さらば広島大学
余越 正一郎
(よこし しょういちろう) 工学部地球環境工学講座
〈部局歴〉
昭和38・5 (京都大学)
45・10 (信州大学)
52・4 工学部
移転して来る前は、窓のすぐ下にグランドがあり、野球部が残していった糸の切れかかったボールを拾い集めて、よく野球をした。
夏には、裸、裸足でやり、終わると工学部の門の近くの銭湯へ行き、研究室へ帰って飲んだ。工学部が移転するとこの銭湯はすぐにつぶれてしまった。下宿学生がいなくなったせいか、もう十七年も昔のことです。
東広島へ来ても、生物生産学部が移転して来るまでは、その敷地を利用してやった。今は野球場ができているが、手続きがうるさそうなので使用したことはない。西条研修センターのグランドも使用したが、あそこは少し遠い。
宇品港の沖にある似島へは毎年行った。望遠鏡、三脚、トランシーバ、ビールを詰めたアイスボックスをかついで、道なき道を四つん這いになって、安芸小富士山頂へ登った。標高二七八メートル。工学部の屋上とトランシーバで交信した。広島市の夜景を見るために山頂に泊まろう、と言っていたが、ついに実現しなかった。
東広島へ移転してきてよかったことは特になし。
似島山頂で(昭和60年)(筆者後列右端)
広大フォーラム30期6号
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