ネットワーク社会の用語集 (1)
コンピュータ・ウイルス
情報通信・メディア委員会
角 川 裕 次
今回より「ネットワーク社会の用語集」と題して連載をはじめます。コンピュータやインターネットが急速に普及してきていますが、コンピュータの専門家しか分からないようなカタカナ言葉がニュースや新聞に出てくることもよくあります。この連載では、そのような用語を解説してゆきます。
コンピュータやインターネットの専門用語があまりにも急に広がったため、その正しい意味を知っている人は少ないのが現状です。(「インターネット」の本当の意味、知ってますか?)この記事を読んで正しい知識を身につけて、まだ知らない人にさりげなく教えてあげれば、情報化社会の知識人と尊敬されること間違いなしです。(あくまでもさりげなく、が重要です。)
第一回目は、「コンピュータ・ウィルス」について解説しましょう。
ふつう、コンピュータは便利な計算や文書処理とかをやってくれるのですが、コンピュータの中にイタズラをするプログラムを仕込んだらどうなるでしょうか? そのプログラムを実行してしまえば、そのプログラムはイタズラをしてしまいます。例えば、データファイルの中身をこっそり書き換えてしまうとか、データファイルを全部消すとか、そんなイタズラもあります。でもそんなの「イタズラ」では済まず、大損害ですね。
このようなイタズラをするプログラムを「コンピュータ・ウイルス(computer virus)」と言います。
じゃあそんなプログラムを実行しなければいいじゃん、と思うでしょう。では、もし日々使うプログラムの一部がこっそり書き換えられてイタズラ機能が追加されたら、いつものプログラムを実行しただけで、知らずにイタズラ機能が実行されるという訳です。
そんなウイルスは人から貰わないようにすればいいのですが、フロッピーディスクや電子メイルの中の文書ファイルにコッソリ仕込まれていたりして、なかなか巧妙です。(あっけなく被害を受けてしまう作りのコンピュータが広く使われているのも問題なのですけどね。)
ウイルスには、伝染する性質があります。ウイルスは、フロッピーディスクやネットワークを通じて、他のコンピュータにウイルスプログラムのコピーを作って広がってゆくのです。私の知る限り、一九八○年代初頭には既に作られていたようです。
コンピュータ・ウイルスはあくまでもプログラムの一種で、細菌でもなんでもありません。うがいや手洗いはしなくて大丈夫です。
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