去るにあたっての思い

 田村 征子(たむら せいこ) 医学部附属病院

〈部局歴〉
  昭和32・3 (公立病院)
    37・8 医学部附属病院
 
   
 


 鈴懸の木を何度見上げて、「おはよう」、「また明日」と言ってきたことでしょう。ふと気が付けば、今は、落ち葉の季節。木の葉が、花びらの散るごとく地上に舞い落ちています。私、このたび退職することになりました。永い月日を勤めさせていただきまして、誠にありがとうございました。
 四季折々の想い出が心の中に生きております。職場を通じて、人として、仕事、家族のあり方をいろいろと勉強させていただきました。怒り、泣き、そして笑ったそんな一つひとつが心に染みております。
 すてきな職場と、人間関係に恵まれて過ごすことができましたことに、深く感謝しております。私の宝物は「何」、と思うとき、今この時ここにいる自分自身だと思えるようになりました。また、自分を大事にすることで、周囲の人たちをも大事にできるような気がしています。
 自分の心の成長をはかることはできませんが、皆様に助けられて、今の自分があるのだと思っております。今までの歳月を土台にして、次の自分の人生のステップにしていきたいと思っております。
 やがて、冬も過ぎ、すぐに春です。鈴懸の木も芽吹き、最後の「さよなら」を言いたいと思います。
 広大の皆様、材料部の皆様、長い間仕事をさせていただきました。本当に感謝しております。ありがとうございました。そして、鈴懸の木と家族にも。

藤元千代美様の送別会で八幡先生・秋本主任婦長・神田婦長・材料部の皆様方と(筆者前列左端)



広大フォーラム30期6号 目次に戻る