ニューズ・ダイジェスト 

 



評議会だより


欠員教官定員の全学流用の継続について

 二月十日の部局長連絡会議で、大学教育研究センター、総合情報処理センター、保健管理センター、厚生課医務室、総合科学部学生相談室、帝釈峡遺跡 発掘調査室、総合地誌研究資料センターに、助教授一、講師二、助手九の計十二名の定員を、平成十一年三月末を期限として欠員定員を流用することが了承された。

教育系学部・大学院のあり方の検討組織発足へ

 今後三年間で教員養成課程の入学定員の五千人減が計画されている中、本学でも標記の組織を立ち上げ、検討を進めることになった。
 会の名称は、教育系学部・大学院改革検討部会とし、部局長連絡会議の了承を得て学長の下に置き、当面は教育学部、学校教育学部の教官で組織する。学長は「全国の教育系に先駆けるような案を検討してもらいたい」との期待を寄せている。

実社会と法学部

 法学部では、大学で学ぶ「法学」が実社会でどのように役立っているのか、という観点から『実社会と法学部』という授業科目(聴講手続き者二六五名)を開設している。授業の内容は、実社会の各分野(法曹、公務員、民間企業等)において、現在活躍中の法学部卒業生を講師に招き、リレー形式で、法学が、実社会の中で、どのように活かされることになるのか、経験に即してお話し願っている。
 学生の評判は上々で、授業担当の森助教授は「狭い学問の枠にとらわれない人生ガイダンスを目指しています」、と看板授業を支える意気込みを語っている。
 講師と講演タイトルは、以下の通り。
成宮正敏 (株)ナルミヤ社長 「私の辿ったみち、今考えること−商人について」
前垣寿夫 賀茂泉酒造社長 「酒づくり、人づくり、街づくり」
山中善和 尾道市議会議員(元RCCアナウンス部長)「マスコミから地方議員への道」
落合邦雄 賀茂鶴専務取締役(元マツダ総務部長)「製造業ひとすじに生きて」
杉瀬広明 広島銀行総務部法規担当課長 「法務の時代」
若宮清行 (株)マルニ取締役総務部長 「サラリーマン社会を生き抜くには」
津野陽子 中国新聞社編集局 「新聞記者の仕事」
和木秀明 日本銀行広島支店 「日本銀行の概要と法改正について」
金村敏彦 広島地方裁判所判事 「裁判所からみた法と裁判」
下村節子 広島県交通対策室 「女性職員と県行政」
守田貞夫 広島市企画総務局人事部長 「市役所の二十六年」
西村隆宏 広島大学事務局長 「国会と文部省」
梅野雄一郎 大蔵省近畿財務局 「主計局の二年間を振り返って」
加藤公敏 弁護士 「弁護士の生活」



ペニー彫刻「平和行進曲像」寄贈される

 この像は、ニューヨークで活躍する台湾のアーチスト林世宝(Shin pao Lin)氏の制作したもので、「みなとみらい21」に展示されていた。米市民や在米中国人から寄せられた百万枚のペニー硬貨を張り合わせたモニュメントで、高さ三メートルで重さが三トンある。
 展示場所は中央図書館二階ロビーで、本学にすでに搬入されているが、除幕は本年五月を予定している。
 寄贈者である林世宝氏は、寄せられたペニー硬貨に、市民一人ひとりの平和への思いを込め、ペニー彫刻「平和行進曲像」(ペニーズ・フォア・ピース)を制作したものであり、この作品をぜひ平和都市広島に託したいとの希望を持っていた。
 このほど同氏の思いに共感した原田学長が、本学の理念(五原則の一つに「平和を希求する精神」がある)にも合致すること、また明年、本学も五十周年を迎えることもあり、この記念事業の一つとして、寄贈を受ける話がまとまったものである。
 なお、現在この作品を横浜(みなとみらい21)から本学までの搬送、設営等にかかる費用について、「平和行進曲を広島へ」という支援グループ(発起人に黒柳徹子氏ら)が設立され、個人、グループに支援金を募っている。   

病棟改築の地盤調査始まる ─医学部附属病院

 昭和三十六年六月に竣工した医学部附属病院の西病棟は、米国政府から贈与された助成金三十万ドルを財源にして建築されたもので、助成計画の橋渡しとなった当時のライシャワー米国大使にちなんで「ライシャワー病棟」と呼ばれてきた。
 また、昭和四十三年には、西病棟に隣接して中国・四国地方では初めてといわれた八階建ての東病棟が完成した。
 爾来三十六年、建物や設備の老朽化に伴い霞地区の再開発が議論されてきたが、このほど、病棟改築に向けた地盤調査に取りかかることになった。
 地盤調査着手式は去る一月二十日、原田学長や西村事務局長のほか、吉永医学部長、松浦医学部附属病院長など約五十名が参加して行われた。
 地盤調査着手式で原田学長は、「本日の地盤調査は、霞地区再開発に関連して、初めて文部省から予算を頂戴して行われるものであり、その点で大きな第一歩であるといえます。また、来年度からは初めて文部省予算で基本設計を行うことにしており、そのための地盤調査であります。
 ご存知のとおり、現在、政府の財政状況は大変厳しい状態にあります。先頃の国大協でも、も、三年間は一切の新しいプロジェクトは行わない、という橋本内閣の方針の説明がありました。
 このような中で、私としては、何とか当面の病棟の改築を最優先に霞地区再開発に手を着けたいということで、今回は、これまでの事務的な折衝だけでなく、各方面にもお願いをして参りまして、ようやく本日の地盤調査にこぎ着けたわけでございます。
 しかし、これは第一歩でありまして、これからが本番であります。本日の地盤調査、次は基本設計、引き続いて本設計、そして病棟改築の本工事着手であります。ぜひとも私の在任期間中に鍬入れができるようにお願いしたいと思っています。
 さらに次の段階としては、病院だけでなく次々と続く霞再開発に向けて、プロジェクトを進めていただきたいと思っております。また、そうできるように、皆さん方が霞地区の発展に対して思いを結集し、力を合わせて進めていただきたい、というのが私の気持ちでございます」と計画の一歩前進に向けて喜びを語っていた。

附属病院外来診療棟横で行われた地盤調査着手式
 


今年の大学祭は、十一月一日から三日に決定

 今年の大学祭を十一月一日から三日までの三日間としたい旨の計画が、大学祭実行委員会から出され学生委員会で了承された。これに伴う十一月二日の休講措置については、各部局で配慮することになった。  


第十回広大国際駅伝大会開催される

 一月三十一日(土)午後に開かれた今年の大会には二十四チームが参加し、工学部駐輪場前をスタート、ゴール、中継点とする六区間で競われ、本学陸上部学生による「天然百%」チームがダントツで優勝した。二位はトライアスロン、三位は緑翆Aであった。
 この駅伝は、茂里工学部教授(副学長)と工学部第四類の教職員・学生が中 心となって、十年前、まだ、工学部と生物生産学部しか移転していなかったキャンパスで、留学生や市民との交流を目指して始められた。
 一時は、アジア、アフリカを中心とした各国の留学生チームや地元中高生、社会人のチームなど四十以上の参加があったが、近年はそれらが少なくなった。今年は、留学生が二チーム、企業が一チームの参加があった。
 工学部第四類の学生や職員による懇切な運営と、国際交流会(留学生の奥さんと近在の主婦の交流会)によるぜんざいのサービスで、ランナーもギャラリーも、一月にしては暖かな半日を楽しく過ごした。

一斉にスタートした選手たち
   


「結会」開かれる

 九七年度に優秀な成績を収めた体育会傘下の個人と団体を表彰する第十三回結会が、体育会会長である原田学長、学生生活担当の茂里副学長、各団体部長などの出席を得て、二月十日西第二福利会館食堂で行われた。
 表彰された団体、個人は次のとおりである。

チーム・個人名

対象となった主な活動(成績)

最優秀団体賞 サッカー部 第77回天皇杯全日本サッカー選手権出場
優秀団体賞 水泳部 中四インカレ男女とも2位
バレーボール部 大学選手権男子ベスト16、女子ベスト32
最優秀個人賞 楠 真美(陸上) 中四国学生選手権5,000メートル1位(大会新)
優秀個人賞 関 奈津子(自動車部) 全日本学生ダートトライアル大会個人優勝
深瀬久美子(水泳) 全日本インカレ100メートル自由型9位
松井正冬(相撲) 全国学生相撲個人体重別選手権大会60キロ未満級3位
最優秀新人賞 岩下佳余美(柔道) 中四学生女子柔道66kg以下級優勝、無差別級準優勝
優秀新人賞 平原結枝(水泳) 全国国公立大学選手権背泳100メートル、200メートル3位
大矢英伸(テコンドー) 西日本大会軽量級準優勝、型の部3位
山と海と空賞 応援団 5大学学生競技大会応援など
ジャンプ賞 バトミントン部 全日本インカレに中四国第2代表で出場
*これらの賞は、体育会が作成した各賞候補者一覧から各団体が投票で選んだ結果である。

表彰される最優秀新人賞の岩下佳余美さん(柔道)


チョコレート八トンの贈り物

 原田学長によれば、某企業から八トンものチョコレートが贈られることになった。配分先やその方法は未定である。
 バレンタインデーで哀しい思いをした男子には少しの慰めになるかもしれない。  


キャンパス隣接の鏡山城跡、国の史跡に

 東広島キャンパス内のががら山と峰続きの鏡山(標高三三五メートル)には頂上を中心とした一帯に大規模な山城跡が残されており、尾根伝いや山の等高線に沿って、敵の移動を遮断する「堀切」と「竪堀」群の遺構がある。
 これらは南北朝時代から室町時代初頭にかけて築かれ、守護大名の大内氏が、直轄地の「東西条(とうさいじょう)」(賀茂郡、豊田郡、呉市の一部)を管理する役所兼要塞として利用してきた。室町時代前期には安芸国、備後国を制する要衝として、応仁の乱(一四六七〜七七)では西軍の拠点になった。一五二三年には尼子氏によって落城している。
 鏡山城跡は室町時代の城の形を残しているため学術的価値が高く、このほど、文化財保護審議会では、文化庁に国の史跡の指定を答申した。

空より鏡山城跡を臨む(矢印が城跡)



雪のキャンパス散策─山中谷川を遡行

 この冬一番の強い寒波に覆われた一月二十五日、東広島キャンパスは五センチほどの積雪で真っ白になった。
 広島大学キャンパスレンジャーグループが初めて企画したハッピーニューイヤーカウント(探鳥会)には、教職員、学生、市民など十八名が参加。キャンパス東側の山中池を出発してアカデミック地区中央のぶどう池まで、双眼鏡や望遠鏡を片手にゆっくりと散策した。この日、十四種二十一科の野鳥を観察し、今後の自然観察活動の基礎となる数字を得ることができた。
 キャンパスレンジャーは、本学の環境保全委員会専門委員会が提案した制度で、キャンパスの環境保全・整備に熱意と知識をもったボランティアグループとして、平成九年十一月同専門委員会の公開シンポジウムに引き続いて設立されたもの。同会の野村正人代表(附属図書館職員)は、「快適なキャンパスづくりを私たちのできる範囲でお手伝いしたい」と話している。


エイズに正しい理解を─「エイズ・メモリアル・キルト」展

 エイズで亡くなった人を悼んで一月二十七日と二十八日の両日、全国のメモリアル・キルトを展示した「エイズ・メモリアル・キルト」展が中央図書館ロビーで開催された。メモリアル・キルトを展示した「エイズ・メモリアル・キルト」展が中央図書館ロビーで開催された。
 主催したのは保健管理センターで、学生たちにエイズに対して正しい理解を持ってもらおうと企画したもので、今年で三回目の開催となっている。二日間で約四五〇名の学生などが鑑賞した。
 同展では、エイズで亡くなった人が生前愛用していた小物類が縫いつけられたメモリアル・キルトや、学校や地域の人らで縫い込んだメッセージ・キルト大小十セット(三千数十枚)が展示され、会場には、周囲に支えられながら精一杯生きてきた熱い思いが漂っていた。
 これらの作品は、エイズが抱える問題を、キルトを通して訴えているボランティア団体「メモリアル・キルト・ジャパン」(事務局=大阪市)から提供 を受けた。
 同センターの兒玉憲一助教授は「こうしたイベントを通して、学生諸君に一人ひとりの命の重さを感じてほしい」と話している。   


冬季オリンピックを支援

 二月七日から長野市を中心に開催されている今世紀最後の冬季オリンピックでは、舞台裏でもさまざまな人が活躍している。
 実質的な活動を保障するため、昨年の十二月十八日には人事院規則14−15「長野オリンピック冬季競技大会の運営の業務に従事する職員の職務に専念する義務の免除」も制定されている。
 スポーツ理学療法学を専門としている医学部の浦辺幸夫助教授は、日本選手団本部で選手のコンディショニングにあたっている。試合直前の急なけがや疲れから選手を回復させたり、約十人いる各競技専属のトレーナーのコーディネーター役と、一人二役を果たしている。
 運動生理学を専門としている教育学部の渡部和彦教授は、世界最高の技術を科学的データとして分析・記録する、国際オリンピック委員会(IOC)のバイオメカニクス研究プロジェクトの実行委員長として活躍している。


法・経済学部で就職ガイダンス

 法学部と経済学部は二月十日、民間の採用担当者を招いて就職ガイ ダンスを開催した。
 三年生や大学院学生を中心に約八十人が出席した。


 
広大生の交通事故(1.12.〜2.13)
(西条警察署管内)

月日(曜)・時間

場所

車種

事故の形態

1.12(月) 11:40 西条町寺家 市道 軽乗×○自転車 出会い頭
1.18(日) 22:30 西条町田口 県道 普乗×○原付 右折・直進
1.24(土) 20:30 西条町下見 市道 普乗×○原付 右折・停車中
1.30(金) 21:30 鏡山2丁目 市道 ○普乗×普乗 追突
2.1(日) 5:00 西条中央5丁目 R375 普乗×○普乗 追突
2.5(木) 18:40 西条町下見 市道 普乗×○自転車 出会い頭
2.6(金) 13:10 西条中央1丁目 県道 軽貨×○普乗 右折・直進
2.6(金) 18:10 西条町下見 市道 ○原付×○自転車 出会い頭
2.8(日) 2:00 西条昭和町 R486 普貨×○普乗 追突
2.8(日) 22:00 八本松町東6丁目 駐車場内 ○普乗×普乗 後退・停止中
2.10(火) 21:10 西条西本町 R486 ○普乗×普乗 出会い頭
2.11(水) 7:55 西条町田口 県道 ○普乗×普乗 追突
2.12(木) 21:10 西条町下見 市道 普乗×○原付 出会い頭
2.13(金) 18:25 黒瀬町乃美尾 R375 ○原付×歩行者 直進・車両誘導中



二十九期六号(No.341)五十頁に掲載した、広島大学の個別郵便番号中、附属福山中学校・高等学校の郵便番号は、大口事業所番号で七二一−八五五一です。


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