大学院国際協力研究科
多文化社会IDEC
開発科学専攻博士課程前期二年 リム フイ リン(マレーシア)
留学生の友人と(筆者右から2人目)
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広島大学でいろいろな国の人と知り合い、仲良しになれて、本当に良かったと思います。
私にとって一番の思い出は、留学生センターの日本語研修コースの時だったと思います。そこでは六ヶ月間、日本語を習ったり、社会見学したりと悩む暇がないくらいに充実していました。またあの頃は、笑い話がよく出てきました。例えば、動詞を覚える練習の時、同じクラスの友達が間違って「テレビをたべます」と答えてしまい、クラスのみんな笑いがとまらなかったことがありました。こんな私達に先生方は日本語をいつも優しく教えて下さったことに、本当に感謝しています。
国際協力研究科(IDEC)には、世界各地からそれぞれ異なる文化、慣習を持った人々が集まっています。そこで私は在学生の皆さんに次のことを言いたいです。学生として勉強に励むことは当たり前ですが、それだけではなく多くの友人を作ってください。時には価値観の差に悩んだり、いらいらしたり、誤解を招くこともあります。私がIDECで学んだことは、異文化間のコミュニケーションを円滑に行う上で、お互いの理解や尊重が必要だと言うことです。
こうした日本での美しい思い出は永遠に心に残ることでしょう。私は、日本で多くの心の友ができて、本当に幸せだと感じています。 (原文日本語)
カンボジアにて
教育文化専攻博士課程前期二年 山田 康人
メコン川沿いのレストランにて (筆者右から2人目)
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二十四歳の誕生日、私はカンボジアのキリングフィールドを訪れていました。沈痛な面持ちのガイドが二万人以上の老若男女がこの地で虐殺されたことを語ってくれました。私が二十四年前日本で生まれた頃、罪もない人たちがこの地で殺されていたのです。どんよりと重い空気を感じるとともに私はほんの数時間前に会った教員養成学校の生徒のことを思い出していました。
彼は若いながら流暢な英語で私達を出迎え何故教師になりたいのかを語ってくれました。多くの教師はその虐殺によって命を失いました。またその職だけでは生活に必要な給料を得ることは出来ません。それなのに教師を目指す青年の目は澄み、明日への希望を自ら切り開いていこうとする輝きに満ちていました。
この二年間、私の目は彼のように輝いていたのでしょうか。IDECは優れた知のみならず、多くの人達との出会いと語らいを与えてくれました。自分を見つめる良い機会であったと実感しています。春からは私自身も教師の道に進むことになります。今以上の努力と情熱を持って生徒たちに向かい合っていくつもりです。最後に、IDECの先生方、学生の皆さんのさらなるご活躍をお祈りしております。
修了生の皆様へ
開発科学専攻博士課程前期一年 吉村 知子
広大農場にて
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ご卒業おめでとうございます。学生生活を振り返ってみていかがだったでしょうか。様々な専門分野、国籍、年齢、経歴の学生が学ぶ、国際協力研究科での生活は思い出深いものになったことだと思います。また、ここでしか出会うことのなかった人達との出会いも、これからの人生において、かけがえのないものになるのではないでしょうか。国際協力についてほとんど知識の無かった私に、いままで知らなかった世界を教えてくれた先輩、私的な相談にも快く応じてくださった先輩、何かと沈みがちなこの時代に「夢は高く大きく」持つことの大切さを教えてくださった先輩、私の知らない外国の文化・習慣を教えてくれた留学生、思い返せばきりがないくらい私は大切な人との出会いを経験し、またこれらの人への感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。そして、これらの先輩方が卒業されることは、嬉しい反面本当に寂しく思います。
これから社会へ出て行かれるわけですが、これまでの経験を活かして広く世界へはばたいて下さい。ご活躍を心よりお祈りするとともに、様々な形でまたお目にかかれることを楽しみにしています。
広大フォーラム33期5号
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