ニューズ・ダイジェスト 

 


「評議会だより」を読む



広島大学大学院秋季入学式

 広島大学大学院秋季入学式が十月二日、東広島キャンパスで開かれた。今年度は、入学生八十三人のうち、今年新設されたおおむね六十歳以上の高齢者を対象とした「フェニックス入学制度」で選抜された八人が、一般の若い学生や外国人留学生らとともに新たな学園生活のスタートを切った。
 この制度は、「より開かれた大学づくり」を目指すため、高年齢層に学部及び大学院での学位取得の機会を提供するものとして全国の国立大学に先駆けて設けたもの。
 この制度で専門科目や小論文、口述などの試験に合格し、大学院博士課程前期に入学した学生は、五十七歳から六十九歳(最高齢)の男性六人、女性二人で、元教員や民間企業の研究者など多彩な顔ぶれとなった。

訓示を述べる原田学長
   


第五十七回中国文化賞

 十一月三日、第五十七回中国文化賞(中国新聞社主催)の受賞者に、本学から次の三人の教授が決定した。
 水素の吸蔵材料の研究で世界の注目を集める総合科学部の藤井博信教授、地方固有の視座から大名領国の構造に光をあてた文学部の岸田裕之教授、及び数多くの成果で日本の半導体研究をリードする工学部の廣瀬全孝教授。
 十一月十日、中国新聞社において表彰式が行われた。


第九回ペスタロッチー教育賞 和光学園長丸木政臣氏に

 ペスタロッチー教育賞(教育学部教育賞実行委員会主催)は、様々な難問を抱えた今日の教育に対し、地道な教育実践によって優れた成果を挙げている個人や団体を顕彰するものである。その第九回受賞者に、和光学園、幼・小・中・高校園長、丸木政臣氏が選ばれ、十一月十三日午後三時より、教育学部大講義室において表彰式並びに受賞者による記念講演が行われた。
 原田学長(実行委員長)より、戦後一貫して子どもの自主性を尊重し、子ども自身が生活の中で学んでいく「生活教育」実践、子ども中心の学校づくり実践を積み重ねてきた氏の功績が紹介され、表彰状、ペスタロッチー胸像が贈呈された。
 記念講演で丸木氏は、氏の四十六年間の教育活動の場となった和光学園の精神が、子どもを学校の主人公とする「新教育」の理念に源を有すること、また学徒兵として終戦を迎えた氏が、戦後の教育の可能性を「生活による陶冶」「子どもの自主活動」を中心とするペスタロッチーの精神に見いだしたことを語られた。自由と民主主義を尊重しながら子どもと教師が協同で「学び」を創りあげることは、当時も今も変わらぬ教育の理念であるとのことであった。教師は黒板を背に教壇の上に立つのではなく、常に子どもたちの真ん中にいるべきこと等、氏の長年の実践に裏付けられた言葉は、具体的でありつつ真の教育精神を示すものとして、二〇〇人を超える参加者の感動をよんだ。

原田学長から表彰状を受け取る丸木氏

講演される丸木氏
 



事務職員永年勤続者を表彰

 平成十二年度文部省永年勤続者表彰に係る文部大臣表彰状の伝達式及び広島大学事務職員永年勤続者表彰式が十一月二十二日開かれ、次の三十三名(大臣表彰三名、学長表彰三十名)に表彰状及び記念品が授与された。
◎文部省永年勤続者表彰
(大臣表彰=勤続二十年、大臣発令十年以上)  
 学生部      中島利喜夫
 法学部・経済学部 松井 文雄
 歯学部附属病院  熊谷三千男
◎広島大学事務職員永年勤続者表彰
(学長表彰=勤続二十年、本学勤務十年以上)
 総務部 古川慎吾・林 茂雄・三上政徳・
     多賀信政
 経理部 山根義則・池口理也・山崎宏已・
     和木清一・上川 勇・山本尚史
 施設部 井上修一
 総合科学部
     岡門宏治・児玉志保美
 医学部 内田幸二・岡村行雄・河野志朗・
     谷 泰雄・杉原数美
 医学部附属病院
     河野富士子・小川勝成・
     藤永正枝・三宅れい子・市川美子
 歯学部附属病院
     祐井智美・栗栖京子
 工学部 善村浩之・松浦和昭
 生物生産学部
     窪田浩和・久保田満
 附属学校部
     松原佳惠



惠飛須さん、安松さん、医学教育等関係業務功労者表彰

 十一月二十八日、平成十二年度医学教育等関係業務功労者表彰で、歯学部附属病院看護婦の惠飛須律美さん、医学部附属病院検査部技官の安松由利枝さんが、それぞれ文部大臣表彰された。
 これは、国立、公立及び私立の大学における医学または歯学に関する教育、研究もしくは患者診療に係る補助的業務に関し顕著な功労のあった者を表彰することにより、関係職員の士気を高揚し、もって医学または歯学教育の充実向上を図ることを目的としているもの。


岡田さんに外務大臣奨励賞

 十月二十二日、本学霞体育館において、第四十九回広島大学献体者慰霊祭がしめやかに営まれた。昨年の十月から本年の九月末までに献体された百八十三柱の遺族、白菊会会員、学長を始めとする大学関係者約八百人が列席した。
 式典は、参列者全員による一分間の黙とうに始まり、医学部長挨拶、歯学部長、学生代表、白菊会会長の追悼の辞と続き、各代表並びに参列者全員が白菊による献花を行い、献体者の冥福を祈り、感謝の意を表した。



広島大学献体者慰霊祭

 十月二十二日、本学霞体育館において、第四十九回広島大学献体者慰霊祭がしめやかに営まれた。昨年の十月から本年の九月末までに献体された百八十三柱の遺族、白菊会会員、学長を始めとする大学関係者約八百人が列席した。
 式典は、参列者全員による一分間の黙とうに始まり、医学部長挨拶、歯学部長、学生代表、白菊会会長の追悼の辞と続き、各代表並びに参列者全員が白菊による献花を行い、献体者の冥福を祈り、感謝の意を表した。

しめやかに営まれた慰霊祭
 


二○○○年ユネスコ・アペイド広島国際セミナーを開催

 本学は、日本ユネスコ国内委員会との共同事業として、二○○○年ユネスコ・アペイド広島国際セミナーを十月二十四日から十一月一日まで、大学院国際協力研究科を会場として開催した。
 この国際セミナーは、初等教育の完全普及を目指して、一九八七年から毎年開催しているもの。
 今回は、バングラデシュ、中国、インドネシアなど九カ国及びユネスコ・アジア太平洋地域中央事務所の参加を得て、「アジア・太平洋地域における二十一世紀のための教師教育の革新・教師の待遇改善・」について、討議や教育行政機関等の視察を行った。文部省からは、浅井孝司国際企画課国際機関協力官が開会式の挨拶に、坂本淳一財務課給与係長が日本のカントリーレポートの発表にそれぞれ出席した。

セミナー参加者
 


同和講演会開催

 十一月十四日、中央図書館ライブラリーホールで小森龍邦氏の講演会「人間疎外からの解放・経済構造に視点をあてて・」が開催された。当日は、一八○名収容のライブラリーホールがいっぱいになり、立ち見もでるほどであった。
 元衆議院議員・元全国部落解放同盟書記長であった小森氏は、経済構造に視点をあてて、人間疎外からの解放について講演された。

講演される小森氏
 


「高校教育と大学教育との接続について」講演会開催

 九月二十二日、「高校教育と大学教育との接続について」の講演会を開催した。
 高校教育と大学教育の接続を図るため、広島県立西条農業高等学校長の山建郎氏が『高校における「総合的な学習」と大学教育との関連』と題し、また、本学附属福山中・高等学校教諭の平賀博之氏が『大学と附属学校の連携による「総合的な学習」のカリキュラム開発』と題して講演した。
 約一時間の講演後、この講演会を主催した教務委員会、学生生活委員会及び教養的教育委員会の委員約七十名の参加者と講演者は、高校教育と大学教育についての連携等について質疑も交えて熱心な討論を行い、約二時間の講演会を終了した。

挨拶する生和副学長(左)と講演者の山崎氏(左)
 


 


広島大学公開講座「二十一世紀の食品―健康への関わりと安全性を考える」を開催

 平成十二年度広島大学公開講座「二十一世紀の食品・健康への関わりと安全性を考える」(生物生産学部主催)が、七月八日〜九月三十日の毎週土曜日に財団法人広島市ひと・まちネットワーク市民アカデミー事業との共催企画として広島市中央公民館で実施された。
 本講座は、近年大きな問題となっている生活習慣病を予防するために、食品を正しく理解し、健全な食生活を考えることを目的とした。
 また、食品生産として問題となっている遺伝子組換え食品や食品添加物の安全性を正しく理解すると同時に、二十一世紀に向けてますます重要となる環境と調和した食品生産を考えることを狙いに実施された。十回の講義では、十八〜七十才代までの四十九名の市民が熱心に受講した。各講義の最後には受講者から多くの質問が出され、活発な質疑応答がなされた。九月三十日の総合討論会は、受講者以外の市民の参加もあり、盛会であった。



第一回放射線障害再生医科学研究会開催

 原爆放射能医学研究所は九月二十日、医学部広仁会館において第一回放射線障害再生医科学研究会を開催した。
 JCOの臨界事故でも問題となったように、最先端の現代医学をもってしても急性放射線症候群を発症した重症被曝者の命を救うことができない。この問題点を解決するためには、放射線障害はゲノム障害による組織の不可逆的損傷であるという認識に基づいた医療の開発が不可欠である。このような研究を同研究所(原医研)を中心として展開するために開催したもの。
 シンポジウムに先立ち、原医研の早川式彦所長より研究会発足の主旨説明があり、シンポジウムでは原医研の小松賢志教授、川崎医大の高田穣教授によるゲノム障害の講演と、大学院理学研究科の吉里勝利教授、鈴鹿医療科学大学の筏義人教授による再生医学の講演を中心として、六十名の参加者が放射線障害の医療に関して熱心に議論した。今後、ゲノム障害と再生医学を中心として年三回程度の研究会を開催する予定である。
 


「名誉教授の会」開催

 「名誉教授の会」が十一月六日、事務局会議室で開催された。今回で四回目になるこの会は、名誉教授への大学の近況報告と親睦を深めるために設けられたもの。
 当日は、多数の名誉教授が出席し、平成八年度に国立大学では唯一本学に設置された放射光科学研究センターを見学した後、会合、懇親会が行われた。同センターの見学で出席者は、谷口センター長の説明に、最先端の放射光設備を食い入るような眼差しで見つめながら、感嘆の声をあげていた。
 会合においては、原田学長から大学改革等の近況報告及び「医学黎明期広島における日渉園の役割」についての特別講演が行われた。
引き続き行われた懇親会では、原田学長をはじめ各学部長、廣瀬事務局長らの現職を交え、和やかな雰囲気の中、旧交を温めた。

谷口センター長から説明を受ける名誉教授
 





伊藤様より食器類のご寄贈

 東広島市西条町田口にお住まいの伊藤悦司さん、まゆみさんから、広島大学の留学生の皆さんにお使いくださいと、台所用品のご提供のお申し出があった。十一月八日の早朝、伊藤さん自ら軽トラックの荷台一杯に積んだ多数の食器類を大学まで運んでくださり、留学生センターへの引き渡しが行われた。
 伊藤さんは、長い間地域住民の福祉のために骨を折ってこられた方だが、このたびは、かならずしもゆとりがあるとはいえない留学生の身を案じ、進んで労をとられたものである。こうした地域の方々の温かいお気持ちは、本学にとってなにものにも替えがたいご支援である。感謝の気持ちをもって品物を受け取った留学生センターでは、「食器はいくらあっても足りないので、ありがたいお申し出だ。大切に、有効に使わせていただきたい」と語っている。



今年の大学祭のテーマは「空き缶のナカミ」

 十一月三日から三日間にわたって開催された今年の大学祭は、延べ一万二千人の人びとを集め閉幕した。
 今年は広島市や東広島市で開催された国民文化祭のイベントの影響もあったが、まずまずの人出となった。
 学生企画では、おなじみの模擬店のほか茶会やジャズコンサート、ステージ企画のほかサークルの研究発表企画などが行われた。
 学部企画としては、模擬裁判「夏祭り折り紙事件」やエイズ・メモリアル・キルト展、恒例となっている交通安全講習会などのほか、中・高校生科学シンポジウムやミニ水族館・ミニ動物園、水中翼型人力ボートの試乗会など子どもも楽しめる企画もふんだんに盛り込まれていた。
 また西体育館では、若くして亡くなった浅野哲史さんを偲んで開催されたバレーボール大会「浅野杯」に地元の小学生のバレーボールチームが熱戦を展開していた。
 「新風景の創造」と名付けられた角脇川に架けられたデッキは、そぞろ歩きにもってこいの隠れたスポットとなっていた。
 最終日、テントに明かりが点る頃、リズミック・ダンス・クラブの踊りで沸騰点を迎えるなか、晩秋の夜空に数十発の花火が打ち上げられた。かくて、「ひとつの終章が声をあげて、ひとつの物語が幕を閉じた」。

人、人、人…でにぎわうキャンパス
 





五大へGO!

 十一月十三日の昼休み、中国五大学冬季大会に向けた壮行会が体育会主催で開催された。
 事務局前広場に集まった七十名の選手に対し、原田学長が「総合優勝」に向けて檄を飛ばし、アーチェリー部の林田君(理三年)が代表して宣誓を行った。選手たちは、応援団からのエールとリズミック・ダンス・クラブからの声援をしっかりと受け、大会に臨む気持ちを大いに高めた。
 その後、学長が選手の一人一人と握手を交わして散会した。
 なお、冬季大会は十一月十八、十九の両日、東広島キャンパスでサッカー、ラグビー、バスケットボール、柔道、剣道、ハンドボール、アーチェリーの七種目で開催され、本学は総合優勝を果たした。

リズミック・ダンス・クラブによるダンス
 





入学式を原則四月三日に実施 来年度から

 本学の入学式を来年度から原則四月三日に行うことが、十一月二十一日開催の評議会で決まった。
 本学の入学式は、これまで原則四月八日に実施してきたが、入学式前に行っていた新入生に行う教養的教育ガイダンスは、入学式後に行うことが望ましいことから、入学式を早めたもの。
 なお、四月三日が月曜日(東広島運動公園体育館休館日)のときは、その翌日とする。



主な戦績(10月〜11月)

10月

アーチェリー部
 第31回広島県秋期ターゲット アーチェリー大会(於広島国際学院大学)
  上位入賞者なし(2名参加)
 第30回中国四国学生アーチェリー新人選手権大会(於愛媛大学)
  上位入賞者なし(10名参加)
空手道部
 第26回広島県大学空手道選手権大会(於広島修道大学)
  男子個人型:3位=西宗直之(総科3年)
  女子個人型:優勝=山崎倫子(学教4年)
  女子個人組手:優勝=山崎倫子(学教4年)
         準優勝=矢野博子(学教3年)
弓道部
 第46回中四国学生弓道選手権大会(於松山市総合コミュニティセンター)
  男子団体:2位,個人:3位=松本和紀(工3年)
剣道部
 全日本学生剣道優勝大会(於大阪府立体育館)
  25名参加
硬式野球部
 広島六大学野球秋季リーグ(於広島大学ほか6会場)
  4位(7勝7敗)
ゴルフ部
 中四国学生連盟王座決定戦(於庄原カントリークラブ)
  上位入賞者なし
サッカー部
 中国学生サッカーリーグ(於徳山大学)
  ○広島大3×0徳山大●
  ○広島大5×1岡山大●
 女子サッカー全日本大学選手権中国地域予選(於中国電力坂グラウンド)
  優勝(3チーム中)
柔道部
 第34回呉地区柔道大会(於海上自衛隊呉教育隊)
  男子一般の部:3位,女子一般の部:優勝
漕艇部
 第44回中国学生漕艇選手権大会(於岡山県百間川漕艇場)
  新人男子舵手付フォア:優勝=牛嶋 健(教3年)・澤村雄介(工1年)・笹倉秀夫(工1年)
                木原洋大(経1年)・井狩青太(文1年)
  男子ダブルスカル:2位=三村雄一(工4年)・是圭祐(工4年)
  男子シングルスカル:3位=長町 学(工3年)
ソフトテニス部
 広島県学生ソフトテニス秋季リーグ戦(於広島経済大学)
  男子Aチーム:3位(20チーム中)
  女子Aチーム:優勝(10チーム中)
 中国・四国学生ソフトテニス選手権(於松山大学)
  団体女子:ベスト8
バスケットボール部
 中国学生バスケットボール大会兼中国地区予選(於徳山総合スポーツセンター)
  男子総合:3位(25チーム中)
バレーボール部
 中国大学バレーボールリーグ戦秋季大会(於岡山理科大学ほか)
  女子:2位(6チーム中)
ラグビー部
 中国代表リーグ(於岡山県球技場)
  準優勝:決勝戦●広島大8×29徳山大○
熱気球サークル有頂天
 砺波バルーンフェスティバル(於富山県砺波市)
  総合6位(24機中)



11月

オリエンテーリング部
 2000年度オリエンテーリング選手権大会(於滋賀県高島郡高島町)
  5名参加
 第8回中国九州四国地区学生オリエンテーリング選手権大会(於佐伯郡吉和村)
  10名参加
柔道部
 広島県学生柔道優勝大会(於広島大学西体育館柔道場)
  18名参加
少林寺拳法部
 第20回西中国少林寺拳法学生大会(於山口南総合センター)
  26名参加
ヨット部・女子ヨット部
 第65回全日本学生ヨット選手権大会(於ベイサイドビーチ坂)
  ヨット部17名参加、女子ヨット部6名参加
漕艇部
 平成12年度関西学生漕艇秋季リーグ戦(於兵庫県加古川大堰上流水域特設コース)
  21名参加
バドミントン部
 第39回中国四国九州学生バドミントン選手権大会(於北九州市総合体育館)
  19名参加
熱気球サークル有頂天
 佐賀インターナショナルバルーンフェスタ(於佐賀市嘉瀬川河川敷)
  5名参加





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