生物生産学部
「忘れ得ぬ日々」
平成十年度入学生チューター 小櫃 剛人
海外畜産実習にて(筆者前列中央)
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ご卒業おめでとうございます。卒業生諸君をはじめ、ご支援いただいたご父兄の方々、地域の方々、諸君をとりまくすべての皆様に、「おめでとうございます!」と声をかけずにはいられない、スワローズの若松監督のような心境です。チューター長として入学時から皆さんに接してこられた濱崎先生が海外出張中のため、代わりに送別の辞をひとこと述べさせていただきます。
振り返ると四年前の四月、チューターとしてオリキャンに参加した際、新入生諸君による夕食の準備がいっこうに進まないのを見て、この先の四年間、果たしてやっていけるのだろうか…と不安になったのを覚えています。その不安を払拭するように、皆さんは多くの試練を乗り越えて、たくましくなっていったと確信します。
諸君はこの四年間で、生物の機能をはじめ、食料生産や環境問題などについて幅広く多くのことを学んだことと思います。講義以外にも、教養ゼミ、実験実習、農場実習や乗船実習、海外実習など、多くの体験を積み重ねてきました。それらが忘れ得ぬ日々として心の中にいつまでも宿ることを祈ります。
「少しの勇気」
生物生産学部四年(生物海洋学研究室) 太原 建作
オリキャンスタッフとともに
(筆者後列右から4人目)
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僕は人見知りするほうだと自分で思っています。だから、少しの勇気を出してなるべく積極的に人と接することを心掛けました。そうしていくうちに向こうからも歩み寄ってきてくれて、友達も増えました。そんな仲間と一緒に、気がつくとオリキャンに四年間ずっと関わってきていました。キャンプ施設には計七回も泊まり、最高学年ではリーダーも経験しました。そのおかげで大きな行事を運営する難しさと楽しさを体感でき、学年にとらわれない広い友人関係もできました。
しかし、長い四年間の中には失恋したり、単位を落としたりして落ち込むこともあります。そんなときには、少しの勇気でできた仲間に励ましてもらって元気を取り戻しました。
大学生活は自分から動かないと何も始まりません。動くには勇気が要ります。それは少しの勇気でいいと思います。迷ったら少しの勇気を出してぜひやってみてください。そこには新しい世界が広がっていて、大きくなった自分が発見できると思います。
「大学生活を振り返って」
生物生産学部四年(家畜飼養学研究室) 正田 京子
海外畜産実習にて
(筆者前列左から3人目)
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先日帰省した時、両親に「広島大学へ行って良かったか?」と尋ねられました。親元から遠く離れた広島へ来て、初めての一人暮らしから始まった大学生活の四年間は、振り返ってみるとあっという間ながらも、その日々が今の私の大きな要素となっていることを感じます。ホタルの大群を見ることができたり、ボランティア活動で野生シカの調査をしたり、オーストラリアでの畜産の海外実習、附属福山中高等学校での教育実習に参加したり、また卒業研究のため、ひとりで北海道の牧場へ行き二ヵ月半過ごしたことなどは、この生物生産学部へ来なければ経験できたものではなかったでしょう。サークル活動や遊びも含めて、広島大学へ来て良かったと即答できる四年間でした。
入学前の私と、卒業を目の前にした私とで大きく違うと言えるのは、多くの人々に出会ったこと、これまであまり考えたことすらなかった「自分のスタンス」をいろんな経験によって少しは自覚したことの二つだと思います。これから社会に出て、また環境が変わっていきますが、大学時代のように自分が日々成長していけるといいなと思います。
「学生生活を振り返って」
生物生産学部四年(食料流通学研究室) 幸加木 尚徳
サークルの仲間と
(筆者中列右から4人目)
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私にとって学生生活とは、世の中の状況や自分のことをじっくりと考えることのできた時間だったと思います。特に私一個人が現在の社会において何をしていくべきか、また何を求められているのか、自分本位ではなく広く考えることができるようになったことが大きな収穫だったと思います。大学という比較的自由に時間を活用できる環境のなかで、研究はもちろん、歴史や経済、政治までさまざまな知識を得た読書、社会における礼儀や自分にどんな職種が適しているのか何に興味があるのか分かったアルバイト、人付き合いの大切さや一つの目標に向かって一致団結することの素晴らしさを知ったサークルなどと、さまざまな経験を通して学んだことは、私が今後社会に出て生きていくうえで大切な糧となることは間違いないと確信しています。
このように充実した学生生活を送ることができたことを本当にうれしく思います。
広大フォーラム33期5号
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