ニューズ・ダイジェスト 

 



評議会だより


学長、改革の基本的考え方を提案

 大学審議会答申への対策研究会からの提言を受け、十月二十日の臨時部局長連絡会議で、学長から全構成員に対し、本学改革に当たっての三つの基本的な考え方が示された。
 新しい時代に生きる大学の構成員として、今我々は何をすべきか、何ができるかを真剣に考えていく必要があり、今後この考えに沿った二十一世紀の広島大学像のマスタープランを構築していきたいとの表明があった。そのための策定部会が設置され検討を始めていくことになり、あわせて構成員の理解と協力のお願いがあった。
 なお、提示された「本学の将来計画策定に当たっての基本的な考え方」については、次号に掲載する予定である。

大学院先端物質科学研究科設立記念式典

 今年四月に設置された大学院先端物質科学研究科の設立を記念して、記念講演及び記念式典が九月十一日に行われた。
 記念講演では、(株)日立製作所基礎研究所外村主管研究長による「理学と工学の接点」と大阪大学医学部柳田教授による「物質と生命の接点」の二講演が行われ、会場は満席の盛況だった。
 式典には、学内外の関係者約百名が出席。茂里副学長が、「本研究科が二十一世紀に向け、創造性豊かな学問研究や産業の創出に中心的役割を果たす研究教育活動の拠点となるべく、今後さらに教育研究の展開に精進を重ねて行きたい」と学長式辞を代読した。
 また、山西研究科長の挨拶の後、文部省高等教育局の野家大学入試室長が「先端物質科学研究科は、従来の学問分野の枠組みを超えて総合的、学際的な観点から物質と生命科学に関する研究活動を推進するとともに、広い視野と豊かな創造力を備えた人材の養成を目的としており、現下の社会的要請に応えるものとして、誠に意義深いものである」と高等教育局長の祝辞を代読。続いて上田東広島市長、石川国税庁醸造研究所長がそれぞれ祝辞を述べた。
 式後、祝賀会が催され、石井東広島商工会議所会頭、石井亀齢酒造(株)代表取締役相談役、内藤前事務局長からお祝いのスピーチがあり、先端物質科学研究科の設置を祝った。
 

「学長の部局巡り」続行中

 平成三年の大綱化を受けて、本学では、教養的教育改革をはじめとするさまざまな改革に取り組んでいるが、昨今、国立大学に対する社会の目は大変厳く、大学審議会の中間まとめでも二十一世紀の大学像を明確にすることが求められている。
 この時期に、学長自ら改革へのリーダーシップを取るべく、各部局に赴き教官の意見を聞き、また、改革への意識の高揚を図るため、学部教官全員と懇談する機会を設けている。この部局巡りは昨年九月以来、総合科学部を皮切りに八部局で行われている。最近ではパソコンプロジェクターを駆使しながら、社会の変化をとらえた学長自身の分析結果も披露されている。

懇談中の原田学長



図書館シンポジウムを開催

 広島大学附属図書館と同大学教育研究センターは、九月二十四日に武蔵野女子大学現代社会学部の潮木守一学部長を講師に招き「大学の将来像と図書館の役割−二十一世紀の広島大学の情報環境を考える」と題したシンポジウムを開催した。
 潮木氏は名古屋大学附属図書館長や日本教育社会学会長を歴任した大学研究の第一人者。基調講演では大学図書館が電子的手段を活用することの有用性について述べれた。
 講演の後、京藤附属図書館情報サービス課長、正法地総合科学部教授、小川文学部助教授をパネラーとして討議が行われた。学内外の約七十名の参加者からも附属図書館に対する大きな期待、強い要望等が出され、情報化が進展する中で附属図書館の役割の重要さが再確認された。  

前列左から、潮木、正法地、小川、京藤の各氏


図書館貴重資料をNHKで放映

 広島大学附属図書館は中世・近世史や日本文学史を研究するための貴重資料を多数所蔵している。そのうちの一点「平賀家文書」の取材がNHKからあり、その模様が九月二十二日午後十時からの総合テレビ「堂々日本史・シリーズ大変革を生き抜く」で放映された。番組のサブタイトルは「ポスト関ヶ原敗軍の将、危機からの再建〜戦国リストラ時代の大名サバイバル〜」で、毛利家の生き残り戦略を描いたもの。
 「平賀家文書」は広島県賀茂郡高屋の在地領主であった平賀家から附属図書館が寄託を受けた二五〇通の古文書で、毛利元就の花押のある書状等が含まれ、中世武家社会研究の重要な史料。番組ではその一部と中央図書館貴重資料室が紹介された。



蔵書データベース登録百万件突破

 十月五日、附属図書館のオンライン目録データベースへの蔵書登録が百万件を突破した。図書館では一九八一年、全国に先駆けて図書・雑誌の目録データの入力を開始し、新規受け入れの資料を対象としたデータベース形成に着手した。八三年九月には、このデータベースを基盤としたオンライン蔵書検索システム(OPAC)を開発し、所在検索サービスを開始した。
 以来十八年、日常業務として地道にデータベースへの登録が行われ、百万件の登録を達成するに至ったものである。このデータベースはネットワークを介して学内はいうまでもなく国内・海外からも利用でき、学習・教育・研究への貢献度はきわめて高い。
 今後は新規受け入れ資料だけでなく、蔵書のうち未入力の資料についてもデータベースに登録し、蔵書検索がOPACで一元的に検索できる環境を整えて、学習・教育・研究への支援機能を高めていく計画である。

データベースを検索する図書館利用者



リレー講義「実社会と法学」スタート

 十月一日から、東千田と東広島の両キャンパスを双方向講義システムでつないで、いよいよリレー講義「実社会と法学」がスタートした。
 この講義も、三年目を迎え、卒業生や東広島の経済界では、よく知られるものとなり、社会的にも注目を集める存在へと成長した。
 企画する法学部は、この講義が「先輩による人生ガイダンス」として、学生が卒業後の進路選択を考えはじめるきっかけとなることを期待している。毎週新たに招かれる講師陣も、大学での学習と実社会、実社会での仕事、その楽しさや苦労、そして大学時代の思い出と、さまざまに工夫を凝らした講義を展開している。
 十一月以降の講師と講義題目(予定)は以下のとおり。七・八時限、法学部二五五教室にて開講。
 十一月十二日(木)
  長田浩昌「取材を通じて」
 (中国新聞編集局報道センター報道部)
 十一月十九日(木)
  石井茂樹「戦時、戦後の教育と社会」
 (亀齢酒造株式会社代表取締役相談役)
 十一月二十六日(木)
  坂元紀子「未定」
 (広島県庁福祉保健部環境衛生課)
 十二月三日(木)
  本田正彦「証券市場について」
 (興銀証券)
 十二月十日(木)
  新池谷令
  「矯正業務の現実と、あるべき姿」
 (府中刑務所処遇部主任矯正処遇官)
 十二月十七日(木)
  梅野雄一朗
  「行政を取り巻く情勢について」
 (近畿財務局金融証券検査官)
 一月二十一日(木)
  加藤公敏「弁護士の生活」(弁護士)



米国の安楽死訴訟についての講演

 十月十二日午後、ワシントンで活躍する辣腕弁護士カール・F・グッドマン氏が、アメリカの医師による自殺幇助をめぐる判決の動向について「アメリカ合衆国における自殺幇助と法の支配」と題する講演を法学部で行った。同氏は三年前まで広大法学部で英米法を担当しており、日本企業とも顧問弁護士契約を結んでいる日本通。
 このたびの講演は広島大学法学会主催で、法学部甲斐教授の医事刑法の授業の時間を用いて行われ、二百名近い受講生はメモをとりながら熱心に聴き入っていた。

講演中のグッドマン氏



東千田キャンパスで一日体験入学

 十月九日夕方六時から、法学部の夜間主コースの雰囲気を味わってもらうため、社会人を対象とする一日入学が実施された。予想を上回る七十三名の体験入学生たちは、まず学部や講座の紹介を受け、在校生や卒業生たちと意見交換し、授業風景や新キャンパスを見学した。
 終了後のアンケート結果によると、ほぼ全員が「今日の体験入学に満足」と答え、また約半数の参加者は「これを機にぜひとも入学したい」と答えるなど、好評を博した。
 法学部では、開かれたキャンパスをめざして、今後もこの試みを続けていくことを検討している。

学部、講座の紹介を受ける体験入学生
 


ホームページデザイン公募学生表彰

 本学ホームページのトップページのデザイン公募で佳作に選ばれた学生の表彰式が十月八日学長室で行われた。総合科学部四年竹田浩之君ら四組五人は、表彰式で原田学長から記念品を受け取った。学長は「優秀な人材がいてうれしい。若くて斬新なアイデアをトップページ作成に生かしてほしい」と激励した。
 

表彰された学生たち




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