「座談会」を読んで

  −附属図書館の未来像−
附属図書館長 位 藤 邦 生


 座談会「附属図書館の未来像を考える」を、ゲラ刷りの段階で拝見しました。日ごろ附属図書館を利用してくださる学生・教職員の方々、地域の皆さんが、それぞれの立場から、附属図書館のことを真摯に考えていてくださることがよくわかり、深い感銘を受けました。大学図書館は今、かつてない転換の時を迎えています。目録情報の遡及入力の完成、コンソーシアム形成によるオンラインジャーナルの拡充等、電子図書館的機能のさらなる充実、学生の学習支援の強化など、課題が山積しています。広島大学は科学研究費補助金の総額で全国の大学の八位になり、またISI社の調査による世界の学術雑誌に引用される論文数でも、日本の国立大学の第八位を占めています。広島大学のこの知的存在感を堅持しさらに高めるためにも、附属図書館の役割はますます重要になりましょう。
 一方大学は優秀な人材を育て社会に送りだす機関です。情報リテラシー教育を含む学生の教育支援に図書館が果たす役割も増大しています。今後は情報を受け取るだけでなく、情報を形成して世界に発信する基地として機能しなければなりません。そうなれば、他の図書館や地域社会との連携が以前にもまして重要な課題になるでしょう。
 以上、附属図書館の未来像を考える上で大切だと思うことを順不同に述べてみました。利用者に信頼される図書館を築くために、図書館関係者一同渾身の努力をはらう覚悟です。皆さまの深いご理解とご協力をお願いいたします。


広大フォーラム32期2号 目次に戻る