研究 400
学校教育学部 講師 三根和浪 児童の美術鑑賞作品の適正化に関する研究 500
理学部 助教授 片柳克夫 X線解析と遺伝子工学を併用した蛋白質の機能物性の改良 500
理学部 助手 狩野彰宏 泉水石灰質沈殿物による酸性雨のモニタリング 496
医学部 助教授 小池 透 生体微量亜鉛イオンの時間分解蛍光分析システムの開発 500
医学部 助手 洲崎悦子 細胞の分泌組織の三次元構造解析 450
医学部付属病院 助手 平田 思 遺伝子導入による頭頚部癌細胞の放射線感受性増強効果の研究 500
歯学部付属病院 助手 吉野 宏 歯周病発症における神経・内分泌・免疫系ネットワークの影響 500
工学部 助手 加藤昌彦 高機能皮膜のはく離強度評価装置の開発及びはく離強度評価 480
生物生産学部 講師 濱崎恒二 マウス神経芽細胞を用いた貝毒定量法の実用化研究 500
小計 11件 11名 5,326

(2)学術講演会、シンポジウム、セミナー等の開催経費の援助
所属部局等 職名 氏名 講演会等の名称 助成額(千円)
総合科学部 教授 黒川正流 産業・組織心理学第13回大会シンポジウム及び特別鼎談 300
総合科学部 教授 筒井和義 第3回広島大学ブレインサイエンスシンポジウム 300
理学部 教授 宮村 修 INSAMシンポジウム'97 300
工学部 教授 蔦 紀夫 日本機械学会100周年、部門10周年記念日本機械学会第10回バイオエンジニアリング講演会 300
小計 4件 4名 1,200

(3)学術出版物への助成
所属部局等 職名 氏名 出版物名 助成金(千円)
総合科学部 教授 伊藤詔子 学位論文に基づく研究書ヘンリー・D・ソローの文学とアメリカ社会─アメリカン・ネイチャーライティング創始を中心に─ 500
小計 1件 1名 500
合計 16件 16名

2 教育・研究の国際交流に対する支援

(1)教職員の海外研修等への助成
所属部局等 職名 氏名 研修課題 助成金(千円)
事務局 留学課長 長尾和典 留学フェアへの参加(留学生センター長 多和田教官分) 210
教育学部 教授 渡部和彦 北京師範大学創立95周年記念及び中国教員養成100周年記念式典へ出席 260
法学部 教授 高城和義 アメリカの医療社会学形成過程に関する調査研究 300
工学部 教授 塩谷 優 スウェーデン王国リンシューピン大学との学術・教育交流の打ち合わせ 300
原爆放射能医学研究所 講師 今村展隆 ウクライナ国際血液学会出席(特別講演) 300
事務局 国際交流課長 渡辺道夫 ユネスコ事業についての打ち合わせ及びタイ王国の大学視察 300
事務局 留学生課長 長尾和典 留学フェアへの参加 210
医学部付属病院 副看護婦長 大崎千津子 先進的緩和ケアにおける倫理面への対応とナースの役割 300
小計 8件 7名 2,180

(2)外国人研究者の受け入れ等に関する助成
所属部局等 職名 氏名 研究課題(外国人研究者名) 助成額(千円)
法学部 教授 藤田邦子 保健医療と介護保険の政治(ミシガン大学政治学部教授John C. Campbell) 300
理学部 教授 近藤勝彦 植物遺伝子資源特定遺伝子の単離と保管に関する研究(ワルシャワ農業大学園芸学部部長Stefan Malepszy) 284
工学部 教授 菊池義弘 熱帯地方における太陽エネルギーの最適利用(スラバヤ工科大学工学部副学部長Ichsani Djatmiko) 300
小計 3件 3名 884

(3)国際シンポジウム等の開催経費の援助
所属部局等 職名 氏名 講演会等の名称 助成額(千円)
理学部 教授 秋葉欣哉 第3回広島国際有機化学シンポジウム:HISOC-3 300
小計1件 1名 300
合計 12件 11名 3,364
総計 28件 27名 10,390


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