「評議会だより」を読む
新「教育学部」の看板揚げ式
この四月から、これまでの「教育学部」と「学校教育学部」を改組・再編した新しい「教育学部」が発足した。スタートに際し、四月四日に原田学長、利島学部長、廣瀬事務局長らにより教育学部管理棟玄関に新しい看板が掲げられた。
看板はケヤキ製で、文字は同学部初等カリキュラム開発講座の松本仁志助教授(書写)が書いた。
新「教育学部」は、今日の多様化する教育諸課題に幅広く対応できる人材養成と高度な学識を有する研究者養成が可能な教育・研究組織(五類十六大講座:博士講座)として認められた。
教育諸科学の基礎的・理論的研究の推進とこれを基盤とした高等学校教員の養成を担った「教育学部」と、教育諸科学の実践研究の推進とこれを基盤とした義務教育関係諸学校教員の計画養成を担った「学校教育学部」を改組・再編した。
左から廣瀬事務局長、高橋評議委員、原田学長、利島教育学部長
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夜間大学院、第一期生の入学式を挙行
本学は四月二十七日、本年四月に設置された大学院社会科学研究科マネジメント専攻の入学式を東千田キャンパスで挙行した。
マネジメント専攻は、企業、官公庁、民間シンクタンクなどの第一線にある人々が、在職しながら高度情報化社会において必要となる専門知識を修得し、企業経営及び地域政策の諸課題をそれぞれの立場から討論し、新たな視点に立つ解決策を生み出す場を提供することを目的とした夜間大学院(独立専攻)である。
三・四倍の難関を突破した会社員や公務員など二十〜五十歳代の三十三人が、第一期生として迎えられた。
式では、原田学長が入学許可宣言の後、「社会で培った経験と、大学の理論を融合して、マネジメント研究の新しい知恵を育みましょう」と式辞を述べた。
式辞を述べる原田学長
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理学部重点化移行記念祝賀会を開催
理学部では四月二十四日、念願であった改組・再編を伴った重点化が、平成十一年度を初年度とし平成十二年四月に完了したことを記念して祝賀会を開催した。
祝賀会では、松浦理学研究科長の挨拶の後、原田学長が祝辞を述べた。
続いて、理学部重点化の基となった、平成十年度設立の先端物質科学研究科の山西研究科長から祝辞があった後、祝電が披露され、牟田副学長の発声で乾杯し、和やかに重点化移行を祝った。
医学部新医学資料館がオープン
医学部附属病院では、三月八日に新医学資料館の新築移転を祝う記念式典を挙行した。
学内外の関係者約一五○名が出席した記念式典では、原田学長らによるモニュメントの除幕や、記念植樹、テープカットなどが行われた。
式典後には祝賀会が行われ、文部省文教施設部長代理として舌津企画調整官により祝辞が述べられた後、広島県知事代理、広島市長代理からの祝辞があった。そして、原田学長から新医学資料館建設においてご尽力をいただいた方々に感謝状が贈呈された。
祝賀会の中で参加者は、かつての旧医学資料館の話しなどで旧交を温め、盛大に新医学資料館の新築移転を祝った。
(本号二十、二十一ページ参照)
テープカットを行う原田学長ら
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医学部附属病院、脳死による膵臓・腎臓同時移植シミュレーションを実施
医学部附属病院では、脳死患者から臓器提供を受け、膵臓と腎臓を同時に移植する机上シミュレーションを、日本臓器移植ネットワークの協力を得て、三月九日に実施した。
今回のシミュレーションは、報道機関にも公開され、同病院の第二外科、麻酔蘇生科、手術部などの医師や看護婦、日本臓器移植ネットワークのコーディネーターら約四十人が参加して行われた。
このシミュレーションは、徳島県在住の四十歳代の脳死男性患者より膵臓と腎臓の提供を受け、広島市内の病院にて糖尿病性腎症で治療を受けている四十歳代の女性患者に移植するとの想定で行われた。職員が患者の家族などに扮し、シミュレーションのタイムテーブルに沿って、約二十四時間の過程を約二時間半で再現し、各部署の役割分担、院内外の連絡システム、必要書類の扱い等について作業手順を確認した。
今回のシミュレーションによって、患者のプライバシー保護、同病院独自の統合マニュアルの必要性など、いくつか問題点が洗い出されたので、今後それらの問題点を解決し、万全な体制を整えることとした。
シミュレーション中の参加者
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医学部附属病院、院内図書館が開館
医学部附属病院では、患者サービスの一環として、患者さんに安らぎと潤いのある快適な療養生活を提供し、闘病意欲を少しでも高めていただくことを目的とした院内図書館を二月二十一日、中央診療棟2Fに開館した。
開館にあたっては、院内外から娯楽・教養を中心とした単行本、文庫本、コミックなど千冊を超える図書の寄贈があった。開館式には、患者さん及び梶山病院長を始め、多数の教職員が出席して開館を祝い、入院中の患者さんがさっそく読みたい図書を借りていた。
同図書館は、同院のボランティア団体の協力を得て、ボランティア管理運営委員会が管理・運営を行うことになっている。さらに同院では今後、総合外来における患者さんの案内等、本格的なボランティア活動を推進していく予定である。
開館式で看板を掲げる梶山病院長(右)
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看護部「研修受講者報告会」開催
医学部附属病院看護部では三月十五日、「研修受講者報告会」を病院大会議室で開催した。
これは、看護に関する様々な研修の受講者の報告から、最新の情報を共有し、今後の看護実践に役立てることを目的として、昨年度からポスターセッションの形式で行われているもの。
今回は、移植コーディネーター研修、看護学教育ワークショップ、緩和ケアナース養成研修、エイズブロック拠点病院医療従事者海外実地研修など十六題の研修報告が行われた。
看護婦からは、受講者の創意工夫を凝らしたポスターは内容が良く理解できる、自由な意見交換でより学びが深まる、楽しく研修に参加できる、など好評だった。
また同時に、患者さんから出展いただいた約三十点の作品や、リスクマネジメントとして平成八年度から院内に掲示している事故災害防止対策の標語について応募作品の展示を行い、それぞれの最優秀作品等を決める投票を行うなど、患者さんにも気軽に会場に来ていただけるよう工夫した。
会場は、病院長を始め他部門からの参加者や、多くの患者さん、看護婦など約二百余名が楽しく意見交換するなど活気にあふれた。また、出展された作品は、患者さんの思いが強く心に伝わってくるものや、廃材を利用したアイデア作品などで、参加者は一緒に作品を鑑賞するなど楽しいひとときを過ごした。
後日、最優秀作品等に選ばれた作品や標語に対し表彰状が贈られ、患者さんに大変喜ばれた。
活気にあふれた会場
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最優秀作品賞に選ばれた作品「一段と雅な雛祭り」
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「日野化石コレクション」披露会
五月九日、中央図書館ロビー(ライブラリーホール前)に設置された「日野化石コレクション」の披露会が開催された。
このコレクションは、元三菱重工社員の日野渉氏がブラジルに技術協力で出張した折りに収集されたもので、地球に生命が誕生してから現在の地球環境ができるまでの過程を追うことができるよう体系的に収集されており、約三百点から成る。
その価値は学術的・教育的に高く評価できるものである。本学の沖村雄二名誉教授(地球環境進化学)は、「国内有数」と話している。
本コレクションを通して、次世代を担う有為な若者に豊かな感性が育まれることを希望し、また、コレクションを分散させることなく統括・保存し、教育・研究面で活用されることを願って、日野氏から本学へ無償貸与されたものである。
コレクションのうち、約一割に当たる三十点程を、定期的に入れ替えながら、常時展示することになっている。
現在はジュラ紀(約二億年前)の高さ約一・五メートルのウミユリ、白亜紀(約一億三千万年前)の体長約七十センチのシーラカンスなどが展示されている。
披露会には、日野御夫妻をお迎えし、ご尽力いただいた沖村雄二名誉教授、室継紀ノートルダム清心女子短大事務部長(元本学理学部事務長)を始め、本学から原田学長、牟田、生和両副学長、各部局長等多くが出席した。日野氏に感謝状を贈った原田学長は、「生命の不思議さ、大切さを学生たちが考えるきっかけになれば」と話していた。
お礼の挨拶をする原田学長、右から室氏、沖村名誉教授、日野御夫妻
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全国初、「フェニックス入学制度」開始
原田学長は五月九日、中央図書館ライブラリーホールで「フェニックス入学制度」について記者発表を行った。
この制度は、本学が全国に先駆けて初めて実施するもので、高年齢層を対象とした学部及び大学院入学と学位取得支援の制度である。
長寿命の現代社会において、高度な学習活動を通じてのたゆまない自己実現を図る機会を提供すること。また、高齢者層が、蓄積してきた専門的知見・経験を学術的にまとめ、次世代社会・文化の資産とするとともに学位取得を目指す機会を提供することをねらいとしている。
制度の概要は次のとおり。
○学部入学
*対象者
学士の学位取得を目指す概ね六十歳以上の者
*募集人員
若干名
*選抜の方法
面接試験、小論文(未定)
*試験日程
選抜要項の発表 七月中旬
募集要項の発表 八月上旬
試験時期 十一月下旬予定
*入学時期
平成十三年四月一日
*修業年限
現行の規程に従う。(弾力的扱いを検討中)
*学位
各学部の学士の学位
○大学院入学
*対象者
・修士及び博士の学位取得を目指す概ね六十歳以上の者
・研究プロジェクト型
プロジェクト研究等に関連した専門知識を有する経験豊かな高齢者を募集し、共同研究に参加させその成果をもって学位を取得させる。
*募集人員
若干名
*選抜の方法
口述試験、研究科によっては小論文、専門科目試験等
*試験日程
要項の発表 六月中旬
各研究科から発表
試験時期 八月下旬から九月中旬
*入学時期
平成十二年十月一日(研究科によっては平成十三年四月一日)
*修業年限
現行の規程に従う。(弾力的扱いを検討中)
*学位
各研究科の修士又は博士の学位
入試は志願者の経験や目的を重視しており、大学入試センター試験は不要。詳しくは、本学ホームページの入試情報に掲載されている。
(URL http://www.bur.hiroshima-u.ac.jp/~kyoumu/kouhou/phenix-seido.htm)
原医研特別シンポジウム「東海村臨界事故の急性放射線障害と再生医学」開催
原爆放射能医学研究所は三月三十日、特別シンポジウム「東海村臨界事故の急性放射線障害と再生医学」を開催した。
昨年九月三十日に起きた東海村臨界事故から半年が経過したが、本シンポジウムでは大量の放射線被曝を受けた患者について、この半年間の急性放射線障害の治療経過及び今後の展望についての報告と討議が行われた。
原爆放射能医学研究所では、臨界事故に関する今後の取り組みの一つとして、原子力発電や核燃料処理事業などの放射能事故に対する救急支援体制の構築を挙げており、今回のシンポジウムは、この取り組みに添ったものである。
歯学部附属歯科技工士学校・附属歯科衛生士学校で入学式
歯学部附属の両学校で四月六日、平成十二年度入学式が、それぞれ二十名の新入生を迎えて谷本啓二・栗原英見両学校長のもと行われた。
国立大学歯学部で両学校を共に設置しているのは東京医科歯科大学と本学のみで、二年間の教育を通じて歯科医療を支える医療従事者を育成している。
工学研究科院生の山岡さん、工学部研究生の朴さん奨励賞受賞
工学研究科博士課程三年の山岡治彦さんと工学部研究生の朴在勳さんが三月十七日、日本水路協会「第十四回水路技術奨励賞」を受賞した。
これは、「沿岸音響トモグラフィシステム及び流速揚トモグラフィ解析手法」の開発が、船舶の運航と漁船の操業の活発な我が国の沿岸海洋の海洋モニタリングを可能にする画期的なシステムであり、我が国の水路技術の発展に寄与するところ大であると認められたもの。
「シェルフォア」進水式を挙行
本学体育会漕艇部に、数年来の願望であった「シェルフォア」が新たに課外活動用として購入され、原田学長より二○○○年ミレニアムの辰年を意識し、「飛龍」と命名された。
進水式は五月十四日、漕艇部艇庫前の太田川放水路において挙行された。
「飛龍」進水式 (原田学長(前列中央)と漕艇部関係者)
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