退官にあたって
杉中 秀壽
(すぎなか ひでかず) 歯学部口腔細菌学講座
〈部局歴〉
昭和39・9 (大阪大学)
56・8 歯学部
昭和五十六年に広島大学歯学部へ赴任して以来、十八年間、広島大学の教職員の皆様にはお世話になりました。とりわけ、平成六年四月からの二年間の学部長在任中には、原田学長をはじめ各部局長、事務局などの皆様にいろいろとお世話になり、ありがとうございました。この誌面を借りて厚くお礼申し上げます。
この十八年間、私は広島を第二の故郷として、また広島大学を第二の母校として、そこに溶け込むように努力をしてきました。しかし私自身の性からか、一抹の疎外感を払拭しきれなかった感があります。これからも全国各地から集まって来る学生や他大学から赴任してこられる教官を、今まで以上に暖かく受け入れて頂きたいと思います。
最近の科学の進展はめざましいものがあり、特に自然科学の分野での研究は一つの小規模な講座のみでは遂行することが難しく、今後、講座や学部の壁を越えた研究がますます必要になってきます。それに応じて、広島大学も学部・大学院や講座の再編成、統廃合などの大胆な改革をぜひ実行すべきでしょう。
特に、今までのような教授を頂点とするピラミッド形式の研究体制は打破して、研究に意欲を持った若い人たちが、どこででも自由な研究ができる環境を作って頂きたい。そうすれば若い優秀な研究者の多くが、国際的に通用する研究者や各方面での指導者に育って世界にはばたいて行かれるでしょう。今後とも、このような人材を大学全体で大切に育成して頂くことを念願します。
最後に、広島大学が二十一世紀に向けてますます発展することを祈念しております。
宮島でのオリキャン(筆者前列中央)
広大フォーラム30期6号
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