評議会だよりを読む




9/11
文学研究科と中国・首都師範大学との学術交流
就任授与式
 去る九月十一日(火)、文学研究科総合人間学講座佐藤利行教授が、中華人民共和国首都師範大学の客員教授に招かれ、その就任授与式が当大学で行われました。
 佐藤教授は中国六朝文学が専門で、とりわけ西晋の詩歌の研究に多くの業績があります。中国の研究者との共同研究を進めるとともに、詩歌研究センターに学ぶ大学院生の指導などに当たります。文学研究科では、かねてより首都師範大学との学術交流のための準備を進めており、これを機会に部局間協定を結ぶこととし、その事前打ち合わせのため、九月十日から十三日の日程で、頼棋一研究科長、佐藤利行教授、池神勝事務長の三名が北京を訪れました。
 十一日の午前中に、首都師範大学外語学院名誉院長室において学術交流協定締結に向けての打ち合わせを行い、
 (1)大学院生の交流
 (2)教員の交流
 (3)研究成果・学術刊行物の交換
を中心とする協定に向けての意向書の案を作成しました。
 翌日の夕刻、嶺南飯店において学術交流に関する意向書に頼研究科長、首都師範大学劉利民副学長が署名し、意向書を取り交わしました。
写真:就任授与式

9/28〜30
教科書コレクション画像
データベース完成記念式典並びに記念講演会・展示会
展示会風景
 附属図書館では、電子図書館の一環として本館が所蔵する教科書約五千六百冊について画像の電子化を進めていましたが、九月二十八日(金)、完成を記念して中央図書館ライブラリーホールで式典を挙行しました。式典では牟田学長、宮澤館長の挨拶に続き、事業報告、教科書画像デモ等が行われ、学内外の教職員及び関係者から多数の参加がありました。
 公開記念講演会では、植田是賢氏(東広島市区長連合会長)の「市民の体験を語る」と小原友行教授(大学院教育学研究科)による「教科書コレクションの特色と画像データベースの意義」が行われました。
 また、九月二十八日から三十日まで展示会が行われ、江戸時代から昭和二十六年までに発行された教科書約百四十点と教科書のあゆみ及び西条地域の学校史を辿るパネル展示が一般公開されました。
 本コレクションは本学の高等師範学校以来の伝統を反映して各時代の教科書がほぼ全教科にわたって網羅的に収集されており、来館者の関心を集めていました。
 画像データベースのインターネットによる一般公開は既に五月中旬から始めていますが、今後は学内外の研究者をはじめ学校現場や、一般市民の方々にも広く活用されることを期待しています。

http://lib.hiroshima-u.ac.jp
写真:展示会風景

10/23〜30
二〇〇一年ユネスコ・アペイド広島国際セミナーを開催
セミナー参加者
 本学は、日本ユネスコ国内委員会との共同事業として、二〇〇一年ユネスコ・アペイド広島国際セミナーを十月二十三日(火)から十月三十日(火)まで、大学院国際協力研究科を会場として開催しました。
 この国際セミナーは、初等教育の完全普及をめざして、一九八七年から毎年開催しているもので、今回は、バングラデシュ、中国、インド、タイなど九カ国から著名な専門家や行政官等十名を招聘し、「アジア・太平洋地域における二十一世紀のための教師教育の革新―教員採用選考方法の改善―」について、各国レポート発表・質疑応答や教育行政機関等の視察を行いました。
 なお、開会式では、文部科学省の勝平宏国際統括官付ユネスコ協力官から挨拶がありました。

写真:勝平ユネスコ協力官(前列左から2人目)ほかセミナー参加者

10/24
第五十回広島大学献体者慰霊祭
学生代表による追悼の辞
 去る十月二十四日(水)、広島大学霞体育館において、第五十回広島大学献体者慰霊祭がしめやかに営まれました。昨年の十月から本年の九月末までに献体された百六十九柱の御遺族、白菊会会員、また、学長を始めとする大学関係者合わせて約八百名が列席しました。
 式典は、参列者全員による一分間の黙とうに始まり、医学部長挨拶、歯学部長、学生代表、白菊会会長の追悼の辞と続き、各代表並びに参列者全員が白菊による献花を行い、献体者の冥福を祈り、感謝の意を表しました。

写真:学生代表による追悼の辞

11/3〜5
記念すべき第五十回広島大学大学祭
「いらっしゃいませ〜、いかがですか〜」
 十一月三日(土)から三日間にわたって総合科学部周辺で第五十回広島大学大学祭が行われました。今年のテーマは「晴れのち祭」。テーマとは裏腹に、三日間の期間中二日間雨という結果になってしまいましたが、それにもかかわらず、なかなかの人の入りとなりました。
 初日のオープニングは冷たい雨が降りしきる中、それを吹き飛ばしてしまうような軽快な和太鼓のお囃子の演奏にひかれて大勢の人がスペイン広場特設ステージに集まり、和太鼓の華麗だが力強いパフォーマンスに見入っていました。
 屋内のイベントでは各サークルの発表会や討論会など日ごろの学生の活動をかいま見るような企画が行われました。そして屋外のイベントではお馴染みの模擬店企画、日曜日には大学祭実行委員会主催のマツダモーターショー、月曜日には熱気球試乗会などいつものように楽しい企画が盛りだくさんでした。
 今回の大学祭ではNHKの協力もあり、会場内をイメージキャラクターである”どーもくん”が歩き回ったり、”どーもくん”とゲームをしたりと、NHK協力ならではのイベントもありました。
 最終日、雨足が強くなる一方でステージは熱気あふれるリズミックダンスクラブの踊りで興奮が頂点に達する中、夜空を数十発の花火が彩り、第五十回広島大学祭は閉幕しました。

写真:「いらっしゃいませ〜、いかがですか〜」

11/4
生物生産学部公開行事開催
「乳製品をつくる」の実演展示コーナーを訪れた人たち
 例年の催しとなった、生物生産学部の学部公開行事は、大学祭の期間中の十一月四日(日)に、生物生産学部で開催されました。また同時に附属農場でも学部公開の一環として農場祭が開催されました。好天にも恵まれ、子供連れも含めた多くの市民の方々が会場を訪れ、盛況でした。
 受付では花の苗プレゼントが行われ、学部内では各研究室を紹介するパネル表示をはじめ、ミニ水族館、「チョコレートの科学」や「世界と日本の食糧を考える」などの研究展示や、ニワトリの解剖”実演”など多彩な取り組みが行われました。午後には現在大きな問題となっている狂牛病に関する講演会などもあり、熱心な質疑応答も交わされ、関心の高さが感じられました。建物の中庭では研究で使われている豚、ニワトリ(ひよこ)、ウサギなどを中心とした家畜を集めてのミニ動物園も好評で、子供たちの歓声がしていました。農場祭でも乳牛の乳搾りの公開、羊などにもさわれたり、模擬店舗もありにぎわいました。
 ミニ水族館、ミニ動物園はそれぞれのべ八百人あまりの入場者があり、全体として千名を越える市民の方々が来られました。こういう催しも”開かれた大学”の取り組みとして、重要ではないでしょうか。

写真:「乳製品をつくる」の実演展示コーナーを訪れた人たち

11/5
第十回 ペスタロッチー賞 俳優 佐野浅夫氏に
講演される佐野氏
 人類の教育者と呼ばれたH・ペスタロッチーを記念する教育賞の第十回受賞者に、俳優佐野浅夫氏が選ばれ、十一月五日(月)午後、教育学部大講義室で表彰式並びに記念講演が行われました。
 牟田学長(実行委員長)から、氏の著名な俳優活動と平行して四十七年間にわたって続けておられるNHKラジオ「お話でてこい」での「童話の語り部」としての功績が紹介されました。お話を通して子どもたちの情感や想像力を豊かに育んだことが、今回の受賞の理由です。
 記念講演の中で氏は、被爆した移動演劇団「桜隊」に所属し多くの仲間を失ったこと、故荘司雅子広島大学名誉教授(フレーベル研究)によって幼児教育実践に導かれたことを広島との縁の深さとしてあげられました。また口演童話の先駆者久留島武彦の貴重な音声記録を紹介された後、実際に山形民話「貧乏神」、早瀬の瀬戸を舞台にした「島ひきおに」を口演され、三百人の参加者は「お話の世界」に引き込まれました。音声による語りは語り手の心をそのまま聞き手に伝え、両者の信頼関係を確かにするという氏の訴えは聴衆の共感を呼びました。

写真:講演される佐野氏

11/8
バーチャルわっしょいラボオープン
「バーチャルわっしょいラボ」の画面例
 東千田キャンパスにある広島大学アンテナショップ「わっしょいラボ」は、本年五月の開設以来、展示とワークショップを主体とした社会との交流の実験的なスペースとして活動を続けています。特に広大の教授陣が自ら研究内容を解説するワークショップは参加者から大好評です。本年十一月八日(木)より、ホームページ上でわっしょいラボの雰囲気をご紹介する「バーチャルわっしょいラボ」を開設しました。ホームページ上の図面をクリックすることで、わっしょいラボの室内をさまざまな写真でご覧いただけます。内容は、イベントが変わるたびに追加されることになっています。
http://home.hiroshima-u.ac.jp/huieo/lab/vwl.html
写真:「バーチャルわっしょいラボ」の画面例

11/22
事務職員永年勤続者を表彰

 平成十三年度文部科学省永年勤続者表彰に係る文部科学大臣表彰状の伝達式及び広島大学事務職員永年勤続者表彰式が十一月二十二日(木)行われ、次の四十一名(大臣表彰四名、学長表彰三十七名)に表彰状及び記念品が授与されました。

☆ 文部科学省永年勤続者表彰(大臣表彰=勤続二十年、大臣発令十年以上)

総務部 渡邊博善・縣 猛男
学生部 野中章彦
生物生産学部  橋本 正

☆ 広島大学事務職員永年勤続者表彰(学長表彰=勤続二十年、本学勤務十年以上)

総務部 梅田則好
経理部 栗林元信・棚田孝志・濱尾 健
学生部 久保拓史・笹田康史・盛井 隆
施設部 佐々岡伸明・石尾幸義・田中 宏
総合科学部 藤本利夫
理学部 久良秀人・佐藤 勇・石佐古早実
大学院理学研究科 向井誠二
医学部 牧田 稔・家頭憲彦・辻村智隆・宮原秀満
医学部附属病院
  津川和子・三宅勝志・内藤千鶴・増原一美・平野洋子・大内純子・友田恭之・川野知子・新矢喜久見・村田貴美子
歯学部附属病院 山本昌信・高尾八重子・菅田智子・荒木文子
工学部 矢吹祐司
生物生産学部 中島芳禧
国際協力研究科等 山本正和
原爆放射能医学研究所 山本一美

平成13年度 永年勤続者表彰被表彰者
写真:平成13年度 永年勤続者表彰被表彰者

12/1
「国立大学法人化対策室」を設置
看板を掲げる牟田学長(右)と東府事務局長(左)
 十一月二十日(火)の評議会で、本学の国立大学法人化に関する業務を円滑に推進するための「広島大学国立大学法人化対策室」の設置要項が承認され、同室が十二月一日付けで設置されました。
 対策室の当面の業務は、(1)法人化関係の総括及び連絡調整に関すること(2)法人化関係会議等に関すること(3)法人化に関する情報の収集及び調査・分析に関すること(4)事務機構改革案の策定に関すること(5)その他法人に関すること、となることから、本年度は、事務官だけで構成することとなりました。具体に企画立案等に関する業務に取りかかる必要がある来年度からは、教官を含めた組織となる予定です。
 また、対策室は、評議会の下の「独立行政法人化対策会議」、事務局長の下の「独立行政法人化事務調査検討委員会」、「事務機構改革実施案策定WG」、「仮想事務室等構築WG」と連絡調整、支援を行います。

写真:看板を掲げる牟田学長(右)と東府事務局長(左)



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